日本製鉄 フランスVallourec社の新株予約権無償割当による増資引受け及び共同運営のブラジルVallourec Soluçoes Tubulares do Brasil S.A.の持分譲渡について
日本製鉄とバローレックは、これまで40年以上の油井管特殊継手VAMⓇの協業や、ブラジル・米国・アジア地域での共同拠点展開を通じて事業連携を進めてきました。特にVAMⓇの協業については、従来の研究開発だけではなく、2016年以降、製品化プロセスおよび顧客サービスを含む総合的な範囲まで拡大し、連携を強化してきております。
バローレックは、財務体質を改善するため、2020年4月の同社株主総会において800百万ユーロのライツイシューによる資本増強を決定しましたが、その後の世界的なコロナウィルス感染拡大をきっかけとした環境変化により当該ライツイシューを実行できず、2020年9月以降、フランス法に定める手続きに基づき再建計画を検討してきました。今般、バローレックは、主要債権者との間で、300百万ユーロの新たなライツイシューを含む財務リストラ計画に関する合意に達し、今後、債権者集会、株主総会ならびにフランス裁判所の承認を得て実施する予定であることを公表しました。
日本製鉄としては、ライツイシューに伴い35百万ユーロの新株を引受けることで、鋼管事業の重要戦略パートナーであるバローレックの財務基盤の強化・安定化をサポートするとともに、これまで行ってきたVAMⓇの開発・製品化・顧客サービスの強化・発展に引き続き取り組み、鋼管事業の収益力を高めていきます。
一方、ブラジルにおいて運営するVallourec Soluçoes Tubulares do Brasil S.A.(バローレック・ソルソィンス・トゥーブラレス・ド・ブラジル 日本製鉄、住友商事(株)とバローレックの共同出資による鋼管製造販売会社、以下「VSB」)については、これまで収益力強化に取り組んで参りましたが、昨年以降、当社が同社で生産する汎用普通鋼の油井管需要は減少しております。当該環境下、当社が確保してきた年間300千トンの生産枠の維持は合理的ではないと判断し、当社グループが保有するVSBの全ての持分(15%)について、今般、合弁契約上の買取請求権を行使し、本年3月末を目途にバローレックに譲渡することとしました。今後、当社が確保してきたVSBの生産枠は段階的に低減し、2022年中に終了する予定です。
日本製鉄は、これらにより関西製鉄所に油井管の生産を集中しコスト競争力を向上させるとともに、同所が得意とするハイエンド商品の拡充により、当社油井管事業の更なる収益基盤の強化を進めて参ります。
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以 上