22回目の受賞 累計54プロジェクトに 3プロジェクトが「2024年度グッドデザイン賞」を受賞
■2024年度グッドデザイン賞 受賞プロジェクト一覧
- イニシア芦屋レジデンス (分譲集合住宅)
- コスモグラシア蔵前テラス(賃貸集合住宅)
- 古材を活用した買取再販リノベーションマンション
■イニシア芦屋レジデンス (分譲集合住宅)
【概要】
エントランスから奥庭までの動線上の共有空間を「シェアリング・パス」と名付け、日常の動線上に、居住者同士が共有 (シェア) できるさまざまな居場所を設け、シェアをきっかけとした豊かなライフスタイルを提案。非常時の協力や高齢単身世帯の孤独死、共働きや母子家庭の子育て等、人が集まって暮らす事で解決する社会問題が多々存在している現代社会。あらゆる資産を共有する「シェア」の思考により、人と人の繋がりを取り戻し、愛着のある持続可能な暮らしの実現を目指す。また、地域資源である淡路瓦をファサードや内部空間に採用し、地域性を感じる表情豊かな空間を実現している。
【審査委員のコメント】
集合住宅は共用部を有しているにもかかわらず、住民同士のつながりや共有意識は生まれにくい。この課題を解決すべく「シェア」の思想により室内外の動線上に多様な居場所を設けたことが特徴である。また、台形状をした淡路瓦の透かし積みによるファサードが特徴的で、ディテールが美しい。地域の素材を積極的に採用し、デザインにつなげている点も高く評価できる。「シェア」機能が実際にどのように使われ、どのような効果を生み出しているのか、大変興味深い。継続的な観察を行い、つながりをもつ豊かな暮らしが実現できる集合住宅の発展に繋げてほしい。
【概要】
厩橋から望める隅田川河岸の賃貸集合住宅。江戸百景首尾の松に想いを馳せ、蔵前のまちを読み解いてデザインに活かそうと図った。十分な距離を置いて離した出寸法2.5メートルの大型バルコニーを川側立面に設け、あえて隔て板による不本意な視界の遮りを避けることで、隣近所の住まい手同士がコミュニケーションを取り合うことを建築的に助長することを狙う。にぎわいのある近隣蔵前のまちに対しては、人々を引き込もうと湾曲させたデザイン壁を入口直後に設け背面の川側へと導いている。
【審査委員のコメント】
この集合住宅の設計における優れた点は、隅田川に面して設けた2.5メートルの跳ね出しバルコニーを、あえて連続バルコニーとして一体化せず、住戸ごとに独立させた点である。これにより、バルコニーの隔壁を無くし、隅田川に対するパノラマ状の眺望を獲得している。さらには、上下左右の隣家との緩やかなつながりが生まれ、プライバシーと開放感を両立させている。下町での暮らしを現代的に解釈した、優れた計画である。さらに、バルコニー先端の形状を階ごとに変化させることで、明るく開放的な住空間が実現されている点も注目に値する。室外機の配置については工夫の余地があるが、敷地のコンテクストを的確に読み取り、それに基づいたデザインがなされていることは高く評価できる。
【概要】
木造密集地域の家屋解体で廃棄される古材を都心部の共同住宅で活用する、買取再販リノベーション。住宅ストックに古材を融合し再生することで、古材の意匠・機能的価値を取り入れた住空間を計画。実現にあたり、古材に想い寄せる事業者とのネットワークを構築。本計画は、次世代へ古材の価値をつなげる新しい仕組みである。
【審査委員のコメント】
暮らしの多様化や建物の老朽化のために解体される木造住宅は多いが、解体前に丁寧に調査すると建具や床材などの古材は別の場所で十分使用できる価値があるため、買取再販リノベーションする仕組みを考えた大変優れた計画である。木建具は特に職人の技術が表現された貴重なものがあり、積極的に集合住宅での活用を促すことは文化の継承として社会に貢献する活動である。今後も古材の活用技術が向上し、一般的にも普及していくことを期待している。
コスモスイニシアは、新築マンション・一戸建、リノベーションマンションなどの住まいを提供するレジデンシャル事業、投資用・事業用不動産の開発・仲介・賃貸管理などを行うソリューション事業、ファミリー・グループでの中長期滞在に対応するアパートメントホテルなどの開発・運営を行う宿泊事業を展開しています。社会の変化とニーズの多様化とともに事業領域を拡大し、都市環境をプロデュースする企業へと進化を続けています。
私たちは、ミッション『「Next GOOD」 お客さまへ。社会へ。⼀歩先の発想で、⼀歩先の価値を。』 の実現に向けて全ての経営活動においてCSVを実践していきます。これからも、期待を超える安心や喜びをもたらす価値を追求し、商品・サービスの提供を通じて社会課題を解決するため、より多くの「Next GOOD」を、お客さま、社会と共に創ってまいります。
■コスモスイニシア50周年特設サイト:https://www.cigr.co.jp/50th/
以上