江戸川大学睡眠研究所(千葉県流山市)の野添健太助教らはこのたび、仮眠終了時のタイミングで電動ベッドによる体性刺激(背上げ動作)を与えることで起床時の眠気が低下し、主観的体験の記憶も低下することを明らかにした。これは、パラマウントベッド株式会社(東京都江東区)との共同研究によるもの。今回の研究成果は、国際誌である『Consciousness and Cognition』(2020年3月19日:Available Online, 2020年80巻)に掲載された。
起床時の強い眠気は、日中の認知的パフォーマンスを低下させることが知られている。また、「悪夢を見ていた」という記憶は、起床後の精神的健康にも悪影響を及ぼす。
実験では、仮眠終了時のタイミングで電動ベッドによる体性刺激を与えることが起床時の眠気および主観的体験の記憶にどのような影響を及ぼすかについて検討。その結果、体性刺激(背上げ動作)を与えることで起床時の眠気が低下し、なおかつ主観的体験の記憶も低下することが分かった。
この成果は、睡眠研究所の野添健太助教が中心となり、同所長の福田一彦教授、浅岡章一准教授、パラマウントベッド睡眠研究所の木暮貴政所長、椎野俊秀主幹研究員らとともに行った実験研究で得られたデータに基づくものである。
同研究所では、これらの知見は起床時の心理的状態をより良くするための技術について示唆を与えるものであると考察している。
■発表者
江戸川大学 睡眠研究所 助教 野添健太
■論文情報
Kenta Nozoe, Kazuhiko Fukuda, Takamasa Kogure, Toshihide Shiino, & Shoichi Asaoka (2020) ''Does upper-body elevation affect sleepiness and memories of hypnagogic images after short daytime naps?'', Consciousness and Cognition, 80.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053810019304301?dgcid=coauthor
<参考リンク>
■教員紹介 野添健太 助教
https://www.edogawa-u.ac.jp/facility/sleep/staff_nozoe.html
■江⼾川⼤学睡眠研究所
https://www.edogawa-u.ac.jp/facility/sleep/
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