【ニュースレター】3輪EV「トライセラ プロト」のサウンド開発に迫る

ヤマハ発動機株式会社

~「ジャパンモビリティショー」出展モデル。走行音、UX/UI音の担当者にインタビュー~

「TRICERA proto」のUX/UI音をデザインした橋本さん(左)と、走行音を開発した田中さん

高揚感や没入感を増幅するサウンドを
 一般公開日を目前に控えた「ジャパンモビリティショー2025」。そのヤマハブースの中央で皆さんをお待ちするのは、3輪パッケージのフルオープンEV「TRICERA proto(トライセラ プロト)」です。新たなドライビングプレジャーを提案する3輪手動操舵(3WS)の実走コンセプトモデルとして、開幕前から大きな話題を集めています。
 その関心の中心は、言うまでもなく前後輪操舵がもたらす新感覚の旋回制御。しかし、開発メンバーたちがこだわり抜いた要素の一つに、「音」に関わる開発がありました。ドライバーの高揚感を掻き立て、操作に没入する悦びにあふれた車内空間を実現しようと、自社開発のサウンドデバイス「αlive AD」を搭載。走行音のチューニング&調律に加え、起動音やウィンカー音などのUX/UI音まで、「TRICERA proto」が提供すべき価値を深掘りし、とことんこだわったサウンド開発が進められてきました。
 これらの「音」を生み出した田中澄人さん(AM開発統括部)と橋本晃さん(プランニングデザイン部)は、「実際に乗り込んでの体験はできませんが、デモ時のサウンドにぜひ耳を傾けてください」と声を揃えます。
 
走行音の開発を担った田中さんは、「風切り音などの影響が大きいフルオープン
ならではの難しさやチャレンジがあった」と振り返る

「なぜ、この音なのか?」を考える仕事
 二人の入社動機は、ともに「音」。田中さんの主な関心は「自動車の音」、対して橋本さんは「二輪車の音」。「その頃、モビリティの音と言えば“出てしまう音”を意味しました。田中さんも私も、当初は自動車エンジンやオートバイの開発現場で騒音や振動を抑える仕事に就いていました」と橋本さん。しかし、「音」との高い親和性をもつYAMAHAブランドには、「“モビリティ×音”の領域に、こだわりをもって向き合っていく期待感を常に感じていた」そうです。
 一方、「これまで作った音源は、数千種」と話すのは、心高ぶる走行音を開発した田中さん。「TRICERAのコンセプトを自分の中で咀嚼した上で、その音源からベースになるものをピックアップして作り込みました」。そのサウンドを耳にすると、全開加速時やクルージング時で、ドライバーの心もちまで移ろいでいく様子が容易にイメージできます。
 起動音や機能音といったUX/UI音を担当した橋本さんは、パワーキーのON/OFF、警告音やエラー音、さらには充電開始のサイン音まで、「なぜこの音なのか? を考え、実際に創るのが私の仕事」と話します。身に着けた絶対音感と音響心理学の知識を背景に、物理的な音波が人間にどのように知覚・解釈され、心理的な影響を与えるかを考え抜くことで、さまざまなUX/UI音を生み出しています。
 感性に訴える旋回性能と、それらを増幅するサウンド。その刺激的な世界に、ぜひ皆さんも思いを馳せてみてください。
 
対象のコンセプトや要件を自分の中にインプットし、サウンドデザインに取り組む橋本さん

■広報担当者より
10月31日から一般公開を迎える「ジャパンモビリティショー2025」。今回もヤマハ(株)の出展協力により、立体音響システムなど「音」にこだわったブース演出で皆様のご来場をお待ちしています。その中央に展示されるのが、今回紹介した「TRICERA proto」。実車を間近に見て、そのサウンドに思いを馳せていただけると幸いです。
 

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