SAS 2026年、医療・ライフサイエンス業界予測:データは博士号レベルに到達し、AIが医療の未来を切り拓く

SAS Institute Japan株式会社

データとAIが研究開発から治療、患者ケアまでを変革する未来を予測

データとAIのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下、SAS)は、来る2026年について、科学、医療、そしてそれらを支える事業運営の在り方における変革を予測しています。AIとアナリティクスが医療・ライフサイエンス業界にもたらす影響は、「急激な変化」ではなく、スマートで実用的なイノベーションに向けた着実かつ戦略的な歩みとなっています。

分断されていたデータストリームが統合され、量子モデルは前臨床試験に本格採用され、規制サンドボックスは実運用ベースに移行します。AIは、臨床診断だけではなく在宅医療、医療現場に至るまで、あらゆる場面で活用が進むでしょう。そこから浮かび上がる共通点は明確で、今後先進的な組織ほど、データとAIを実験的な追加機能ではなく、競争力を支える基盤として位置づけています。

より詳しく知りたい方は、2026年1月22日に開催されるSAS webinar Top Health and Life Sciences Trends for 2026(SASウェビナー:医療・ライフサイエンス業界における2026年のトップトレンド:英語のみ)( https://www.sas.com/en_us/webinars/top-hls-trends-2026.html )への参加登録をお願いいたします。

SASのヘルスケア・ライフサイエンス部門の専門家が、今後の展望について、それぞれの考察を提示しています。

データオーケストレーションがライフサイエンスを統合
ライフサイエンス分野が個別化医療へと進むにつれ、個々に分断されたデータを扱う時代は終わりを告げます。2026年以降は、デジタルバイオマーカー、ゲノミクス、医療用画像、臨床検査といった多様なデータソースから得られる高品質で継続的なデータストリームを統合する時代へと移行します。ゲノムワイド関連解析からポリジェニックリスクスコアに至るマルチモーダル解析の可能性は、これらの複雑なシグナルを調査し、文脈化できる堅牢なデータエンジニアリングが不可欠です。今後は、創薬研究領域と臨床分析データの融合という2つのデータ領域を結びつける取り組みに向けた大規模投資が進むと予想されます。
― ヘルスケア・ライフサイエンス部門グローバル責任者、マーク・ランブレヒト博士(Mark Lambrecht)

拡張知能が地方医療の新たな時代を切り拓く
バーチャルエージェントによるトリアージ、ケアナビゲーション、継続的モニタリングを担うことで、AIは地方での医療アクセス向上にむけた主要な推進力となります。ハイブリッド型のケアチームは、診断結果を解釈し、リスクを可視化し、最適な次のステップを提示するAIツールを活用することで、人間の意志決定を強化します。価値に基づく医療プログラムは、AIを活用した予測型の集団健康管理へと移行するとともに、交通手段、食料アクセス、母子支援といった地域支援も、患者のニーズに応じてサービスを最適にマッチングするインテリジェントエージェントによって、大規模かつ効率的に調整されるようになるでしょう。
― グローバルヘルスケア・ライフサイエンス戦略アドバイザリー部門責任者、アマンダ・ベアフット(Amanda Barefoot)

量子技術が臨床研究に飛躍的進展をもたらす
2026年には、量子機械学習(QML)が新規医薬品候補の毒性予測において実用化される見込みです。量子力学的な複雑な相互作用を、前例のない高精度でシミュレーションすることで、従来のAIよりも迅速に潜在的な安全性リスクを検出することができ、前臨床研究における失敗率を大幅に低減することが期待されます。
― グローバルライフサイエンス戦略アドバイザリー部門責任者、ブリタニー・シュライバー(Brittany Shriver)

在宅ケアの拡大がテクノロジー革新を促進
2026年には、在宅ケアの拡大を背景に、在宅・地域密着型ケアへの支出が増加すると見込まれています。これに伴い、患者の遠隔モニタリングがますます重要になり、IoTデバイス、イベントストリーム処理、AIを活用したリアルタイム分析により、慢性疾患の管理、治療成果の改善、コスト削減が進むでしょう。業界全体では、まだ変革の初期段階にありますが、今後はその効果を検証する実証プロジェクトが増加し、分散型かつデータドリブンな医療モデルへの移行を後押しすると考えられます。
― 米国ヘルスケア戦略アドバイザリー部門責任者、RN、ヘザー・ハレット(Heather Hallett)

規制サンドボックスが医療改革を加速
病院、医療機関、スタートアップ企業は、規制当局が承認したサンドボックスを活用し、プライバシー法や医療規制に抵触することなく、合成臨床データを用いたAIモデルの検証、臨床試験のシミュレーション、意志決定支援ツールのプロトタイプ開発を行い、検証プロセスを大幅に加速することが可能になります。
― EMEA地域ヘルスケア戦略アドバイザリー部門責任者、クリスチャン・ハーダール(Christian Hardahl)

AI生産性ツールが新たな標準に
2026年末までに、あらゆる主要企業がAI生産性ツールを導入することでしょう。今日、あらゆる企業がクラウドやCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を活用しているのと同様に、LLM(大規模言語モデル)を決定論的エンジンに組み込んだ仕組みが、マーケティングコンテンツの作成から医療請求業務に至るまでさまざまな業務を支える基盤となっていきます。生成AIが注目を集める一方で、実際に価値を生み出し成果を上げているのは決定論的AIです。両者を組み合わせることで、企業はこれまでにないスピードと効率性を備え、高い生産性を実現します。一方で、AIを単なる「テクノロジートレンド」にすぎないという幻想に囚われている企業は、競争から取り残されるでしょう。
― ヘルスケア戦略アドバイザー、ヘザー・トリンブル(Heather Trimble)

