片頭痛発作がない時(発作間欠期)に関する患者と医師への意識調査結果発表

日本イーライリリー株式会社

片頭痛患者さんの75%は「片頭痛発作がない時」にも様々な支障を抱えている
一方、「片頭痛発作がない時」の支障を医師へ伝えている患者さんは46%に留まる

「片頭痛発作がない時」の支障も含めて医師・患者間で話すことで、適切な治療へのアップグレードに繋がる

日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:シモーネ・トムセン、以下「日本イーライリリー」)は、「たかが頭痛」と軽視されやすい片頭痛の正しい理解促進に向け、これまで着目されにくかった、片頭痛患者さんが抱えている「片頭痛発作がない時(発作間欠期)」の支障や、「片頭痛発作がない時」に関する医師・患者間のコミュニケーションにおける現状と課題を知るため、片頭痛患者さんと医師を対象に意識調査を実施しました。

調査結果から、「片頭痛発作がない時」の支障を抱えている片頭痛患者さんは75%と多いが、それについて医師は積極的に相談してほしいと思っているのに対し、患者さんは相談できていない。診察時には発作の回数や程度についての話がほとんどで、「片頭痛発作がない時」の支障についてまで医師・患者間で話せていない可能性が示唆されました。その背景には、「不満や支障を伝えても状況は変わらないだろう(伝えても無駄だろう)」という患者さんの考えがあり、そもそも「片頭痛発作がない時」の支障が治療によって改善される可能性について期待していないことが明らかとなりました。しかし一方で、医師に「片頭痛発作がない時」の支障や困りごとに関して話している患者さんの方が、医師(主治医)への信頼度や患者の治療満足度が高いことがわかり、医師から新たな治療法の紹介を受けやすいことも明らかになりました。

※「片頭痛発作がない時」……片頭痛発作が収まってから次の発作が起こるまでの、発作間欠期と呼ばれる期間のことで、「頭痛は無いが、すっきりしない期間」、 「いつ片頭痛発作が来るかわからず不安に思っている期間」等を指します。

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<調査結果ポイント>

【「片頭痛発作がない時」の支障の実際】
片頭痛発作がある時のみならず、“ない時も” 8割近い患者が支障を抱えている 
  • 患者の75%が、何等かの「片頭痛発作がない時」の困りごと/支障を抱えていると回答。「片頭痛発作がある時」に困りごと/支障を抱えている患者83%と近しい結果に。
  • 患者の2人に1人は、「片頭痛発作がない時」でも「頭痛が起きないように頭痛の原因を避けるようにして行動」、「頭痛が起こると仕事・学校・家事などで迷惑をかけるかもしれないと不安になったり、頭痛が心配で家事や仕事を制限する」などしている。

【「片頭痛発作がない時」の支障に関する医師と患者のコミュニケーション】
「片頭痛発作がない時」の支障を、患者の半数は医師に伝えていない
  • 「片頭痛発作がある時」の日常生活への影響について主治医に話している患者は61%なのに対し、「片頭痛発作がない時」の影響を話している患者は46%に留まる。
  • 患者が「片頭痛発作がない時」の不満や支障について医師に伝えていない理由は、「医師に伝えても状況は変わらないだろうなと思う(伝えても無駄だろう)」が1位。
  • 患者が片頭痛治療薬に対し期待したこと/期待できると思うことの上位は、片頭痛発作時の「効果」に関することで、「片頭痛発作がない時」の支障に対する改善効果については、そもそも期待していない。

「もっと改善したい」気持ちや日常生活への支障も“伝えてほしい医師”と、“伝えていない患者”のギャップが浮き彫りに
  • 「欲を言えばもっと改善したい」気持ちを患者から積極的に伝えてほしい医師が6割近いのに対し、「伝えている」患者は3割にとどまり、7割が積極的には伝えていない。
  • 「日常生活における片頭痛による影響や変化を些細な事でもなるべく報告してほしい」医師が5割以上であるのに対し、「報告するようにしている」患者は3割にとどまり、7割が報告していない。

