一般家庭用レンジフード国内シェアNo.1※1のFUJIOH※2 神奈川県立産業技術総合研究所と共同で、光触媒、オゾン、金属触媒による効率的なVOC除去方法を発見

臭気を効果的に除去する空気環境改善システム構築の可能性を確認

 富士工業株式会社(神奈川県相模原市/厨房機器製造・販売/代表取締役社長 柏村浩介 以下、FUJIOH)と地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所(以下、KISTEC)の落合剛主任研究員と濱田健吾研究員は、金属触媒に光触媒とオゾンを組み合わせた技術によって空気中の揮発性有機化合物(以下、VOC)を除去する共同研究論文を発表しました。この研究論文は、世界最大級のオープンアクセス専門出版社MDPIが運営する学術誌『Catalysts』に掲載され、FUJIOHとしては初の掲載となりました。本研究成果を応用することで、調理時にキッチンの臭気を効率的に除去するシステムの構築が期待されます。

Catalysts Web:https://www.mdpi.com/2073-4344/15/2/141

※1 富士工業グループは、一般家庭用レンジフード供給台数国内シェア No.1。(2021年4月 東京商工リサーチ調べ ODM生産品含む)
※2 FUJIOH は、富士工業グループの企業ブランドです。
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■研究背景
 FUJIOHは、調理時に発生する油煙やにおいをフィルターでろ過した空気を室内に戻す「IHクッキングヒーター専用室内循環フード」を開発・販売しています。しかし、さまざまな調理法・食材が使用される現代のキッチンでは、臭気成分が多様化しており、それらを効率的に処理することが課題となっています。
特に、油を多用する調理では、強い臭気が発生するため、脱臭機能を持つ製品のフィルター脱臭効果が低下しやすく、フィルターの交換も頻繁に必要になります。そのため脱臭効果が長く持続し、フィルターの交換頻度を抑える、効率的な脱臭機能を持つ製品の開発が求められています。

■研究成果の要点
 本研究は、臭気を効率的に除去するシステムの構築を目指し、FUJIOHとKISTECが産学連携で取り組んだものです。金属触媒フィルターと光触媒フィルターをJIS試験用反応器に設置し、試験ガスにはVOCの一種であるアセトアルデヒドとオゾンを使用して試験をおこないました。その結果、金属触媒に光触媒とオゾンを組み合わせることでVOCを効率的に除去できることが明らかになりました。今後この成果は、キッチンなど臭気がこもりやすい環境での臭気除去システムへの応用が期待できます。

■研究概要
 金属触媒フィルターと光触媒フィルターをJIS反応器に設置し、VOCの一つであるアセトアルデヒドとオゾンを試験ガスとして使用し、アセトアルデヒドの除去性能を評価しました(図1)。評価の際、試験ガスの濃度、流量、光強度などの時間変化を計測しています。

金属触媒フィルターのみを用いてアセトアルデヒドを通過させた場合(図2左):
・試験開始直後はアセトアルデヒドをほぼ100%除去。
・数分後から除去性能が低下。
・二酸化炭素の発生はほとんどなく、分解反応は起きていないと考えられた。

光触媒フィルターと金属触媒フィルターを重ね、UV-C照射とオゾン処理を組み合わせてアセトアルデヒドを通過させた場合(図2右):
・数時間後もアセトアルデヒドやオゾンの濃度は上昇せず、分解生成物の二酸化炭素濃度が上昇した。
・生成した二酸化炭素量はアセトアルデヒド完全分解時の理論値より少なく、 完全分解には至っていないことが示唆された。
・アセトアルデヒドを100%除去した状態を210分以上維持。

アセトアルデヒドを全て除去できた理由として、金属触媒フィルター表面でのアセトアルデヒドの吸着とオゾンの分解に加え、光触媒反応によって活性酸素種の生成が促進されたため、効率よく除去できたと考えられます。
図1 アセトアルデヒド分解試験の概略図