マルチモーダルRWDが例外ではなく標準に
マルチモーダルデータの活用は、リアルワールドエビデンス(RWE)創出において急速に標準化しつつあります。構造化された電子カルテデータ、非構造化の臨床経過記録、医療用画像、ウェアラブルデバイス、患者からの報告、ゲノミクス、さらには健康の社会的決定要因(SDOH)をシームレスに統合することで、患者に対する理解を深めることができます。大規模言語モデル(LLM)の進化によって、データ標準化プロセスの高速化、あるいは異種データソースの直接理解が可能となり、長年にわたるデータ相互運用性の課題がついに解消されると見込まれます。
― ヘルスケア・ライフサイエンス戦略アドバイザー、ウィリアム・クァン(William Kuan)

AIテクノロジーが製薬サプライチェーンを変革
製薬業界のサプライチェーンは、パンデミックや地政学的変動、原材料不足といった混乱に対応できるよう、デジタル技術を活用し、強靭性を高めていきます。AIと機械学習は、予知保全、製造プロセスのリアルタイム監視、品質保証の自動化を支える一方、リアルタイムシミュレーションと最適化を可能にするデジタルツインや、トレーサビリティとコンプライアンスを強化するブロックチェーンといった新興技術も活用されていくことでしょう。
― ライフサイエンス戦略アドバイザー、シャロン・ネイピア(Sharon Napier)

臨床判断をAIが後押し
2026年には、医療業界においてAIを活用した臨床意志決定支援システムの導入が加速するでしょう。これらのシステムは、診断精度の向上や治療提案の個別化の実現といった効果が実証されています。この変化は、医療従事者のAIに対する信頼の高まり、データの相互運用性の向上、そして最近の業界分析で明らかになった戦略的投資の拡大によって支えられています。
― ヘルスケア・ライフサイエンス戦略アドバイザー、マーク・ウォルフ博士(Mark Wolff)

AIが医療の個別化と患者ケアの最適化を促進
2026年には、AIモデルが患者のゲノム情報、既往歴、治療データを分析し、最適な治療法や臨床試験への参加を提案するようになります。分子間相互作用のモデル化、薬剤候補のスクリーニング、毒性予測にAIを活用することで、創薬の初期段階における時間とコストが大幅に削減されると見込まれます。
― ライフサイエンス戦略アドバイザー、プリテシュ・デサイ(Pritesh Desai)

コパイロットとAIエージェントの活用が進む
2026年には、コパイロットの役割は単なるコードアシスタントから、手動タスクの自動化や医薬品申請プロセスの迅速化へと拡大するでしょう。AIエージェントの役割が広がる一方で、そのアウトプットの検証・承認には引き続き人間が関与することになります。特に欧州では、EUのAI法によってプロセス全体における人間の責任と関与の在り方がより明確に定義されるでしょう。
― ライフサイエンス戦略アドバイザー、オリヴィエ・ブシャール(Olivier Bouchard)

データ品質が今後の医療の成功を左右する
AIが医療を変革し続ける中、一つの明白な真実が浮かび上がっています。AIの成功はアルゴリズムだけで決まるのではなく、それを支えるデータに依存するということです。予測医療や精密医療の時代において、高品質で患者中心のデータにアクセスし、業務フロー全体でシームレスに統合できる組織こそが価値創出、治療成果の向上、そして患者からの信頼獲得において業界をリードする存在となるでしょう。
― ヘルスケア戦略アドバイザー、グレース・グー(Grace Gu)

医療のデジタル化は引き続きメリットとリスクをもたらす
医療データのデジタル化により、医療の質向上、行動改善による健康増進、医学研究や臨床開発の進展が実現してきました。特にAIと機械学習の活用はその大きな推進力となっています。一方で、こうしたメリットと同時に、プライバシー侵害やデータの不正利用といった新たなリスクも生じています。2026年には、AIの利点を最大化しつつ、リスクを抑えるための投資が行われるでしょう。
― ヘルスケア・ライフサイエンス戦略アドバイザー、ロバート・コリンズ博士(Robert Collins)

AIは、業務から遠隔診断まで、あらゆる場面に浸透
機械学習とクラウドネイティブなプラットフォームは、ライフサイエンス分野の研究開発の中核となり、臨床試験の失敗リスクを低減し、規制当局の承認プロセスを加速させるでしょう。AI主導の創薬は有望な医薬品候補の特定期間を短縮し、分散型臨床試験は、試験設計や患者とのコミュニケーションの在り方を変革します。こうした変革により、業界全体でデータガバナンス、モデルの透明性、規制の調和に向けた戦略的重要性が高まるでしょう。
― ライフサイエンス戦略アドバイザー、サウンダリヤ・パラニサミ(Soundarya Palanisamy)

AIがサステナビリティ分野で成果を生み始める
医療・ライフサイエンス分野におけるサステナビリティの分野では、レポートやデータ収集だけでなく、AIによる最適化や予測ロジスティクスといった実践的な改善へと大きくシフトしていくでしょう。同時に、AIそのものが環境に与える影響にも注目が高まり、サプライチェーン全体の環境負荷とあわせて、調達判断における重要な要素の一つとなっていくでしょう。
― ライフサイエンス戦略アドバイザー、リサ・マーチ(Lisa Murch)

SASのヘルスケア業界向け( https://www.sas.com/ja_jp/industry/health-care.html )およびライフサイエンス業界向け( https://www.sas.com/ja_jp/industry/life-sciences.html )アナリティクスおよびAIソリューションの詳細をご参照ください。

*2025年12月11日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース( https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2025/december/health-life-sciences-2026-predictions.html )の抄訳です。本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。

SASについて
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意志決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。

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