バクスター、慢性腎臓病患者の治療啓発のためのグローバルキャンペーンを開始
世界腎臓デーに合わせ、「Begin Again」キャンペーンを開始:QOL向上には患者さんの適切なタイミングでの治療開始が大切
シンガポール - Media OutReach - 2023年3月9日 - バクスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:河野行成 以下「バクスター」)は、透析医療のグローバルリーダーとして、末期腎不全(ESKD)と診断された患者さんが最適なタイミングで治療を始めることで、自分らしく人生を歩み続けられるよう支援するため「Begin Again」キャンペーンを開始します。「Begin Again」キャンペーンは、アジア太平洋地域の2,800万人以上の方々に疾患およびその治療法について分かりやすく伝えるため、10カ国・9言語で展開します。患者さんとその家族が医療従事者と会話を通じて治療法を決める、共同意思決定(SDM)の推進を応援しています。日本語のウェブサイト「一緒に考える腎臓病( https://jp.mykidneyjourney.com/ja/2023wkd )」慢性腎臓病(CKD)は、腎障害や腎機能の低下が持続する疾患です。世界で8億5,000万人が罹患し、最も罹患率が高い7カ国のうち6カ国がアジア(台湾、シンガポール、韓国、タイ、インドネシア、日本)であり、公衆衛生の観点からも課題が多い疾患の一つとなっています。糖尿病との関連は強く、症状が進行してESKDになると透析療法や腎移植といった腎臓の働きを代行する療法が必要となります。日本における、CKD患者数は約1,330万人(成人の8人に1人 1))と推計され、日本透析医学会の2021年統計調査では、透析療法を受ける患者数は約35万人、同年の新規患者数は4万人と報告されています 2)。
群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学 教授の小松康宏医師は、以下のように説明します。「慢性腎臓病の患者さんの中には徐々に腎機能が低下し、透析療法や腎臓移植が必要となる方もいらっしゃいます。透析療法には、通院による治療と、自宅で行う治療があり、患者さんの生活スタイルや希望に沿った選択ができる時代になりました。自宅で行う腹膜透析(PD)は体の負担も軽く、自分のスケジュールにあわせて自宅で行うことができますし、災害時にも強いといわれています。ご自身のライフスタイルを大切に、病院で実施する血液透析と合わせて検討すると良いでしょう」
PDを選択したT.Sさん(69歳)は「仕事や町内会役員などと忙しく、週3回病院に通うのは難しい状況だったため、私は自宅で自由に時間を使える治療を選びました。今では夜寝ている間に自宅で行える自動腹膜透析(APD)にしています。旅行が好きで、今年は孫たちとブドウ狩りを楽しみたい」と笑顔を見せます。
バクスター代表取締役社長の河野行成は、「『患者さんの生命を守る』という当社の使命の一環として、今年も世界腎臓デーに参加することを誇りに思います。これからも、より多くの慢性腎臓病患者さんが自分らしく充実した日々を送れるよう、最適な治療環境の構築に尽力いたします」と述べています。
バクスターについて
バクスターは、日々、数百万もの患者さんおよび医療従事者・介護者に、クリティカルケア、栄養関連、腎臓関連、病院および手術製品などの主要なポートフォリオを提供しています。当社は、90年以上の長きにわたり、患者さんの生命を守るイノベーションとそれを実現する医療従事者が交わる重要な領域において事業を行っています。世界中の従業員は、100カ国以上で使用されている製品、技術および治療法により、医療を飛躍的に進展させてきた豊かな伝統を礎に、次世代の革新的なヘルスケアイノベーションを推進しています。詳しくは https://www.baxter.com/ をご覧ください。またTwitter、LinkedIn、Facebookでも発信しています。
1) 日本腎臓学会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018.
https://cdn.jsn.or.jp/data/CKD2018.pdf
2) 日本透析医学会統計調査委員会報告. わが国の慢性透析療法の現況 (2021年12月31日現在).
https://docs.jsdt.or.jp/overview/file/2021/pdf/01.pdf