最大7割、実写広告を「AI画像広告」と誤認 「AI画像広告だ」と認識された広告は、購入・利用喚起スコアが低下 ~ ビデオリサーチ ひと研究所によるAI画像広告に関する検証結果 ~
本調査は、生成AIで制作した画像を用いた広告クリエイティブと実写画像を用いた広告を比較することで、その影響を検証したものです。本レターでは調査結果の一部をご紹介します。
※本レターは、当社ウェブメディア「VR Digest+」内の記事(2026年4月3日公開)から情報を抜粋してお届けしています。
【クレジット表記のお願い】
本データを記事掲載する際は、クレジットとして
「ビデオリサーチ ひと研究所調べ(2025年12月AI画像広告調査)」
と付記の上、ご使用くださいますよう、お願い申し上げます。
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< 調査サマリー >
■生活者は、実写広告とAI画像広告を必ずしも見分けられていない 実写広告であっても、提示された広告を「AI画像広告」と誤認した人が最大7割という結果に ■広告が「AI画像広告」と認識されると、購入・利用喚起が低下する傾向 実際にAIで制作されたかどうかにかかわらず、「AI画像広告だと思った人」は広告効果スコアが低下 ■AI画像広告の判別要因は「全体的な違和感」が4割と最多 そのほか「人物の肌や表情の不自然さ」「背景の構造・色味」なども判断材料に ■商品カテゴリーによって、AI画像広告の見分け方に違い 人物・商品中心の広告では人物表現、旅行系広告では背景や全体のトーンが影響 ■広告クリエイティブの生成AI活用に対する意識 「広告が画一的になりそう」との懸念が約3割 一方で「先進的」「柔軟」といったポジティブ評価も一定数確認 ■ひと研究所コメント 生成AIを用いた広告クリエイティブ活用における示唆 ~クオリティ確保・実写の価値・商品カテゴリー適合の観点から~ |
ひと研究所によるAI広告調査データを含む分析記事は、以下からもご覧いただけます。
■VR Digest+(ビデオリサーチ ダイジェストプラス)
AI画像広告は生活者に受け入れられるのか?~生成AIを活用した広告クリエイティブへの生活者の反応を分析
https://www.videor.co.jp/digestplus/article/consumer260403.html
| 【検証概要】 本検証では、ファストフード/ミネラルウォーター/旅行の3つの商品カテゴリーを想定し、 いずれも実在のブランドや商品とは無関係な架空の広告クリエイティブを用いて検証を行いました。 各カテゴリーにおいて、以下のような内容の広告クリエイティブを設定しています。
それぞれのカテゴリーについて、2種類の広告クリエイティブを制作しました。
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【調査結果】
■生活者は、実写広告とAI画像広告を必ずしも見分けられていない
実写広告であっても、提示された広告を「AI画像広告」と誤認した人が最大7割という結果に
まず、「生活者は実写広告とAI画像広告を見分けられるのか」という点を検証しました。6種の広告のうち、ランダムに1枚のみを提示し、広告評価を質問した後、提示された広告が「実写広告」か「AI画像広告」かを選択式で質問しました。
その結果、AI画像広告を提示した場合に正しく「AI画像広告」と認識した人の割合は約6~7割にとどまりました(ファストフード:62.7%、ミネラルウォーター:56.1%、旅行:72.8%)。
一方、実写広告を提示した場合でも、最大で7割が「AI画像広告だった」と認識しており(ファストフード:60.5%、ミネラルウォーター:45.8%、旅行:71.4%)、実写広告とAI画像広告の判別は、生活者にとって必ずしも容易ではないことが明らかになりました。
■広告が「AI画像広告」と認識されると、購入・利用喚起が低下する傾向
実際にAIで制作されたかどうかにかかわらず、「AI画像広告だと思った人」は広告効果スコアが低下
次に、実写広告とAI画像広告の広告効果(購入・利用喚起)について分析を行いました。本調査では「購入・利用喚起」を7段階(1:まったく購入・利用したくない~7:ぜひ購入・利用したい 点数化して集計)で評価し、回答者を、①提示された広告を「実写広告だった」と認識したグループ、②「AI画像広告だった」と認識したグループの2つに分類し、比較しました。
その結果、実写広告・AI画像広告のいずれにおいても、「AI画像広告だった」と認識したグループのほうが購入・利用喚起スコアが低い傾向が確認されました。この傾向は「広告の印象度」「好意度」といった指標でも同様に見られました。
これらの結果から、AI画像広告が「AI画像広告である」と認識される場合だけでなく、実写広告であっても「AI画像広告である」と誤認される場合においても、広告効果低下につながる可能性が示唆されます。
