ボッシュ、グローバルおよび日本で調査を実施

ボッシュ株式会社

AIは「10年後に最も影響力のあるテクノロジー」

主な調査結果
  • 「AI」が「10年後に最も影響力のあるテクノロジー」世界で1位。
    日本では2位に「自動運転」と、自動車開発に関わる最新技術が上位に
  • AIスキルの重要性:グローバルの半数以上(56%)が認識、日本では45%がAIスキルは重要と回答し、特に18歳~30代が最も強く認識
  • 国内外で約半数がAI台頭による仕事へのリスクを感じるも、職場でのAI研修習得率は世界で3割未満、日本はわずか1割という結果に
横浜 — グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーであるボッシュの日本法人、ボッシュ株式会社(本社:神奈川県横浜市都筑区、以下 ボッシュ)はこのたび、テクノロジーおよびAIに関する調査結果を発表しました。これは、ボッシュが世界1万1,000人超を対象に行ったグローバル調査※「Bosch Tech Compass」と同様の調査を、国内の18歳から69歳の男女約1,000人を対象に行ったものです。
※グローバル調査の対象国:ドイツ、フランス、イギリス、米国、ブラジル、中国、インド

その結果、グローバル調査および日本でAIが「10年後に最も影響力があるテクノロジー」として1位となり、回答者の半数以上が「AIスキルの重要性」を認識していることが分かりました。また、約半数が「AIの台頭により自身の仕事にリスクを感じている」と回答。一方、「職場でAIに関する研修を受けたことがある人」はグローバルで約3割、日本に至っては1割と他の国と比べても最下位という結果となりました。

ボッシュ株式会社の代表取締役社長を務めるクリスチャン・メッカーは、次のように述べています。「AIはわたしたちのビジネスに大きなチャンスをもたらします。その可能性を見いだし、人々が日々の生活や仕事で活用できるよう促すことも社会全体の課題です。ボッシュでは、すでに自社の製品やソリューションにAIを活用しています。またグローバルではもちろん、日本国内でも工場の製造現場でAI検視などの活用が進んでいます。さらに全従業員の知識や経験を底上げするべく、AIに関連した研修の提供や、生成AIツールの提供、AI活用事例を学ぶ社内イベントの実施など、さまざま取組みを積極的に取り入れています。ボッシュでは今後も、コーポレートスローガンである『Invented for Life』を体現する、人と社会に役立つ革新的なテクノロジーの提供に向け、AIの活用とAI人材の育成に注力していきます。」

本調査の結果は、以下の通りです。なおグローバル調査の結果に、日本は含まれていません。

1. 10年後影響力のあるテクノロジー:1位「AI」、日本は2位に「自動運転」
「10年後、最も影響力のあるテクノロジー」について3つまで選択してもらったところ、「AI」がグローバル調査(67%)でも日本(51%)でも1位に選ばれました。続いてグローバルでは、回答者の32%が「5Gテクノロジー」、24%が「自動運転」を挙げました。一方、日本では2位に「自動運転(30%)」が選ばれ、自動車開発に関連する「自動運転」が、日本では関心の高いテクノロジーであることが分かりました。

 
2. グローバルで半数以上がAIスキルの重要性を認識、日本は18歳~30代が意識
AIスキルの重要性に関する質問では、グローバルでは半数以上(56%)がAIスキルを重要(必須、重要、やや重要)と認識しました。国別に見ると、ドイツ(41%)、フランス(38%)は40%程度に収まる中、対照的にインド(83%)、中国(76%)では多くの人がAIスキルの重要性を認識しており、国によって大きな差が出る結果となりました。

また日本では45%の人が「AIスキルが重要」であると考え、特に18~20代(50%)および30代(49%)では約半数がAIスキルの重要性を認識していました。その後、40代(43%)、50代(42%)、60代(37%)と、年代が上がるにつれて徐々にその重要性の認識が下がる結果となりました。
 

3. グローバルでは約半数がAIで自身の仕事がリスクにさらされると意識するも、各国で大きな差
グローバルでは約半数(49%)が、AIの台頭により、将来自身の仕事がAIによってリスクにさらされると感じていることがわかりました。しかしドイツでは、AIが自分の仕事に対するリスクであると考えている人は約3割(34%)にとどまりました。興味深いことに、前問の「AIスキルの重要性」と同様、中国では7割(70%)、インドでは約6割(63%)が、「AIをリスクだと認識」していました。つまり、「AIスキルの重要性」を認識している中国とインドが、同時に「AIは自分の仕事に対するリスク」であると考えていることが判明しました。

なお日本では、「将来、AIで自分の仕事がリスクにさらされると思うか」という問いに対し、「強くリスクにさらされる」を選択した人は6%、「ややリスクにさらされる」を選択した人は46%となりました。つまり日本では「AIは自分の仕事に対するリスク」だと認識している回答者の合計は、グローバル調査の平均より3ポイント高い52%でした。また特にリスクを感じているのは18~20代で6割(61%)が最も高い結果となりました
 

