動物園と伊藤園による循環型農業の構築に向けた実証試験を開始
動物を介した茶畑から茶殻までの新・循環モデルを提案
株式会社伊藤園(代表取締役社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、むぎ茶殻を京都市動物園(京都府京都市)で飼育するゾウに代替飼料として給餌し、排出された糞を堆肥化して茶畑に散布する、新・循環モデルの構築に向けた実証試験を2023年6月より開始しました。昨今、エネルギー費や原材料費の世界的な高騰を背景に、動物園の経費の大半を占める「動物の餌代」も例外なく高騰しており、動物園運営に際して大きな影響を与えています。なかでも、ゾウは動物園で飼育する動物の中で最も餌代がかかるため、餌代高騰による影響が顕著に表れています。
そこで当社は、むぎ茶殻に残る栄養成分に着目し、むぎ茶殻がゾウの代替飼料として活用ができるか検証を行うとともに、ゾウが排出した糞を緑茶殻と混合して堆肥化したものを茶畑に散布する新・循環モデルの構築に向けた実証試験を2023年6月より開始しました。
この循環モデルは、まず当社が展開するむぎ茶飲料製品の製造過程で排出する「むぎ茶殻」を、京都市動物園で飼育するアジアゾウの餌に混ぜ込み代替飼料として活用します。そして、給餌したアジアゾウが排出する糞を、当社が茶産地で検証を続けている緑茶殻の堆肥化技術を応用し、緑茶殻入りゾウ糞堆肥として当社の契約農家が展開する茶畑に散布する新しい循環モデルの試みです。
当社は、この取組みを通じて地域の資源循環を推進することで、循環型農業の成功モデルを確立し、持続可能な社会の実現を目指してまいります。