■AI画像広告の判別要因は「全体的な違和感」が4割と最多
そのほか「人物の肌や表情の不自然さ」「背景の構造・色味」なども判断材料に
■商品カテゴリーによって、AI画像広告の見分け方に違い
人物・商品中心の広告では人物表現、旅行系広告では背景や全体のトーンが影響
一方、旅行広告のように背景が主となるクリエイティブでは、背景の構造(30.1%)、背景の色味・質感(23.3%)、画像全体の色味(22.7%)などがAI画像広告と判断する材料になっていました。また、すべての商品カテゴリーで共通して、「全体的に何となく違和感がある」といった理由が4割以上と最も多く挙げられており、明確な要素だけでなく、漠然とした印象からAI画像広告だと認識されるケースが多いことも判明しました。
【図3】AI画像広告の判別要素
「広告が画一的になりそう」との懸念が約3割
一方で「先進的」「柔軟」といったポジティブ評価も一定数確認
広告クリエイティブ制作における生成AI活用に対する生活者意識では、「同じような広告ばかりになりそう」といった、広告の無個性化を懸念する声が約3割(29.6%)と、比較的多く見られました。あわせて、「手を抜いていると感じる(20.2%)」「品質や信頼性に不安がある(19.9%)」といった意見も一定数存在しています。
一方で、「先進的だ(24.5%)」「柔軟な考えだ(23.2%)」といったポジティブな評価も確認されました。この結果から、生成AIの活用に対する生活者の受け止め方には、懸念と期待の双方が混在しており、一様ではないことが読み取れます。
【図4】広告クリエイティブ制作におけるAI利用に対する生活者の評価
■ひと研究所コメント
生成AIを用いた広告クリエイティブ活用における示唆
~クオリティ確保・実写の価値・商品カテゴリー適合の観点から~
本調査結果を踏まえ、ひと研究所では、広告クリエイティブ制作における生成AI活用について、いくつかの示唆が得られたと考えています。
実写の代替として生成AIによる画像を使用する場合には、生活者に「AI画像広告だ」と認識されないほどの精巧さを確保することが、広告効果の観点から重要になると考えられます。
一方で、実写広告を用いる場合には、「実写であること」をあえて明示・強調することで、AI画像広告との差別化要素として有効に働く可能性も示唆されました。生成AIによる画像表現の精度が急速に向上する中で、"あえて実写を用いる"ことが価値となり得るという考え方です。
また、AI画像広告の活用にあたっては、商品カテゴリーとの相性も重要な要素となります。「先進的」といったイメージが求められる家電やAIサービスなどのカテゴリーでは、AI画像広告であること自体が肯定的に受け取られる可能性があることも示されました。
本ニュースレターでは、生成AIを用いた広告クリエイティブが生活者にどのように受け止められ、広告効果にどのような影響をもたらすかについて検証を行いました。
生成AIの精度向上と活用拡大は今後さらに加速すると見込まれる中で、広告クリエイティブ制作における生成AI活用のメリットとリスクを適切に把握することは、広告業界における重要なテーマのひとつとなっていくと考えられます。
ひと研究所では、AI画像広告がどのように評価され、その背景にどのようなメカニズムがあるのかをより包括的に理解することを目指し、今後も継続的に調査結果の分析を進めてまいります。
実施時期:2025年12月5日(金)~12月6日(土)
調査方法:Web調査
調査エリア:全国
サンプル数:2,593
対象者:男女15~69歳
商品カテゴリー関与条件:
・ファストフード広告提示グループ:
ハンバーガーショップなどのファストフード店を3ヶ月に1回以上利用
・ミネラルウォーター広告提示グループ:
200㎖から500㎖程度のペットボトル入りの水(ミネラルウォーター・天然水)を3ヶ月に1回以上飲用
・旅行広告提示グループ:5年に1回以上宿泊旅行に行く
■ひと研究所(https://www.videor.co.jp/service/communication/hitoken.html)
ひと研究所とは、ビデオリサーチの生活者に関するシンクタンクです。当社が保有する多様なデータを活用しながら、生活者の今と未来のインサイトを探求しています。
株式会社ビデオリサーチは、テレビを含む動画ビジネスを支えるデータ&システム会社です。1962年にテレビ視聴率データを提供する調査機関として設立され、日本国内におけるテレビ視聴率調査や各種メディアデータ、マーケティングデータを提供しています。公正なデータと信頼性の高い指標を基盤に、企業のマーケティング課題解決をトータルサポートし、知恵と情熱でデータ&システムを駆使するソリューションカンパニーとして、企業の意思決定を支援しています。