「片頭痛発作がない時」の支障に関するコミュニケーションは、「主治医への信頼度」や患者の「満足度」につながる
  • 「片頭痛発作がない時」の支障の全てまたは一部について医師に伝えている患者は、伝えていない患者よりも、「主治医への信頼度」、「主治医とのコミュニケーションの総合的な満足度」、「現在の治療に対する満足度」の全てにおいて高い傾向にあった。

【医師と患者のコミュニケーションと適切な治療へのアップグレード】
患者が新しい治療薬(CGRP関連薬:皮下注射による片頭痛発作の発症抑制薬)の使用に当たって求めている情報は「効果」。一方、日常生活への改善効果については、片頭痛発作が“ある時”より“ない時”に関心が高い
  • 患者のCGRP関連薬の使用意向に繋がった情報で多かった回答上位は「頭痛の回数がどの程度減るか」、「私自身に効果がありそうか」、「痛みがどの程度マシになるか」といった「効果」に関する情報。
  • 一方、日常生活への影響に対する改善効果については、患者は片頭痛発作が“ある時”より“ない時”の情報により関心が高く、医師の認識との間にギャップがみられた。

医師に不満や支障を伝えることで新しい治療薬(CGRP関連薬)の紹介=適切な治療へのアップグレードにつながる
  • 片頭痛による支障を医師に伝えている割合について、CGRP関連薬を“紹介された患者”では、支障や不満を医師に伝えている割合が高く、“紹介されていない患者”では、支障はあるがそれを医師に伝えていない傾向が強い。
  • CGRP関連薬を紹介されていない患者の、「片頭痛発作がない時」の不満や支障について医師に伝えている割合は、わずか2割程度に留まった。

「医師からの勧めや後押し」が患者のCGRP関連薬の使用意向に最も影響する
  • CGRP関連薬を使用してみたいと思う後押しとなったのは、「医師からの勧めや後押し」が76%と最も高かった。

片頭痛発作が“ある時”の支障の減少について5割、片頭痛発作が“ない時”の支障の減少について4割のCGRP関連薬使用経験者が“達成”を実感
  • CGRP関連薬使用経験者の約5割が、「頭痛がある時、仕事・学校・家事などに支障があることが減った」、「頭痛の回数が減った」等発作時の支障について“達成できた”と実感。
  • 片頭痛発作がある時だけでなく、“ない時”についても、CGRP関連薬使用経験者は約4割が「達成できた」と感じている。
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本調査を監修した医師の1人である社会医療法人 寿会 富永病院 頭痛センター 副センター長 團野 大介 先生は次のようにコメントしています。「 CGRP関連薬といった新薬の登場によって、片頭痛発作がない時の生活における支障、いわゆる『発作間欠期』というものが注目されるようになってきました。患者さんに適した片頭痛治療の実現やアップデートには、片頭痛発作がない時の日常生活への支障についても、医師と患者さん双方向から積極的にコミュニケーションを取っていただくことが重要です。片頭痛治療のパラダイムシフトを迎えた昨今、世の中の片頭痛患者さんと片頭痛治療にあたる医師の方々の知識や考え方もアップデートいただき、より積極的に片頭痛治療と向き合ってよりよい片頭痛治療を実現していくことによって、一人でも多くの患者さんの人生が片頭痛から解放される日がくることを願います。」

日本イーライリリーでは、今後も片頭痛とともに生活される人々に寄り添い、一人でも多くの片頭痛患者さんが日常生活を安心して過ごせ、大切な日を楽しみに迎えられるよう、貢献してまいります。