4. 職場のAI研修:世界で3割未満も国別に大きな差、日本はわずか1割
前問の調査結果の通り、グローバルでは約半数(49%)がAIによって自分の仕事がリスクにさらされると考えているにも関わらず、「職場でAIの研修を受けたことがありますか?」という質問に対して「はい」と答えた人はわずか3割未満(28%)となりました。グローバル調査で最も多かった回答は「いいえ、しかし近いうちにAI研修を受ける予定になっています」の61%で、「いいえ」と回答した人は11%でした。職場でAIに関する研修を受けている人の割合はインド(57%)が突出しており、2位の中国(38%)と比べても19ポイントも差がありました。このように国別に比較すると、職場におけるAI研修の提供には大きな差があり、ドイツ(18%)、フランス(15%)、ブラジル(14%)では職場でのAI研修を受けたことがある回答者は20%以下という結果でした。

しかし日本に至っては「職場でAIの研修を受けたことがある」と回答した人がわずか1割(10%)と、グローバル調査の結果と比較すると最も低い結果でした。反対に職場で研修を受けたことがないと回答した人が82%と最も高い結果となりました。グローバル調査の結果と比較しても、日本ではAI研修の受講経験者が圧倒的に少ないことが分かりました。

グローバル調査「Bosch Tech Compass」に対し、ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーのタニア・リュッカートは次のように述べています。「仕事を進める上では、仕事に不可欠で、かつ補完的なスキルになるであろうAIに、向き合う必要があります。生成AIは、学習や仕事、コラボレーションの方法に影響を与え、企業のワークフローやプロセスに大きな変化をもたらすでしょう。だからこそボッシュでは従業員のキャリアをサポートし、適切な専門能力の開発機会を提供することが重要だと考えています。ボッシュではすでに、独自の教育プログラムであるAIアカデミーを通じて世界で6万5,000人以上の従業員にAIのトレーニングを提供しています。このトレーニングは、全従業員がオンラインで受講できます。また従業員に対して、生成AIは日常業務における単純で反復作業から解放することで従業員をサポートできる、という利点も説明しています。」

日本におけるボッシュのAIの取組み:研修から、生成AIツールの提供、従業員向けイベントまで
ボッシュでは、日本でもAIの重要性を認識しており、昨年よりAIに関する研修や施策に力を入れています。主な取り組み事例は以下の通りです。

AI研修
AIアカデミーで提供されている研修の一部は、日本でも日本語で提供しています。さらに生成AIの使い方講座やプロンプトについて学ぶ勉強会など、気軽にAIについて学べる学びの機会も提供しています。

生成AIツール「AskBosch」
社内向けの生成AIツール「AskBosch」は日本を含めた世界のボッシュで2023年末からから提供開始し、日常的な業務におけるAI活用を促進しています。AskBoschでは、インターネット上の入手可能なデータにアクセスでき、外部に情報流出することなく、文章の要約や翻訳、テキストや画像生成、データ分析などの用途に利用できます。2025年、国内におけるAskBoschの平均月間アクセス数は5万回以上を目標としています。

従業員向けイベント「Bosch Japan AI Day」
従業員が社内外のAIの取組みについて学ぶための従業員向けイベント「Bosch Japan AI Day」を2024年から開催しています。社内のみならずボッシュ以外の企業も招致し、AIを活用した事例やソリューションを紹介するイベントです。基調講演では、外部ゲストを招いてAIに関する取り組みや考え方について紹介したほか、展示エリアでは社内外の各チームがAIを活用した業務改善ツールや工場でのAI活用事例を従業員に紹介しました。本イベントは、社内外の事例を学ぶことで、従業員にAIを身近なものに感じてもらい、AIに関する知識の底上げや積極的なAI活用を目的としたもので、2025年も開催を予定しています。

その他、本調査で明らかになったその他の調査結果は、以下の通りです。

5. グローバルの6割以上、日本の半数「AIは学校で独立した科目になるべき」
グローバル調査の結果では、6割以上(63%)の人が、学校でAIを独立した科目として教えることを歓迎すると回答しました。日本では、約半数(49%)がその意見を支持しています。また中国(84%)やインド(79%)での支持者は約8割におよんでいます。「AIスキルの重要性」を認識している中国とインドは、AIの将来性を鑑みて、将来必要となるスキルとして、早期におけるAI教育の重要性を認識している結果となりました。
 

6. グローバルでは半数以上が職場でAIの使用経験あり、「毎日/毎週」:インド(60%)、中国(52%)は突出、日本はわずか17%
職場におけるAI使用頻度についての質問では、グローバル調査(53%)でも、日本(52%)でも、すでに約2人に1人が職場でAIを使用した経験があると回答しました。しかし「毎日」「毎週」使用すると回答した人に焦点を当てると、グローバルでは37%、日本ではわずか17%という結果でした。グローバル平均から20ポイントの差をつけ、日本が職場におけるAIの使用頻度が最も低い結果となりました。


日本の調査概要
調査方法:インターネット調査
実施対象:1,030人(全国の18歳~69歳の男女)
調査期間:2024年12月6日~8日
回答者数:1. 選択肢のテクノロジーを知っている1009人、2および6. 有職者798人、3および4. 職場でAIツールを少しでも使う有職者417人、5. 全員

グローバルの調査概要
2024年秋、Bosch Tech Compass用に、Gesellschaft für Innovative Marktforschung mbH(GIM)が7か国、18歳以上の1万1,000人以上を対象に実施しました。ドイツ、フランス、イギリスではそれぞれ1,000人、ブラジル、中国、インド、米国ではそれぞれ2,000人が参加しました。

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