アナログメータ監視システムの量産・販売を開始
手軽で導入ハードルの低い後付けタイプのIoTソリューション
アルプスアルパイン株式会社(TOKYO 6770、代表取締役社長:栗山 年弘、本社:東京)は、工場や建物に既設されたアナログメータに後付けすることでメータ値の遠隔モニタリングを可能とする、手軽で導入ハードルの低いIoTソリューションを開発。4月末より量産・販売を開始します。アナログメータの巡回検針工数を低減するほか、目視による読み取り・転記ミスも防止することで、業務効率の向上による労務コスト削減に貢献します。センサデバイスの販売に加えシステム提供による年額課金制としたリカーリングビジネスです。なお、本システムは4月6~8日に東京ビッグサイトで開催されるIoT&5Gソリューション展に出展します。詳細は下記をご覧ください。URL:https://www.alpsalpine.com/j/news_release/2022/0330_01.html
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取り組み背景
工場や建物にはガス、水、空調、電力といったユーティリティ設備用のアナログメータが多数存在します。圧力値・流量などは適切であるか、また設備に異常が無いかを確かめるべく、管理者が工場や建物内を巡回して指針を目視し、メータ値を確認・記録する業務が存在しており、一日に複数回の巡回点検が要求される施設もあります。
これに対して、業務効率化を目的にメータのデジタル化による一元管理化が進む一方で、施設内に多数存在するアナログメータを全て取り換えるための費用や取り換え時の設備休止などが課題となり、メータ自体のデジタル化に踏み切れないケースが多いです。低コストで導入可能かつ設備休止期間の短い方法によるメータ値の一元管理化が求められています。
製品詳細
当社が開発し、4月末から量産・販売を開始するアナログメータ監視システムは、既設のアナログメータに後付けすることでメータ値の遠隔モニタリング可能とする、手軽で導入ハードルの低いIoTソリューションです。指針に装着した専用マグネットホルダーの動きを磁気センサで計測し、LPWA(Low Power Wide Area)無線通信技術を用いて指針角度をクラウドサーバーに送信。クラウドサーバーでメータ値の算出を行い、独自開発のアプリケーションにより見える化することで、工場や建物に設置された多数のアナログメータの値を一元管理することができます。このアプリケーションはアラート通知機能も持つため、メータ値の異常を迅速に発見することができ、設備の早期復旧にも寄与します。指針に当社専用マグネットホルダ―が装着できるアナログメータであれば導入することができます。
本システムを導入することで、従来は工場や建物内を巡回して確認する必要のあったアナログメータ検針そのものの工数と目視による人的読み取り・転記ミスを削減し、業務効率化による労務コストの削減に貢献します。また、アナログメータの設置数が多い高所・狭所・暗所など悪環境への立ち入り回数を減らすことができるため、現場作業員の安全にも貢献します。
磁気センサによる計測方式は、カメラ方式と比較して省エネ・省スペースかつ、温湿度の変化によるメータカバーのくもりや照度不足による画像の不鮮明さなど計測環境に依らない高精度の測定を実現します。なお、センサデバイスはお客様の取り付けスペースや導入コストなどの課題を考慮して、一つの電源ボックスで二つのアナログメータを測定できる2チャンネルタイプも用意しました。
<設置方法>
①アナログメータのカバーを取り外して指針に専用マグネットホルダーを装着
②カバーを元の状態に戻して磁気センサ装着
③電源ボックスを任意の場所に設置
今後について
本システムは既に複数社への採用が決まっています。4月6~8日に東京ビッグサイトで行われるIoT&5Gソリューション展に出展するなどさらなる拡販を進めます。
IoTの領域における当社の強みは、センサ・通信などのデバイス開発力や独自アルゴリズムやアプリケーションなどのソフトウェア開発力、それらを有機的につなぐシステム設計力を融合したワンストップサービスとして提供できることです。この強みを活かして、工場・建物の設備関連に限らず物流やインフラなど幅広い業界の課題をお客様と一緒に発見・解決するIoTソリューションを開発・提供することで、世の中に新たな価値を創造して人々の豊かな暮らしに貢献してまいります。
【販売計画】
量産・販売開始:2022年4月末
生産拠点 :小名浜工場(福島県いわき市)
【主な用途】
・工場、ビル、住宅設備などの各種アナログメータ
【主な仕様】
以上