<片頭痛とは>
片頭痛は、日本では約10人に1人が患っていると言われる*1、男性の3.6%、女性の12.9%が抱える神経性の疾患*2です。頭の片側もしくは両側に心臓の拍動に合わせて中等度から重度の強さの痛みが4~72時間持続すると共に、随伴症状として、悪心や嘔吐、光過敏、音過敏等を伴うことが多くあります。片頭痛発作は低気圧の接近前後に多く起きている傾向が認められていること*3から、台風シーズンである9月には多くの患者さんが片頭痛に悩まされていることが想定されます。また片頭痛による労働遂行能力低下により、年間2兆3000億円の経済的損失が発生しているとも推計されています*4。

<片頭痛発作がない時(発作間欠期)とは>
片頭痛発作が収まってから次の発作が起こるまでの、片頭痛発作のない期間のことです。「片頭痛発作がない時」にも患者さんは「頭痛が起こると仕事・学校・家事などで迷惑をかけるかもしれないと不安になったり、頭痛が心配で家事や仕事を制限したりする」、「頭痛が起きないように頭痛の原因を避けるようにして行動する」、「頭痛が起こるかもしれないと恐れて、友達や家族との約束やレジャー等の楽しい予定を制限する」、「頭痛がない時でも、片頭痛のせいで気持ちが落ち込む」等の様々な影響を受けています。

*1:日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修:頭痛の診療ガイドライン作成委員会編集.頭痛の診療ガイドライン 2021, 医学書院
*2:Sakai F. et al, Cephalalgia. 1997;17:15-22
*3:慶応義塾大学 岩下達雄「気象変化による片頭痛発作発症・増悪の要因と対策」https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-24659292/
*4:Shimizu T, Sakai F, Miyake H, et al. : Disability, quality of life, productivity impairment and employer costs of migraine in the workplace. The Journal of Headache and Pain 2021 : 22(1) : 29


 
「片頭痛発作がない時」に関する片頭痛患者と医師への意識調査

<調査概要>
・調査主体:日本イーライリリー株式会社      
・実査:株式会社 社会情報サービス
・調査手法:インターネット調査
・調査地域:日本全国
・監修:品川ストリングスクリニック 理事長・院長 山王 直子 先生
    富永病院 頭痛センター 副センター長  團野 大介 先生 
    仙台頭痛脳神経クリニック 院長 松森 保彦 先生
 

<主な調査結果>

【「片頭痛発作がない時」の支障の実際】
  • 片頭痛発作がある時のみならず、片頭痛発作が“ない時も” 8割近い患者が支障を抱えている
Q.現在、「片頭痛」による困りごと/支障はどの程度ですか。下記項目について、「同意しない」~「同意する」の中から最も当てはまるものをお選びください。(5段階)
 
  • 患者の2人に1人は、発作間欠期に「頭痛が起きないように頭痛の原因を避けるようにして行動」したり、「頭痛が起こると仕事・学校・家事などで迷惑をかけるかもしれないと不安になったり、頭痛が心配で家事や仕事を制限したり」などしている
Q.現在、「片頭痛」による困りごと/支障はどの程度ですか。下記項目について、「同意しない」~「同意する」の中から最も当てはまるものをお選びください。(5段階)


【「片頭痛発作がない時」に関する医師と患者のコミュニケーション】
  • 片頭痛発作時の日常生活への影響について主治医に話している患者は61%に対し、片頭痛発作がない時の生活への影響を話している患者は46%にとどまり、15%のギャップがある
Q.以下の項目について、現在のあなたの状況として、それぞれあてはまるものをお知らせください。
                           
  • 片頭痛発作がない時も 「常に薬を持ち歩いていないと不安」が8割。片頭痛発作がない時の支障を、患者の半数は医師に伝えていない傾向がある
Q.頭痛がない時でも感じる、片頭痛が原因で困っていることや不安として、下記はどの程度当てはまりますか。
Q.頭痛がない時でも感じる、片頭痛が原因で困っていることや不安のうち、医師に伝えていることとして、あてはまるものをすべてお知らせください。
 
