このたび、関西大学発ベンチャーの(株)アイ・エレクトロライト(社長:河野通之、CEO:石川正司 化学生命工学部教授)が開発したイオン液体電池が、世界最小の衛星ロケットとして2018年2月3日に打ち上げに成功したJAXA「SS-520 5号機」の電源として搭載され、打ち上げから宇宙空間到達まで同ロケットの電子機器を作動させて見事に任務を果たしました。
【本件のポイント】
・化学生命工学部 電気化学研究室の技術を応用し、学内ベンチャーがロケット用イオン液体電池を開発
・本電池は、話題になった世界最小級衛星ロケット「SS-520 5号機」の搭載電子機器の電源として搭載
・本電池の宇宙応用は、2014年6月に打ち上げられた人工衛星「ほどよし3号」搭載に続いての成功
石川教授が2005年に作動を初めて発見したこのイオン液体電池は、通常の電解液の代わりに「イオン液体」を用いることで揮発成分・引火成分を一切排除し、宇宙用電池で不可欠であった堅牢な外装を不要とし、かつ軽量で薄くコンパクトな蓄電池です。この技術を基に、関大発ベンチャーの(株)アイ・エレクトロライトが宇宙用イオン液体電池として開発に成功し、2014年6月に打ち上げられた人工衛星「ほどよし3号」に搭載されました。超高真空の宇宙空間でも安定作動することが確認され、宇宙用電池として大変優れていることが実証されました。
今回搭載された電池は、本学千里山キャンパスの「イノベーション創生センター」内のベンチャーラボにおいて、(株)アイ・エレクトロライトが新たに宇宙''ロケット''用電池として改良を重ねて開発しました。そして、厳しいテストを経てJAXAの世界最小級衛星搭載ロケット「SS-520 5号機」の電子機器電源として採用・複数セルが搭載されました。前回の人工衛星に続いてロケットにも初めて採用され、急減圧や高G負荷がかかるロケットでも安定作動する電池として非常に優秀であることが実証されました。宇宙用電池の新たな事例を示した今回の成功は、石川教授による関大発技術である「イオン液体電池」の宇宙利用を益々促進すると同時に、次世代技術の研究による今後の新たな宇宙用途の開発が期待されます。
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関西大学プレスリリース
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