【ニュースレター】北海道の地域支える当社漁船、34年ぶりフルモデルチェンジ

~最北端に根づく「信頼のパートナー」、ミズダコ漁効率化を目指した船体でスマート水産を推進~

宗谷地域沿岸で活躍するミズダコ漁向け漁船が34年ぶりにフルモデルチェンジ。
「スマート水産」の実現に向け、漁船開発の側面から支援


地域に根づいた「信頼のパートナー」
 「2m超の波でも安定感があるし、スピードも出せる」「舵の効きがバツグン。タコがかかった樽に早く移動できるので、体力温存にもつながる」
 ミズダコの漁獲量日本一を誇る北海道・宗谷地域で、7月中旬、34年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたFRP製小型漁船、「DY-48I-0A」の試乗会が開かれました。冒頭のコメントは、試乗会に参加した漁業従事者の皆さんの感想です。
 同モデルは、1990年に発売した「DY-48G-0A」の後継モデル。いまも港に足を運べばタコ樽流し漁の主力として活躍する「DY-48G-0A」がずらりと並び、その勇ましい光景が地域産業にな
くてはならない“頼れるパートナー”であることを物語っています。
 「言うまでもなく、30年という時間は長いものです」と話すのは、このプロジェクトで主に営業を担う樹林謙さん。「漁具や漁法が進化するたびに、これまで全モデルに“特艤(とくぎ)※1”と呼ばれる仕様変更を加えて対応してきました。結果として、納船のたびに約120カ所に特艤を加えることになり、生産や供給の効率にも大きな課題がありました」と話します。
 一方、設計を担当した尾崎吉彦さんは、「次代を担う、若い漁業従事者も増えています。スマート水産による漁業の効率化等を水産庁が推進していますが、働く人の負荷やコストの低減に、漁船の果たす役割は大きいと考えていました」と新艇開発の背景を説明します。

試乗会では約30人が新艇に乗船。高波の中での試乗会となったが、
凌波性や安定性、舵効きの良さについて高い評価を受けた

設計者も同船。操業シーンを深く理解
 新艇の設計にあたり、尾崎さんらは繰り返し宗谷を訪問。時には樽流し漁に同乗し、その操業シーンをつぶさに研究しました。「船や人の動き、漁具の種類や数、またその配置など、漁労をより快適にするための要件を洗い出して、それら全てを設計に織り込みました」と尾崎さん。
 新艇のポイントの一つに、優れた燃費性能があります。模型実験やシミュレーターによる検証を繰り返すことで摩擦や造波抵抗を極限まで減らし、約16%※2もの燃費性能向上を実現。「年間の燃料代は使い方によってバラつきはあるものの、1隻あたり約800万円とも言われています。燃料が高騰する中、決して小さくはない貢献につながるはずです」と尾崎さん。
 さらに、漁労時の疲労を低減する艇体安定性や、低速時に小回りの利くクイックな舵角も大きな進化を果たしたポイントの一つ。これらも漁を行う皆さんの声に耳を傾けるとともに、乗船体験などによって漁の実態を深く理解した成果です。
「すでに3件のご注文をいただいています」と樹林さん。「漁家の皆さんにとっての新艇は、家の新築と同じこと。誠心誠意向き合って迎える進水式は嬉しいですし、その結果、豊漁で見せる漁師さんたちの笑顔に出会えることが漁船営業の大きな喜びです」と話してくれました。

新艇開発のプロジェクトを牽引した営業担当の樹林さん(左)と、設計を担当した尾崎さん

■タコ樽流し漁(ヤマ発動機公式チャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=7vyc4cSRmSc

■広報担当者より
当社が国内初の量産型FRP漁船を発売してから60年余り。かつて”漁業大国”と呼ばれた日本で、当社は漁業従事者の方と対話しながら、現場のニーズに応えるべく漁船を開発してきました。昨今、燃料高や少子高齢化など日本の漁業を取り巻く環境は多くの課題を抱えていますが、当社は、今後も現場に寄り添った製品開発を通じて、日本の漁業の持続的な発展に貢献していきま


本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
本社:0538-32-1145 / 東京:03-5220-7211

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組織名
ヤマハ発動機株式会社
ホームページ
https://www.yamaha-motor.co.jp/
代表者
設楽 元文
資本金
8,610,000 万円
上場
東証プライム
所在地
〒438-8501 静岡県磐田市新貝2500
連絡先
0570-053-800

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