  • 患者が、片頭痛発作がない時の不満や支障について医師に伝えていない理由は、「医師に伝えても状況はかわらないだろうなと思う(伝えても無駄だろう)」が1位
  • 患者は「どこまで相談していいかわからない」と思っている、という認識が医師・患者ともに高い
Q.(片頭痛発作がない時の)「不満・支障はあるが、医師に伝えていない」理由として、あてはまるものを全てお知らせください。
 
  • 患者が片頭痛治療薬に対し期待したこと/期待できると思うことの上位は、片頭痛発作時の「効果」に関することで、「片頭痛発作がない時」の支障に対する改善効果については、そもそも期待していない
Q.片頭痛の各治療薬があなたにもたらしてくれることとして、どのようなことを期待しますか。片頭痛の各治療薬について、当てはまるものそれぞれ最大5つ選択してください。
 
  • 「もっと改善したい」気持ちや「日常生活への支障」も“伝えてほしい医師”と、“伝えていない患者”にギャップ
  • ~「欲を言えばもっと改善したい」気持ちを患者から積極的に伝えてほしい医師が6割近いのに対し、「伝えている」患者は3割にとどまり、7割が積極的には伝えていない。
  • ~「日常生活における片頭痛による影響や変化を些細な事でもなるべく報告してほしい」医師が5割以上であるのに対し、「報告するようにしている」患者は3割にとどまり、7割が報告していない。
Q.片頭痛治療における主治医とのコミュニケーション/診療の際のスタンスについてどの文章に同意しますか。あなたの考えに最もあてはまるものをお知らせください。
 
  • 片頭痛発作がない時の支障に関するコミュニケーションは「主治医への信頼度」や患者の「満足度」につながる
  • ~「片頭痛発作がない時」の支障の全てまたは一部について医師に伝えている患者は、伝えていない患者よりも、「主治医への信頼度」、「主治医とのコミュニケーションの総合的な満足度」、「現在の治療に対する満足度」の全てにおいて高い傾向にあった。
Q.以下の項目について、現在のあなたの状況として、それぞれあてはまるものをお知らせください。(5段階評価のうち、上位2つを選択した割合)


【医師と患者のコミュニケーションと適切な治療へのアップグレード】
  • 片頭痛による支障を医師に伝えている割合について、CGRP関連薬を“紹介された患者”では、支障や不満を医師に伝えている割合が高く、“紹介されていない患者”では、支障はあるがそれを医師に伝えていない傾向が強い
  • CGRP関連薬を紹介されていない患者の、「片頭痛発作がない時」の不満や支障について医師に伝えている割合は、わずか2割程度に留まる
  • 支障や不満を医師に伝えることで適切な治療へのアップグレードにつながる可能性が示唆された
Q.注射の予防薬を紹介された頃について思い出してください。その頃に感じていた下記の内容について、不満・支障を感じていたかどうか、その不満・支障をどのように医師に伝えていたかについて、あなたに最もあてはまると思うものをお知らせください。
 
  • 患者が新しい治療薬(CGRP関連薬)の使用にあたって求めている情報は、薬剤の「効果」
  • 一方、患者は日常生活への影響の改善効果について、片頭痛発作が“ある時”より“ない時”により関心が高い
Q.医師から説明された注射の予防薬についての内容のうち、注射の予防薬を使用してみたいという気持ちにつながったものをお知らせください。
 
  • CGRP関連薬を使用したい気持ちに対して後押しとなるのは、「医師からの勧めや後押し」が76%と最も高い
Q.下記のそれぞれについて、注射の予防薬を使用してみたいと思う後押しになりましたか/なりますか。最も当てはまるものを選択してください。
 
 
  • 片頭痛発作が“ある時”の支障の減少について5割近く、片頭痛発作が“ない時”の支障の減少について4割近くのCGRP関連薬使用経験者が“達成”を実感
Q. あなたが使用したことのある片頭痛の各治療薬について、その治療薬により以下の項目がどの程度達成できたと思いますか。最も当てはまるものを選択してください。 


日本イーライリリー株式会社について
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛、などの領域で日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。
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