デロイト トーマツ、「Digital Consumer Trends 2021 日本版」 を発表

デロイト トーマツ グループ

日本ではスマートフォン所有率が全世代で80%を超える。UK、オランダ、オーストラリアではスマートウォッチの所有が20%を超えるなど海外ではデジタルヘルスが伸びる。

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:永田高士)は、デロイトのテクノロジー・メディア・テレコムインダストリーが全世界20ヶ国・地域、計33,150人、16歳から75歳を対象に実施した調査をもとに、日本独自の考察を加えた「Digital Consumer Trends 2021 日本版」を発表します。

本レポートでは、COVID-19の影響で一変した生活環境により日本のデジタル消費行動がどう変化したかについて、「デバイス所有状況」、「動画サブスクリプション(SVOD)の利用動向」、「COVID-19の消費行動への影響」、「ニュースの利用と信頼の状況」、「スマートフォン利用動向」、「5Gと通信環境」、「デジタルヘルス」、「データプライバシー」、「キャリア/店舗」などのテーマで洞察を提供しています。

なお、本リリースに記載されていない調査結果の詳細は、別途公表している調査レポートよりご覧いただけます。

【「Digital Consumer Trends 2021 日本版』のサマリー】
■日本ではようやくスマートフォンが全年代に浸透。各国ではウェアブル端末を活用したデジタルヘルスが伸びる
  • 日本の回答者の87%がスマートフォンを所有しており、これは昨年の81%から6ポイント増えている。これまで従来型の携帯電話(例:ガラケー、フィーチャーフォン、折りたたみ式携帯電話)の所有が多かった55-64歳、65-75歳層での伸びが大きく、スマートフォンの所有率は全世代で80%を超え、浸透が進んだ。
  • ウェアラブル端末のスマートウォッチ/ヘルスケアバンドは、前回調査と引き続き日本の所有率は低い一方、各国ではスマートウォッチの伸びが目立ち、例えばUKでは前回から10ポイント増え23%となった。各国では同様にヘルスケアバンドの所有も伸びている 。Covid-19の流行のために健康に関心を持つ人が増え、スマートウォッチとヘルスケアバンドが健康管理のデバイスとして使われるようになったと考えられる。
  • 日本ではスマートフォン、スマートウォッチ、ヘルスケアバンドの3種類のデバイスの所有者のうち45%がなんらかの健康指標をモニターしている。スマートウォッチもしくはヘルスケアバンドの所有者にしぼって見ると、88%がなんらかの健康指標をモニターし、特に「心音/心拍数」(52%)と「睡眠パターン」(41%)、「血中酸素濃度/飽和度またはVO2 Max」(28%)といったウェアラブルならではの項目が利用されている。
図1:スマートフォン/スマートウォッチ/ヘルスケアバンドの所有(各国)

図2: スマートフォンの年代別の所有(日本)

図3:デバイスでモニターしている健康関連の指標(日本)

■COVID-19以前に比べると動画視聴の利用が増加。TVのリアルタイム視聴は減り、見逃し配信サービスの利用が伸び始める
  • COVID-19流行以前と比べて増えたデジタル消費行動について、今回の調査では前回と比較して特に動画視聴の利用が増えたという回答が伸びた。動画の中でも最も回答が多かったのは「YouTube、TikTokまたは同様のサービスで動画を観る」(前回調査21%→今回調査27%)で、「映画・テレビドラマをストリーミングで視聴する」という回答も増えている(同12%→17%)。
  • 一方、「テレビ番組をリアルタイムで視聴する」ことが増えたという回答は減り(同21%→14%)、それを補うように「見逃し配信サービスを利用してテレビ番組を視聴する」回答が伸び(同2%→8%)、これは全年代で同じ傾向となった。放送から配信へ、リアルタイムからタイムシフトへと拡大する視聴者のニーズと意向を適切に捉え、サービスにスムーズにアクセスできる環境や、簡便に利用できるユーザーインターフェイスを整えることができれば、動画配信サービスの利用がさらに広がる可能性がある。
図4:COVID-19の流行以前と比べてすることが増えたアクティビティ(日本)

