東京農業大学「食と農」の博物館(東京都世田谷区上用賀2-4-28)では、開館10周年の午年に因み、「馬文化」を多角的な視点で掘り下げた座談会「日本人と馬 -- 埒を越える十二の対話」を行い、その内容を収録した同冊子を出版した。
2014年の企画展「農と祈り -- 田の馬、神の馬」では、馬が介在する信仰の世界を自然や農業と対峙する姿の中に捉え、紹介した。本座談会ではさらに分野を広げ、馬と人との関係における新しい見解を、多分野にわたる識者の対話により導く試みが繰り広げられた。その内容は「神の馬」「昔の馬」「喜びの馬」「働く馬」他の構成で纏められた。
本書では、信仰や民俗、歴史、考古、社会、科学、芸術にかかわる識者が、馬の姿を何層にも分析し再構築している。埒を越えようとする力が、語り合うことによって何倍にも増幅する、その現場に立ち会う興奮を味わえる1冊である。
【 内 容 】
第一章 神の馬
「祓の象徴」「馬と生きる信仰」「馬装と神の座」
第二章 昔の馬
「馬文化の発展経路」「和種馬に乗る誇り」「馬の博物誌」
第三章 喜びの馬
「ンマハラセー -- 走らない馬の美ら」「日本競馬観客考」
「馬の幸福エネルギー」
第四章 働く馬
「国家を築く馬」「知識は馬の背に乗って」「記録される馬」
「農と祈り -- 田の馬、神の馬」への図書館情報学分野の参画 他
企画・編集: 東京農業大学「食と農」の博物館・学術情報課程編
発行所: 東京農業大学出版会
定価: 本体4,000円+税
仕様: A5判・上製・420p
ISBN: 978-4-88694-447-4 C3061
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