日本製鉄 高炉スラグ微粉末製品が新丸山ダム建設における脱炭素化の取組みに貢献 ~低炭素型コンクリート使用による国内土木工事では最大規模の削減~
エスメントは、製鉄所の高炉で鉄鉱石を溶かして鉄を作る過程で生じる副産物である高炉スラグを、加圧水で急冷・破砕したのちに粉砕し、さらに粉末度を調整したものです。セメント同様に水和反応を経て硬化する性質があり、しかも長期にわたって強度が増進するため、セメントの大半をエスメントに置き換えても化学的に安定しており、構造体コンクリートとして十分な強度を発現します。
さらに、副産物を粉砕するのみで製造されるエスメントには、粉砕の前に原料の焼成が必要であるセメントと比べ、製造時のCO2 発生量が1/40程度であるという特長があることから、セメントの多くをエスメントに置き換えて製造するコンクリートは「低炭素型コンクリート」として、これを使用する建設現場の脱炭素化に貢献します。今後も、日本製鉄グループでは、低炭素コンクリート製造へのエスメント供給を通じ、インフラ整備における脱炭素化の取組みと副産物の有効活用による循環型社会の実現に貢献してまいります。
【エスメントを使用した低炭素型コンクリートの打設箇所:
新丸山ダムの下流締切工(左)既設丸山ダム仮排水路閉塞工(右)】
<低炭素型コンクリート使用工事の概要>
工事名称 :国土交通省中部地方整備局発注の新丸山ダム本体建設第1 期工事・第2 期工事
(岐阜県加茂郡八百津町、可児郡御嵩町)
施工者 :大林・大本・市川特定建設共同企業体
適用工種 :下流締切工および既設丸山ダム仮排水路閉塞工
打設予定数量 :約15,500m3 ※1
コンクリートの種類:大林組開発のクリーンクリートの原料としてセメントに対しエスメントを75%置き換え
エスメント使用量 :約3,750 トン(第1期工事(終了)と第2期工事(工事中)の合計)
CO2 削減効果 :約2,800 トン(約144 万m3 ※2)
※1 土木工事に使用する低炭素型コンクリートとして国内最大規模
※2 バンテリンドーム ナゴヤ約1個分に相当
(お問い合わせ先)
日本製鉄株式会社 https://www.nipponsteel.com/contact/
日鉄スラグ製品株式会社 https://www.slag.nipponsteel.com/contact/