大型液化水素貯蔵タンクの工場製作開始

~ 液化水素サプライチェーン構築に向けて ~

川崎重工は、貯蔵容量50,000㎥の地上式平底円筒形液化水素貯蔵タンクについて、高圧ガス保安法の特定設備検査申請の設計審査に合格し、当社播磨工場(兵庫県加古郡)での製作を開始しました。

本タンクは、日本水素エネルギー株式会社(JSE)が幹事会社として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「液化水素サプライチェーンの商用化実証」※1において建設する国内基地(川崎市扇島)に設置予定です。

液化水素貯蔵タンクの完成イメージ(CG)

水素は、燃やしてもCO2を出さない究極のクリーンエネルギーとして期待される中、マイナス253℃の極低温での貯蔵設備の技術確立およびインフラ整備、ならびに商用化に向けた貯蔵設備の大型化が重要な課題となっています。このたび当社は、独自の構造および保冷システムを開発し、世界で初めて商用規模の地上式平底円筒形の液化水素貯蔵タンクの建設工事に着手しました。これにより、従来の真空断熱構造の地上式球形タンクよりも多くの液化水素の貯蔵が可能となります。

本タンクには、1980年代にNASDA(現︓JAXA)※2の種子島宇宙センター向けに貯蔵容量540m3の球形液化水素貯蔵タンクを製造し、運用・保守をしてきた実績や、2020年に神戸空港島に建設した国内最大の貯蔵容量2,250m3の球形液化水素貯蔵タンク※3の設計・製造技術に加え、長年にわたる豊富な平底円筒形LNG貯蔵タンクの製造ノウハウを活かしています。

当社は今後、液化水素貯蔵タンクのさらなる大型化などによりラインナップの拡充を図るとともに、様々な技術課題を解決することで、水素サプライチェーンの構築を積極的に推進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

【地上式平底円筒形液化水素貯蔵タンクの仕様】
タンク形式 平底円筒形貯槽
断熱方式 常圧断熱構造
BOR※4 0.26wt%/day(開発目標)
貯蔵タンク寸法 外槽直径 約60m、高さ 約45m
液化水素貯蔵容量 50,000㎥(約3,550トン)

※1 NEDO助成事業「大規模水素サプライチェーンの構築」
https://green-innovation.nedo.go.jp/project/hydrogen-supply-chain/

※2 NASDA:宇宙開発事業団、JAXA:国⽴研究開発法人宇宙航空研究開発機構

※3 NEDO助成事業「水素社会構築技術開発事業:未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100096.html

※4 Boil off Rateの略で外部からの自然入熱により気化するガスの発生重量比率のこと

以 上

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この企業の情報

組織名
川崎重工業株式会社
ホームページ
https://www.khi.co.jp/
代表者
橋本 康彦
資本金
104,484 万円
上場
東証プライム
所在地
〒105-8315 東京都港区海岸1-14-5
連絡先
03-3435-2111

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