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神田外語大学(千葉市美浜区/学長 宮内孝久)が東京外国語大学(東京都府中市/学長 立石博高)との共同開発による「インド英語会話モジュール」を無料で初公開。これはウェブ教材「英語会話モジュール」のアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、ニュージーランド英語、カナダ英語、アイルランド英語、シンガポール英語に続く第8弾のモジュールとなるものである。インドの民族的・言語的多様性を反映した極めて複雑な英について、丁寧な発音と語彙の解説付きで40の会話シーンを紹介。大学レベルの学習者のみならず、社会人や中高生などの一般人のリスニング強化に寄与する教材となっている。
「英語会話モジュール」は、神田外語大学と東京外国語大学の研究者の共同開発によるウェブ教材。これは世界で使用されている英語の様々な社会言語学的変異を含んだ会話を通じて、現代英語の多様性を学習することを目的として開発。大学生だけではなく、高校生や社会人も多様な英語を理解できるように工夫がなされている。本プロジェクトは、2012年から日本学術振興会の科学研究費助成事業(※1)の補助金を受領して実現しているため、教材は全て無料で公開している。
※1科学研究費助成事業について
(1)2012年4月-2016年3月
『社会言語学的変異研究に基づいた英語会話モジュール開発』
基盤研究(B)、課題番号24320106、研究代表者:関屋康(神田外語大学)
アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、ニュージーランド英語、カナダ英語、
アイルランド英語、シンガポール英語の7つの言語を開発
(2)2018年4月-2022年3月
『多様な英語への対応力を育成するウェブ教材を活用した教育手法の研究』
基盤研究(B)、課題番号18H00695、研究代表者:矢頭典枝(神田外語大学)
インド英語、フィリピン英語、マレーシア英語、スコットランド英語、ウェールズ英語の5つの
言語を開発。本件はこちらの科学研究費助成事業にて実現。
日本の英語教育では標準アメリカ英語を手本にしているため、それ以外の国の英語が聞き取りにくいという声が多々聞かれる。そのため、本教材では世界中で使われているさまざまな英語の語彙や発音、文法における国や地域単位での違いを紹介している。
「英語語会話モジュール」は既にアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、ニュージーランド英語、カナダ英語といったTOEIC(R)のリスニング問題で使われる5つの英語だけでなく、アイルランド英語、シンガポール英語も公開されており、続けて、この度「インド英語英会話モジュール」が公開されることとなった。
アジア英語としては、2015年に公開した「シンガポール英語」に続いて2番目の教材となるが、日本の学校教育での学習よりも、むしろ、アジアでビジネスに携わる日本企業人たちの役に立てれば、という願いを込めて開発が進められた。
本教材を開発した研究者たちは、デリー大学のインド英語の専門家の監修のもとに、インド英語を社会言語学的、音声学的、音韻論的に分析した。学術性と実用性を兼ねたうえ、動画付きで無料配信するウェブ教材は画期的だといえる。
本教材の内容として40 の会話動画があり、前半の 20 会話(1. 挨拶する~20. 人を紹介する)では、各国の文化や状況を反映させ、その英語固有の語彙や語法を多く含む会話を集めたスクリプトで構成している。 他方、後半の 20 会話(21. 感謝する~40. 助言する)では、部分的に語彙や表現を、その国のものに変え、その国固有の発音で会話がなされるものの、基本的には同じスクリプトで構成されている。後者を活用することによって異なる英語変種を同列に置いて、それぞれの特徴を容易に比較できることがこの本教材の最大の特色である。
また、字幕と日本語訳に加え、各英語に特徴的な単語、表現、発音、語法、社会的・文化的背景についての説明を見ることができる点も大きな特色である。
■英語モジュールとは
英語研究の分野では、世界の英語圏のさまざまな英語を''World Englishes''と複数形で捉え、それらの違いに関する研究を英語教育に応用している。このような学術的な傾向を踏まえ、東京外国語大学が長年開発してきた27 言語のインターネット教材「TUFS(Tokyo University of Foreign Studies)言語モジュール」で培われた技術と、約70名の英語ネイティブ教員を抱える神田外語大学の「English Language Institute」(ELI)の人的資源が融合し、「世界の英語モジュール」(通称「英語モジュール」)の共同開発に至った。
既に「アメリカ英語」「イギリス英語」「オーストラリア英語」「ニュージーランド英語」「カナダ英語」「シンガポール英語」「アイルランド英語」が公開されており、「インド英語」が第8弾となる。2019年度に「フィリピン英語」「マレーシア英語」、2020年度には「スコットランド英語」「ウェールズ英語」を開発、順次公開予定である。
●研究者
矢頭典枝(神田外語大学 外国部学部教授、研究代表者)
関屋 康(神田外語大学 外国語学部教授)
フィリップ・マーフィー(神田外語大学 言語教育研究所教授)
川口裕司(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院教授)
斎藤弘子(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院教授)
吉冨朝子(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院教授)
小中原麻友(神田外語大学 外国部学部講師)
梅野 毅(東京外国語大学 研究員)
J.K. Chambers(トロント大学 教授、海外アドバイザー)
●ホームページ
http://labo.kuis.ac.jp/module/ (神田外語大学)
http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ (東京外国語大学)
【参考記事】
・「神田外語大学が6月20日に、東京外国語大学との共同開発による無料インターネット教材「世界の英語モジュール」を公開――記念講演会も同日開催」(2014/06/12)
http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=5339
・神田外語大学が11月13日にシンポジウムを開催――TOEIC(R)のリスニング問題で使われる
5つの国の英語に関する特徴と「英語モジュール」活用法について(2014/11/6)
https://www.kandagaigo.ac.jp/group_news/pdf/141106_TOEIC_module.pdf
・「英語モジュール公開記念講演」(2014年)
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/labo/gci_top/common/pdf/gci_vol2/gci_067-074.pdf
・「TOEICと英語モジュール」(2015年)
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/labo/gci_top/common/pdf/gci_vol3/gci_030-042.pdf
・「シンガポール英語会話モジュール」公開(2015/7/23)
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/kuis_news/detail/0530_0000003425.html
・「インド英語会話モジュール」公開(2019/03/20)
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/news/18952/
・論文「KANDA×TUFS 英語モジュール―開発の意義と特徴―」
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/labo/gci_top/common/pdf/gcs_2015/gcs_001-017.pdf
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人佐野学園 学園広報部
栗城
住所:東京都千代田区内神田2-13-13
TEL:03-3258-5837
FAX:03-5298-4123
メール:media@kandagaigo.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/