図2 アセトアルデヒド分解試験結果
(左)金属触媒フィルターのみを用い、アセトアルデヒドを通過させた場合の各成分の濃度変化
(右)金属触媒フィルター+光触媒フィルター+オゾン処理の場合の各成分の濃度変化


■主な発見
・光触媒フィルター、金属触媒フィルター、オゾン処理の3つの技術を組み合わせることで、従来の金属触媒フィルターのみの処理方式と比較し、アセトアルデヒドの分解効率が大幅に向上しました。
・金属触媒は、アセトアルデヒドを吸着するとともに、オゾンを分解して反応性の高い活性酸素種に変化させていると考えられました。同時に、光触媒反応は、臭気成分を分解するとともに、オゾンを活性酸素種に変化させ、空気浄化反応をさらに加速する相乗効果が起きていると考察されました。

FUJIOHは、今回の研究成果を応用し、快適な空気環境の構築を目指します。今後も、ブランドビジョン「空気を変え、環境を変え、明日を豊かに変えていく。」の実現に向けて、空気環境改善の鍵となる未解明な領域を解明し、真の快適な空気環境を構築するための技術革新に挑戦していきます。

■用語
光触媒:光を吸収して化学反応を促進する物質の総称。
オゾン:強い酸化力を持ち、酸化反応を促進する物質。
揮発性有機化合物(VOC):常温常圧で揮発しやすい有機化合物の総称。
アセトアルデヒド:調理油煙に含まれる有害なガス成分。

【KISTEC概要】
昭和4年に神奈川県工業試験場としてスタートして以来、90年以上にわたり、工業分野における神奈川県の公設試験研究機関として試験計測等によりものづくり企業のサポートをおこなう。広範な技術分野をカバーする80名以上の研究員が、試験・分析の方法から相談に応じるとともに課題解決に向けた支援に取り組み、県内をはじめとした産業振興に貢献している。

【KISTEC共同研究者プロフィール】
■落合 剛(おちあい つよし)
名古屋工業大学大学院工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)
地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 川崎技術支援部 材料解析グループ 主任研究員
光触媒工業会特別会員
光触媒などの機能材料の性能評価法や応用法に関する研究開発のほか、国家資格キャリアコンサルタントや、法政大学・上智大学の非常勤講師として、教育や人材育成にも従事。

■濱田 健吾(はまだ けんご)
九州工業大学大学院生命体工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)
地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 川崎技術支援部 材料解析グループ 研究員
光触媒製品に関する技術支援、光触媒や促進酸化法を用いた環境浄化に関する研究開発に従事。
電気化学会関東支部 支部役員、デジタル技術の活用による研究開発業務の効率化に取り組む。



【富士工業グループ会社概要】
事業概要:一般家庭用/業務用厨房機器の企画・開発設計・生産・販売・アフターサービス
代表者:代表取締役社長 柏村浩介
創立:1941年12月
所在地:神奈川県相模原市中央区淵野辺2丁目1番9号
従業員数:951名(連結従業員数)
グループ会社:
富士ホールディングス株式会社
富士工業株式会社
富士工業販売株式会社
フジテックメンテナンス株式会社
株式会社ヒートアンドクール
Fujioh International Trading Pte. Ltd.
芙子帝風商貿(上海)有限公司 (Fujioh Trading Shanghai Co.,Ltd.)
Fujioh Marketing Malaysia Sdn. Bhd.
台灣富士皇股份有限公司(Fujioh Marketing Taiwan Co., Ltd.) 
[関連会社]アリアフィーナ株式会社
公式Web:https://www.fujioh.com

本件に関するお問合わせ先
富士ホールディングス株式会社 コミュニケーションデザイングループ
TEL: 042-718-5661
E-MAIL: fujioh.cdg@fujioh.com

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この企業の情報

組織名
富士ホールディングス株式会社
ホームページ
https://www.fujioh.com/
代表者
柏村 浩介
資本金
8,000 万円
上場
非上場
所在地
〒252-0206 神奈川県相模原市中央区淵野辺2-1-9
連絡先
042-753-1001

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