日建設計、洋上風力発電事業へ参入

株式会社日建設計

洋上風力が拡大する欧州の最新知見を持つパートナー企業と業務提携、
両社のシナジーで事前調査・基礎設計・認証取得まで一気通貫で支援

 株式会社日建設計(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大松敦)は、洋上風力の基礎設計などを手掛ける株式会社ジオマリンサービス(本社:東京都港区、代表取締役:吉住謙、以下GMS)と広域的な業務提携を行うことで洋上風力発電の事業領域に参入し、発電施設の設置に必要な事前調査・基礎設計・認証取得の一気通貫支援サービスを提供開始しました。
 

■日本における洋上風力導入の課題
 2050年カーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーの利用が必要不可欠です。中でも洋上風力発電は、政府によって2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万kW~4,500万kWと拡大的な案件形成が導入目標とされ、大量導入・コスト低減・経済波及効果が期待されることから、日本国内における再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札と言われています。

 欧州では洋上風力発電がすでに拡大していますが、日本には地震や台風といった特有の環境があり、欧州が持つ洋上風力の最新技術・ノウハウをそのまま導入することはできません。また、日本国内で洋上風力発電施設を設計・設置するには、一般財団法人日本海事協会による「NK認証」に適合させ、日本独自の基準に応じた構造の安全性などが担保されている証明が必要となります。

■課題解決に向けて事業参入する日建設計
 こうした日本における洋上風力導入の課題を解決し、国内における洋上風力発電の普及促進によってカーボンニュートラル実現を目指すため、日建設計はGMSとの業務提携による洋上風力発電事業への参入を決定しました。

 社会環境デザインの先端を拓く専門家集団である日建設計は、陸上風力発電の設備設計はもちろん、工場や発電所などのプラント設計、関西国際空港などの海域施設設計のノウハウと実績を併せ持っています。今回、洋上風力の設計分野で世界的シェアを誇り、欧州の最新ノウハウを持つGavin & Doherty Geosolutions(本社:アイルランド・ダブリン、以下GDG)とパートナー関係にあるGMSと広域的に業務提携することで、日建設計がこれまで培ってきた知見とのシナジーを生み出し、災害大国である日本独自の環境に対応した洋上風力発電設備の調査・設計および認証取得が可能となります。

 洋上風力発電には、風車を海に浮かべる「浮体式」と地面に固定する「着床式」があり、まずは着床式(モノパイル・ジャケット式)をターゲットとしながら、中長期ではより日本の海域環境に適し、ポテンシャルがあると言われる浮体式の設計にも取り組む予定です。日建設計では今後、本事業参入から国内洋上風力発電の本格的な普及促進に取り組み、2050年カーボンニュートラル実現へ貢献してまいります。

■洋上風力発電事業における提供サービス内容・特長
GMSと業務提携し、日建設計が洋上風力発電の事業領域で提供する内容は以下のとおりです。

(1). 効率的な調査実施サポート
GDG・GMSが持つ欧州の洋上風力に関する最新ノウハウをベースに、効率的なスペックの調査計画を立案し、実施までサポートします。(調査所掌:GMS)

(2). コスト競争力の高い風車基礎設計
日建設計がこれまで培ってきたノウハウで行う風車基礎やタワーに関する構造技術コンサルティングをもとに、GMSが欧州の産官学連携プロジェクトで得られた成果をアップデートし、厳しい日本の基準に準拠した価格競争力のある基礎デザインに反映します。(構造技術コンサルティング所掌:日建設計、基礎設計所掌:GMS)

(3). 風車基礎設計の認証プロセスサポート
GMSが欧州知見に基づいて行う風車基礎設計について、日建設計が日本独自のルール(NK認証/経済産業省)に適合させ、認証取得までの複雑な手続を一気通貫で支援します。(認証取得所掌:日建設計)

■日建設計について
 日建設計は、建築・土木の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を⾏うプロフェッショナル・サービス・ファームです。1900年の創業以来120年にわたって、社会の要請とクライアントの皆様の様々なご要望にお応えすべく、顕在的・潜在的な社会課題に対して解決を図る「社会環境デザイン」を通じた価値創造に取り組んできました。これまで⽇本、中国、ASEAN、中東でさまざまなプロジェクトに携わり、近年はインド、欧州にも展開しています。2021年3月には、脱炭素社会への取り組みに向けた「気候非常事態宣言」を宣言しました。
 URL:https://www.nikken.jp/ja/

■株式会社ジオマリンサービスについて
 株式会社ジオマリンサービス(GMS)は、洋上風力発電の基礎設計に関わるソリューション提供のため、国内陸上風力発電事業において調査開発業務、土木および電気の設計、ならびに施工の分野で豊富な実績を持つ国内4社により2022年4月に設立された合弁会社です。陸上風力での豊富な実績から得た知見と、洋上風力の設計分野で世界的シェアを誇るGavin & Doherty Geosolutions(本社:アイルランド・ダブリン)および日本最大手の設計事務所である日建設計との戦略的なパートナーシップにより、洋上風力先進国であるヨーロッパの最新技術およびノウハウを日本の市場に迅速に導入し、洋上風力発電事業の開発において大きなハードルとなっている事前調査・基礎設計・認証取得等の風車基礎設計業務を徹底的にサポートします。
 URL:https://geomarine.co.jp/

■本件に関するお問い合わせ先
株式会社日建設計 広報室  
Tel. 03-5226-3030(代表) e-mail:webmaster@nikken.jp

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