■SVOD(定額制動画配信サービス)利用が増加傾向に
日本のSVOD利用状況では、36%がSVODを利用していると回答し、特にコロナ禍の影響下にあった2020年~2021年は9ポイント増と伸びが加速している。
SVOD利用率を年代別に見ると若年層が高く、18-24歳では62%、25-34歳も46%と半数に迫る利用率になっている。
SVODとビジネスモデルとして対比されるAVOD(広告型動画配信サービス)の利用意向を尋ねた設問では、半数に迫る46%が「興味を持つサービスはない/登録しない」と回答しているものの、「1時間に10分の広告を見る代わりにサブスクリプション料金が無料になる」(16%)、「サブスクリプション料金は半額で1時間に5分の広告を見なければならない」(5%)と広告の受け入れ姿勢を見せる回答は合計21%で、従来の地上波テレビ放送と同じくらいの割合* で広告を見る代わりに、無料でコンテンツにアクセスしたいという意向が一定層いることが見て取れる。
*「日本民間放送連盟 放送基準」では、「週間のコマーシャルの総量:総放送時間の18%以内」、「プライムタイムにおけるコマーシャルの時間量:60分以内の番組:6分」とされており、総量でみると60分当たり約10分となる。

図5:SVODの利用(日本)

図6:世代別SVOD利用動向(日本)

図7:AVOD(広告型動画配信サービス)の利用意向

■日本ではデジタル時代のニュースソースとして「インターネット由来メディア」の存在感が増す
  • 最新のニュースや社会の動きに関する情報を入手するために最も選択されているメディアとして、全体でみると「テレビのニュース番組」が最多(28%)で、次いで「インターネット由来メディア」が運営するウェブサイトやアプリが選択され(17%)、三番目のYouTube(9%)以下は1桁台となった。
  • 年代が上がるにつれてテレビの「テレビのニュース番組」の回答が顕著に多くなるが、35~44歳を中心として「インターネット由来メディア」が高い位置づけになっていることも示されている。
  • すべての年代において、インターネット由来メディアが運営する「ニュース関連ウェブサイトやアプリ」の回答が従来型メディア(テレビや新聞等)の運営する「ニュース関連ウェブサイトやアプリ」を上回っている。従来型メディアは、全年代で「テレビのニュース番組」はよく利用されているものの、ウェブサイトやアプリというインターネット上のサービスでは存在感を発揮できていないことが伺える。
図8:最新のニュースや社会の動きに関する情報を入手するために、最も選択されている方法(日本、年代別)


■日本の消費者の5G利用は順当に伸びている
5G(第5世代移動通信システム)については、「既に5Gを使っている」回答者が10%、「利用可能になり次第乗り換える」という乗り換えに積極的な回答者が9%に至った。日本と同様に5Gの商用サービスを開始しているUK、オランダ、オーストラリアと比べると若干低いものの、昨年の調査結果と比較すると順当な伸びを見せている。なお中国は今回調査対象となっていないが、2020年の時点で10%が既に利用しており、各国が追いかける形となった。

図9:5Gの利用状況と乗り換え意欲(各国)

「Digital Consumer Trends 2021」調査概要】
本調査は2019年まで「モバイル利用動向調査」として実施していた調査を、よりデジタルチャネルを介した消費行動に着目して2020年に刷新したものです。

調査形式 :オンラインアンケート(PC、スマートフォン等)
      デロイトが設計した調査項目をもとに外部調査会社にて実施
実施対象国:20ヶ国・地域(データの公開を行っていない国が一部ある)
全調査人数:33,150人
調査期間 :2021年6月から2021年9月と国により異なる。
日本では緊急事態宣言中の9/1~9/15に調査実施
※本レポートで使用したデータにおける主要な留意点は以下の通り:
  • UK・オランダ・オーストラリア・日本については各国の年齢・性別・地域・社会経済状況を反映したデータとなっている
  • 対象サンプルの年齢は、UKは16~75歳、日本を含むその他の国は18~75歳である
  • 本調査はウェイトバック集計後の数値で表記しているため、合計しても100%にならない場合がある

 

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