【弘前大学】白神自然環境研究センターがブックレット「白神山地の蛾250(4)」を出版 -- 中村剛之教授の研究グループが確認した蛾を紹介するシリーズ第4弾、総計で1000種に

弘前大学

弘前大学農学生命科学部附属白神自然環境研究センター(青森県弘前市 以下、センター)中村剛之教授(センター長)の研究グループは2018年からの5年間で、市民研究家の協力の下、白神山地から1000種の蛾を確認した。その成果はセンターが出版するブックレットで紹介されており、2023年2月に4冊目となる「白神山地の蛾250(4)」が出版された。非売品だが、希望者には無料で配布している。  白神山地とは、世界自然遺産地域として登録されている1万7000ヘクタールを含む、青森県南西部から秋田県北西部に位置する山塊。センターでは、白神山地の生物多様性の解明を研究活動の柱の1つとしている。なかでも、種数の多い昆虫類は重要な調査対象である。  蛾類の多くは幼虫の時期に植物を食べて育つため、蛾の多様性は植物の多様性をダイレクトに反映している。また、蛾は飛翔性が高く、環境の変化に敏感に反応して分布を変えることが知られている。  そうしたことから、センターでは生物多様性と環境の変化を理解する目的で、2018年から白神山地の蛾類に焦点を当て、市民研究家と協力して調査を行っている。これまでに大型蛾シンジュサン(2022年8月にプレスリリース)をはじめとする多くの蛾を青森県で初めて確認したり、温暖化の影響と考えられる南方系の種の分布拡大を確認したりするなど、多くの発見があった。  センターではこの成果として、種の確認ができたものから250種ずつまとめてブックレットを作成し、全ての種を写真で紹介している。  このたび、2022年までの調査をまとめた4冊目のブックレットを出版した。これにより総計で白神山地から1,000種の蛾を確認、紹介することができた。  過去の調査で白神山地から記録されていた蛾はおよそ600種であり、それを大きく超える成果である。  5年という短期間で1000種の蛾を確認できたことは、白神山地の森林植生の豊かさを示すものと言え、この調査結果は白神山地を知る上での基礎資料として活用される。また、この調査は今後も継続される。  ブックレット「白神山地の蛾250(1)~(4)」は非売品だが、希望者には無料で配布している。 ●弘前大学農学生命科学部附属白神自然環境研究センター  豊かな自然環境が残る白神山地を中心に研究活動を行う機関。変化に富んだ動物・植物相からなる生態系やそれを支えている地形・地質や気象、自然を資源としても利用してきた文化などを研究するほか、環境教育も推進。  https://nature.hirosaki-u.ac.jp/shirakami/ (参考)大型蛾類シンジュサン(ヤママユガ科)を青森県で初確認(2022.08.10)  https://www.hirosaki-u.ac.jp/topics/76739/ ▼本件に関する問い合わせ先 農学生命科学部附属白神自然環境研究センター 住所:青森県弘前市文京町1番地 TEL:0172-39-3707 メール:dhalma@hirosaki-u.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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