京都産業大学の佐藤 賢一 教授らは、アフリカツメガエルの卵が過剰活性化という現象で死ぬことがあることを明らかにした。この過程は自然にも発生し、機械的ストレスが関与する可能性が高い。卵は1時間以内にサイズ増加や細胞内ATPの枯渇が起こり、ネクローシス性の細胞死を引き起こす。この発見は、再生医療、生物工学分野での応用可能性の広がりや、自然界における卵の生存率向上、動物生態系の保護に寄与することが期待される 。
アフリカツメガエルの卵の過剰な活性化、すなわち過剰活性化は、強い酸化ストレスによって引き起こされ、カルシウム依存性の非アポトーシス性細胞死を加速することがある。また、過剰活性化は自然発生的にも生じるが、産卵されたカエルの卵の自然集団では低頻度で発生する。現在、この自然発生的な過程の細胞学的および生化学的なイベントの特徴は明らかではない。本研究では、ツメガエルの卵の自然発生的な過剰活性化も、酸化ストレスや機械的ストレスによる過剰活性化と同様に、卵の皮質層の速やかで不可逆的な収縮、卵のサイズの増加、細胞内ATPの枯渇、細胞内ADP/ATP比の急激な増加、細胞分裂期特異的サイクリンB2の分解によって特徴付けられることを明らかにした。
このデータは、アフリカツメガエルにおいて、産卵中に卵の過剰活性化を促進する主要な要因として機械的ストレスがあることを示唆している。
この研究成果により機械的ストレスが生物に与える影響の理解が深まり、再生医療、生物工学分野での応用可能性の広がりや、自然界における卵の生存率向上、動物生態系の保護に寄与することが期待される。
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
<関連リンク>
・【生命科学部】脊椎動物モデル(アフリカツメガエル)を用いた、卵の細胞死メカニズムの解明
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/2024_ls/20240513_400a_news_.html
・生命科学部 産業生命科学科 佐藤 賢一教授
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/ls/sato-kenichi.html
・佐藤研究室
https://peraichi.com/landing_pages/view/ksusatolabsince2007/
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