シンプレクス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:金子 英樹、以下シンプレクス)とAva Labs Inc.(本社:アメリカ ニューヨーク州、CEO Emin Gün Sirer 以下Ava Labs)は、シンプレクスが提供するステーブルコイン発行・償還システム「Simplex Stablecoin」とAva Labsが提供するブロックチェーンインフラサービス「AvaCloud」を組み合わせ、金融サービス水準の可用性と低レイテンシの実現に向けた実証実験を実施しました。
現在国内外において多くの金融機関、企業が事業化を検討しているステーブルコインですが、事業化には、金融サービスとしてのサービスレベルが求められ、その難易度の高さが参入障壁となっています。このたび実施した実証実験では、ステーブルコイン事業開始における障壁の中から、可用性とレイテンシに着目し、シンプレクスのソリューション「Simplex Stablecoin」、「Simplex Fourth」と、Ava Labsのブロックチェーンインフラサービス「AvaCloud」および「AvalancheL1」を組み合わせて、インフラ、アプリケーションの両面でそれらを改善すべく検証しました。
検証の結果、地理的分散を含む冗長構成で高可用性を持ちつつ、高スループットかつファイナリティまで1秒未満という低レイテンシで処理を行えることが確認できました。このことから決済や送金といった安定性と高性能の両立が求められるユースケースにおいても両社のソリューションの活用が効果的であり、「Simplex Stablecoin」の機能拡張にも大きな後押しとなると考えています。今後も両社はステーブルコインの社会実装に向けて具体的なユースケースを想定した実証を推進するとともに、多くの事業者の新規参入を推進するべく邁進してまいります。
実証実験概要
- 検証内容
- ステーブルコインの送金処理において高可用性と高性能を両立して実現すること。
- ブロックチェーン上の処理完了を契機とした業務アプリケーション稼働の実用性。
- 活用ソリューション
- Simplex Stablecoin:ステーブルコイン発行・償還システム。本検証においてはブロックチェーン上の送金処理の起点となる業務アプリケーションとして利用。
- Simplex Fourth:web3統合プラットフォームソリューション。本検証においては、秘密鍵の管理、送金トランザクションの署名を担う。
- AvaCloud:高性能なL1ネットワークを容易に構築、デプロイ、拡張できるようにする、マネージドブロックチェーンサービス。本検証では検証用の独自AvalancheL1を構築、webhook等の周辺機能を利用。
- AvalancheL1:Avalancheのコンセンサスアルゴリズムを用いたプライベートチェーン。
- 検証結果
- 本技術検証を通じて、以下の性能指標および構成安定性に関する成果を実証。
- スループット:秒間1,000件以上を一定時間継続。
- レイテンシ:トークン送金トランザクションに対するファイナリティ(確定性)までの平均時間は1秒未満。
- 構成の可用性:マルチリージョンによる冗長構成を採用した状態においても、スループットおよびレイテンシに著しい性能劣化は見られず、高負荷環境下でも処理性能の安定性を維持。
- これにより、ステーブルコインを活用した即時決済ネットワークにおいて、高スループットかつ低レイテンシを両立した構成の実現可能性を確認。
共同リリースのため、重複して配信される場合がございますが、あらかじめご了承ください。
■Ava Labs, Inc.について
https://www.avalabs.org/
Ava Labsは、Avalancheのイノベーションに基づき、web3向けの高性能なソリューションの導入を支援しています。同社はコーネル大学のコンピュータ科学者によって設立され、ウォール街の専門家やweb3の初期リーダーたちと提携し、オープンなパーミッションレス・ネットワークの構築と利用方法を再定義するという有望なビジョンを掲げています。Ava Labsは、人々がweb3で価値を創造する方法を再定義しています。
■シンプレクス株式会社について
https://www.simplex.inc/
シンプレクスは1997年の創業以来、メガバンクや大手総合証券を筆頭に、日本を代表する金融機関のテクノロジーパートナーとしてビジネスを展開してきました。現在では、金融領域で培った豊富なノウハウを活用し、金融以外の領域でもソリューションを展開しています。2019年3月にはAI企業のDeep Percept株式会社、2021年4月には総合コンサルティングファームのXspear Consulting株式会社がグループに加わり、創業時より付加価値の創造に取り組んできたシンプレクスとワンチームとなって、公的機関や金融機関、各業界をリードする企業のDXの推進を支援しています。web3領域では、暗号資産黎明期から取引所システムやウォレットなどを金融機関に提供。また、金融サービス開発で培った知見や技術を生かし、エンタメや製造など多様な領域へもweb3ソリューションを展開しています。2024年5月にシンプレクスのブロックチェーン技術や知見を集結させたweb3統合プラットフォームソリューション「Simplex Fourth」を発表し、2025年6月には、ステーブルコインの発行・償還システム「Simplex Stablecoin」を発表しました。