NEDO「経済安全保障重要技術育成プログラム(K-Program)高度な金属積層造形システム技術の開発・実証」に採択
~当社のフォトニクス技術で金属積層造形技術の高度化に貢献~
■概要古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)が、大阪大学、日本原子力研究開発機構、松浦機械製作所、島津製作所、MI-6、石川県および金沢大学とともに提案した研究開発課題「高付加価値設計・製造を実現する統合型レーザー金属積層造形技術の研究開発」(研究開発責任者:大阪大学 塚本雅裕 教授)が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「経済安全保障重要技術育成プログラム(K-Program)/高度な金属積層造形システム技術の開発・実証」に、採択されました。
事業期間(予定)は、2024年度~2028年度の5年間で、次世代ものづくり基盤技術の確立を目指し、他の委託先および共同実施先と共同で取り組んでいきます。
当社は本研究課題において、高出力の青色半導体レーザおよび近赤外(IR)ファイバレーザの開発、光学ヘッド・ビームプロファイル制御素子の設計、そして新工法により試作したサーマル製品の性能評価を担当します。
■研究事業の内容
金属積層造形の、さらなる高機能な部品製造・リードタイム短縮可能な生産プロセス確立を目指して
カーボンニュートラルに向けて、自動車、重電機器等の各産業では、電気伝導率や耐腐食機能の高い材料を用いた部品の製造が求められています。本事業では、従来、積層造形による製造が困難であった純銅等を対象とし、青色レーザによる「PBF‐LB(レーザ粉末床溶融法)」と「DED‐LB(レーザ指向性エネルギー堆積法)」における造形技術を開発し、又は組み合わせを行い、電気伝導率の高い素材等を用いた積層造形によるEV向け部品等の製造技術の確立を行います。
今回採択された研究では、プリプロセスで「高性能な造形条件等の探索・シミュレーション技術とデータプラットフォームの一体化」、インプロセスで「プロセスの安定性向上および造形技術の高度化」およびポストプロセスで「金属粉末の品質向上・製造技術の高効率化」をテーマに開発します。最終的に各プロセスを連携させた「統合型レーザー金属積層造形システム」を構築し、さらなる高機能な部品製造・リードタイム短縮に資する生産プロセスを確立します。
図1 本研究開発課題の概要
当社は、特殊光ファイバや光部品、半導体レーザなどのフォトニクス技術やノウハウを有し、各種銅部品の溶接に最適な産業用レーザを製造・販売しています(図2)。今回採択された研究開発においては、これまで培った技術を生かして、世界最高出力レベルの青色レーザと高出力の近赤外ファイバレーザを開発・提供します。また、これらのレーザと組み合わせて使用する光学ヘッドとビームプロファイル制御素子の設計開発を行い、レーザについてはインプロセスにおけるプロセスモニタリング技術との連携を容易にする制御インターフェースを提供することで、レーザ金属積層造形の技術開発に貢献します。さらに、開発された技術を使って作製したサーマル製品の性能評価を行います。
図2 当社製青色レーザ
図3 当社製レーザによる厚銅加工例
(上:上面図/下:断面図)
採択課題について
事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム
https://www.nedo.go.jp/activities/k-program.html
領域:高度な金属積層造形システム技術の開発・実証
研究開発テーマ:高付加価値設計・製造を実現する統合型レーザー金属積層造形技術の研究開発
研究代表者:国立大学法人大阪大学接合科学研究所 塚本雅裕 教授
事業期間(予定):2024年度~2028年度(5年間)
図4 研究開発課題の実施体制
■古河電工グループのSDGsへの取り組み当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182