WE STAND FOR THE MYANMAR PEOPLE – 世界の医療団はミャンマー市民とともにあります
ミャンマー情勢を深く憂慮する
2021年2月1日の政変より政治的危機が長引くミャンマーでは、医療をはじめ、脆弱な立場にある人々への必須サービスや支援活動が機能不全に陥っています。国民の大多数が軍事政権を強く拒否したことから軍による市民への武力行使と暴力が拡大、これまで(6月3日現在)842人の死者を出し、5,609人が逮捕うち4,468人が現在も拘留されています。軍事クーデター勃発以来の避難者数は約25,000人に上ります。
世界の医療団(Médecins du Monde:MdM)は、1994年からミャンマーにて、社会から疎外された弱い立場の人々を支援するプログラムを続けてきました。しかし、今日、様々な脅威からスタッフと患者の安全を確保するために、ヤンゴンの私たちのクリニックは閉鎖を余儀なくされています。
パンデミックの影響を受け、厳しい状況に直面して既に1年が経とうしています。人々は、食料、収入、そして医療、それら生きるための手段にアクセスすることが困難な状況にあります。
恐怖政治や虐待行為、拘束に市民が震える日々はいつまで続くのか、収束は一向に見えてきません。これまでミャンマーで活動していた人道支援団体による支援は人々に必要とされていたもの、それら支援活動が妨げられることなく必要とする人々のもとへ届けられるべきであること。これは基本的人権の尊重がなされているか、というシンプルな問いです。ミャンマーにいるすべての人が、基礎的保健医療や人道支援サービスに自由にアクセスできなくてはなりません。
ミャンマーの人々の健康と人権をも脅かす、医療者に対するあらゆる形態の暴力をMdMは強く非難します。世界保健機関(WHO)のグローバルサーベイランスによると、クーデター発生から3ヶ月で158件の医療従事者への攻撃が報告され、死者11人、負傷者51人、100人以上が逮捕・拘束されています。
市民への暴力的、抑圧的行為の一切停止を軍事政権に求めます。
また、国際社会に対しては、今後、更に増加が予測される国内避難民や難民に備え、国際NGOや市民団体による人道支援活動の強化を図るよう推し進めること、国際社会が足並みを揃え、ミャンマーの人々を保護するための最善策を喫緊に講じることを要請します。
このまま傍観するだけの事態が続くことになれば、ミャンマーの人々の暮らし、医療アクセスは悪化の一途を辿り、重大かつ組織的な人権侵害になりえるでしょう。現在も続くパンデミック下においては、大規模な人道的危機に発展することも予測されます。
私たち世界の医療団は、ミャンマー市民とともにあります。
すべての当事者関係者に対し、市民の保護、そして基本的人権が尊重される対応を強く求めます。