回答者の65.7%がSASE/SSE製品を「詳しく理解している」「概ね理解している」と回答する中、「詳しく理解している」との回答は約3割にとどまりました。業種別では、金融・保険業界で最も理解度が高く、80.8%が「詳しく」または「概ね」理解していると回答しました。最も低い結果となったのは卸売・小売で、62.1%が「詳しく」または「概ね」理解していると回答しました。
図1:SASE/SSE製品の理解度(ネットワーク業務もしくはセキュリティ業務を担当している方)
質問「あなたはSASEとSSEについて、どの程度理解していますか」
<出典:SASE/SSEに関する国内ユーザー調査レポート(以下同)>
■ 約4割強の組織がSASE/SSE製品を導入、重視するポイントは運用性の高さ
SASE/SSE製品の導入状況は、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)が48.7%と最も高い結果となりました。SWG(セキュアウェブゲートウェイ)、CASB(キャスビー)が45.8%、42.7%と続き、各製品の導入状況は、40%以上となっています。また製品選定時に最も重視した点として「セキュリティ機能の包括性」、「セキュリティとネットワークの一元管理」があげられています。導入方式については、63.3%の組織が単一ベンダーで導入しており、複数ベンダーで導入した組織の48.5%がベンダー統合を検討していると回答しています。しかしながら、50%以上の組織が複数ベンダーのままで使用すると回答していることから、国内のSASE/SSE製品におけるベンダー統合は未だ発展途上であると言えます。一方、製品の導入を計画・検討している組織は3割程度となり、最も重視する点として「セキュリティとネットワークの運用のしやすさ」が最も高く、製品の運用性が重視されています。
図2:SASE/SSE製品の導入状況
質問「自社でSASE/SSEに関連する製品を導入していますか」
■ ベンダー数や組織形態、従業員規模によって運用形態は変動
運用形態については、41.3%が「すべてを自社で運用」、51.4%が「一部マネージドセキュリティサービス(MSS)を利用して運用」と回答し、「すべてをマネージドセキュリティサービスを利用して運用」と回答した組織は7.3%という結果となりました。使用ベンダー数や組織形態によっても差があり、単一ベンダーによる導入の場合、45.5%の組織が全て自社運用と回答し、使用ベンダー数に比例して一部MSSを利用した運用の割合が高くなっています。従業員規模別では、999人以下での「すべてを自社で運用」の割合が低くなる一方、1000人以上の規模では従業員規模と比例して、一部MSSを利用した運用の割合が高くなり、1万人以上では60.2%が「一部マネージドセキュリティサービスを利用して運用」と回答しています。
図3:SASE/SSE製品の運用形態
質問「SASE/SSEをどのように運用していますか」
■ネットワークやセキュリティなどの一元管理を実現する一方で、運用時の負担とコストが大きな課題に
SASE/SEE製品の導入効果については、28.6%が「ネットワークとセキュリティの一元管理ができるようになった」、26.0%が「リモートワークやクラウドサービスのセキュリティ管理が一元化できた」と回答しており、製品導入による一元管理の効果が高いと言えます。業種別では、特にプロセス製造で43.2%が「ネットワークとセキュリティの一元管理」の効果が高いと回答しています。運用課題については、自社運用の場合、「運用負担と運用コストが大きい」が23.8%と最も多く、「ネットワークパフォーマンスの最適化が難しく、遅延やパフォーマンス低下が発生する」が22.7%で続いています。また、MSSを利用した運用の課題としても、「事業者の運用コストが高く、費用対効果が悪い」が26.1%と最も多い結果となり、自社運用と同様に運用コストが大きな課題となっていることから、運用形態に関わらず、運用時の負担やコストの高さが課題であると言えます。
図4:SASE/SSE製品の運用効果
質問「SASE/SSEを導入したことで、どのような効果を感じていますか。最大3つまでお答えください」
図5:SASE/SSE製品における運用課題(左:自社運用/右:MSS運用)
質問「SASE/SSEを運用している中で課題になっている点は何ですか。最大3つまでお答えください」
フォーティネット マーケティング本部 フィールドCISO、登坂 恒夫は、次のように述べています。
「DXを促進させるには、俊敏性や拡張性のあるクラウドサービスの利用が不可欠です。クラウドサービスをどこからでも利便性を保ちながら、安全/安心に利用できることがデジタルを基盤としたビジネスでは必須となります。これを実現するのがSASE/SSE製品です。しかし、SASE/SSE製品は多くの機能が提供されており、十分に使いこなすための知識や機能拡張によるコスト増など、運用時の負担やコストに課題があり、製品ベンダーはこの課題への対応が求められます。フォーティネットが提供するUnified SASEは、ネットワークとセキュリティを完全統合したユーザーインターフェースで運用負荷を軽減するだけでなく、フル機能での提供におけるコスト増への課題も解消しています。フォーティネットは、Unified SASEによってCXを向上させ、セキュリティ運用の内製化を支援することにより、企業のDX促進を支援します」
※本調査の詳細は
レポートをご参照ください。
https://www.fortinet.com/content/dam/fortinet/assets/reports/ja_jp/japan-sase-sse-survey-report-2025.pdf