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学習院大学東洋文化研究所では、10~11月にかけて東洋文化講座シリーズ「東アジア諸言語の歴史と伝播」を開催する(全3回)。これは、同大のアジアの諸国・諸民族に関する研究成果を広く社会に還元することを目的としたものである。当日は各分野における第一人者の講師を招き、中国語、満州語、朝鮮語、日本語の歴史および各言語とそれによる物語の伝播・影響をテーマに講演を行う。受講料無料・事前申し込み不要。
東洋文化研究所は1952年、日本を含むアジアの諸国・諸民族の相互理解実現のための礎石を築くことを目的に発足した。アジアの政治や経済、歴史、社会、文化、思想などに関する研究および資料収集を行っている。
また、研究成果を広く社会に還元する取り組みの一環として、国内外の研究者による講演会やシンポジウムも年10回以上開催している。また、学生および一般の受講者を対象とした「東洋文化講座」を1985年度から開講しており、これまでにも「日本人のアジア観」や「中国・朝鮮・日本の近代化を考える」などのテーマで講演を行ってきた。
講演会概要は以下の通り。
(1)第93回「満洲旗人の言語生活―清代の満洲語学習書から―」
10月27日(金)18:00~20:00 会場:学習院大学北1号館308
竹越孝(神戸市外国語大学外国語学部教授)
清が北京を国都と定めて以降、北京城内に住むことを許された満洲八旗の人々は、急速に満洲語を忘れていき、中国語を通じて自らの母語を学ぶという状況が生まれました。その教材群から、彼らの言語生活がどのようなものであったかを探ります。
【講師プロフィール】
1997年、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退後、鹿児島大学、愛知県立大学を経て、現在神戸市外国語大学教授。主要な論著に『象院題語研究』(学古房、2011年)、『満漢字清文啓蒙:校本と索引』(好文出版、2016年)等がある。
(2)第94回「古代・前期中世朝鮮語の諸相」
11月10日(金)18:30~20:30 会場:学習院大学北1号館308
伊藤英人(東京大学他非常勤講師・元東京外国語大学大学院准教授)
漢四郡以来漢字漢文を受容して来た朝鮮半島では、新羅による統一と全半島の新羅語(韓語)化の中で、漢字を自言語仕様にカスタマイズして、自言語の読み書きを試みました。そうした資料から知り得る古代(新羅)、前期中世(高麗)時代の朝鮮語の諸相を日本語と対照しつつ概観します。
【講師プロフィール】
1992年ソウル大学校人文大学院国語国文学科博士課程単位取得退学後、1993年東京外国語大学外国語学部助手、同大大学院准教授を経て2015年3月同退職。現在、東京大学他非常勤講師。文化講座のテーマに関する論文に「古代・前期中世朝鮮語における名詞化」(『東京外国語大学論集』85、2012年)、「朝鮮半島における言語接触」(『語学研究所論集』18、2013年)、「他地域における「訓読」朝鮮半島」(中村春作編『訓読から見なおす東アジア』東大出版、2014年)、「『蛙蛇獄案』吏読文の一分析」(「朝鮮語研究』7、2017年)などがある。
(3)第95回「高句麗・百済・伽耶の建国神話と日本」
11月21日(火)18:00~20:00 会場:学習院大学北1号館308
瀬間正之(上智大学文学部教授)
百済建国神話にも継承され、『続日本紀』にも記載される高句麗の朱蒙神話、『古事記』『日本書紀』の天孫降臨神話との類似が指摘される伽耶の建国神話について、古代日本へどのように伝承されたのかを考察します。
【講師プロフィール】
1986年、上智大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程満期修了後、ノートルダム清心女子大学を経て、現在上智大学文学部教授。著書に、『記紀の文字表現と漢訳仏典』(おうふう、1994年)・『風土記の文字世界』(笠間書院、2011年)・『記紀の表記と文字表現』(おうふう、2015年)等がある
▼本件に関する問い合わせ先
学習院大学 東洋文化研究所
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/rioc/index.html
住所:〒171-8588 東京都豊島区目白1-5-1(学習院大学内 北1号館4階)
TEL:03-5992-1015
FAX:03-5992-1021
メール:ori-off@gakushuin.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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