-
-
-
近年、「デザイン」は社会のさまざまな場面で活用されるようになっている。デザインの視点や技術を持った人材が幅広い分野で活躍しており、新しいタイプのデザイナーが必要とされることも今後さらに増えていくと予測される。デザインを主軸としてテクノロジーやビジネスを横断的に学ぶことが、これからの社会を創造する上で大きなカギを握っているといえそうだ。
■ビジネスの場で活用される「デザイン」
近年、「デザイン思考(デザインシンキング)」や「デザイン経営」というキーワードに注目が集まっている。デザイン思考とは、デザイナーがデザインを行う際に用いる考え方や手法を活用して、社会のさまざまな課題に対する解決策を導き出す思考方法のこと。デザイン経営とは、デザインの力を使って新事業を創出したり、新たなブランドを構築したりする経営手法のことを指す。
グローバル化が進み、カスタマー(顧客)の多様化が進む中、社会のさまざまな場面で「デザイン」に対する期待値が高まり、海外などでも積極的に活用されている。日本のビジネスシーンにおいてもデザインの考え方は浸透しつつあり、CX(カスタマーエクスペリエンス:※1)やUX(ユーザーエクスペリエンス:※2)といった関連する用語も広く浸透しつつある。
また、先述のデザイン思考についても、ユーザーの視点からサービスやプロダクトの課題やニーズを発見し、解決策を考えるスキルとして、重要性はますます高まっている。
もはやデザインは、プロダクトやビジュアルにとどまらず、サービスや体験、人材育成などに至るまで、幅広い分野で活用できるものと認識されている。
デザインがビジネスの場で活用される機会は今後もさらに広がっていくことが予測され、新しいタイプのデザイナーが活躍できる場も増えている。デザインの視点や技術を持った人材が、さまざまな分野で必要とされる時代になりつつある。
こうした中でデザインを武器にして社会で活躍するためには、プロダクトやグラフィックなどの基礎教育だけではなく、テクノロジーやビジネスなど多彩な分野の知識も身に付けることが重要となる。
ビジネスのシーンにあってもデザインについて知っていること、また、クリエイターであってもビジネスセンスを備えていることが、これからの時代においては不可欠な要素だと言えるだろう。
※1 CX/Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)
商品やサービスの機能・価格といった即物的な価値ではなく、購入するまでの過程や利用する際の体験などによって生じる感情的・心理的な価値のこと。「顧客体験」「顧客体験価値」。
※2 UX/User Experience(ユーザーエクスペリエンス)
プロダクトやサービスを通じて得られるすべてのユーザー体験。
■ビジネスセンスを備えたクリエイター
現代のビジネスシーンにおいて、デザインを武器に活躍する職種として特に注目を集めているのが、下記のような職種だ。
(1)UXデザイナー
企業や組織が提供するサービスの体験価値を向上させるため、利用者を深く理解するためのデザインリサーチからプロトタイプ作成とその検証など、体験を戦略的に設計する役割を担う。サービスの体験全体を改善していくため、サービスを構成するデザインやエンジニアリング、ビジネスのすべての領域に対する深い理解と各領域の専門家をまとめ上げていく人材が求められる。
(2)サービスデザイナー
企業が提供するサービスや仕組みに関わる関係者やプロセス、ルールなどの関係性を明らかにし、課題の解決や新しい価値を生み出すための構造設計を行う。構造の問題点を把握するためのリサーチスキルはもちろん、サービスのUI/UXやエンジニアリングへの理解、サービスが持続するためのビジネス視点を持ち合わせた人材が求められる。
(3)ビジネスデザイナー
技術や文化などの社会の変化を読み解き、企業の新規事業開発のコンセプトづくりやそれを実行するための戦略策定を支援する。市場やユーザーへの理解を深めるための様々なフレームワークや調査方法を用いながら、経営者や異分野の専門家と協働し、デザインとビジネスを高いレベルで融合することのできる人材が求められる。
(4)ブランドデザイナー
経営や事業、サービスや組織のなかにある価値を定義し視覚化し、関わる人にとっての一貫した意味や体験を生み出す。組織の規模やサービスが多様化するほど、社内での指針の共有やUXとの一致は難しくなるため、経営とデザインを行き来することで、ブランドを定め、その定義を日々の活動に落とし込むことのできる人材が求められる。
■「デザイン思考」や「デザイン経営」のセンスを養うカリキュラム
こうした中、デザインの視点や技術を武器として、新たな価値を創り出す人材の育成に特化したカリキュラムを提供するのが、2023年4月に女子美術大学に開設予定の「共創デザイン学科」である。
同学科には、ビジネスの各分野で活躍する実務家教員による、経験に基づいた知や最新の情報が集積している。また、多彩な産官学連携プロジェクトを通じて、実践的な力が身につく教育を展開していく。
https://co-lab.joshibi.net/message/
(関連記事)
・これからのビジネスの現場で必要とされる「共創型リーダーシップ」(2022.09.13)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-48866.html
・ビジネスを次のステージに引き上げる「共創力」 ~共に新しい価値を創り出す力~(2022.09.05)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-48830.html
▼本件に関する問い合わせ先
女子美術大学 広報グループ(担当:橋本・三ツ木・小澤)
TEL: 042-778-6123
E-mail: prs@venus.joshibi.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/