BASF、QDYESTM™のアップグレードを発表:
広色域ディスプレイ向けの、より環境に優しい高効率ソリューション
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、LCDバックライト用途向けに設計された最先端の量子ドットレベル(QDレベル)ソリューションである、QDYES™の性能を大幅にアップグレードしたことを発表しました。2025年に導入された本アップグレードは、広色域ディスプレイの製造を目指すメーカーに、より環境負荷の少ない高効率なソリューションを提供します。
BASF、LCDバックライト用途向けに設計された最先端の量子ドットレベル(QDレベル)ソリューション「QDYES™」をアップグレード。
写真:BASF
2021年に上市したQDYES™は、革新的な有機光変換技術によりバリア層を不要にするとともに、カドミウムや鉛などの重金属を含む従来のQDレベル材料に起因する環境問題に対処します。今回のアップグレードでは、設計の柔軟性を高め、超ナローベゼルの実現に加え、ハイエンドディスプレイ製品における持続可能なテクノロジーに対する需要の拡大にも応えます。
世界のフラットパネルディスプレイ市場は、家電製品、デジタルサイネージ、超高解像度ディスプレイへの需要増加を背景に、急速な成長を遂げています。メーカーが広色域ディスプレイへの移行を進める中、環境に優しい光変換ソリューションの必要性が非常に高まっています。QDYES™は効率的な代替手段を提供し、適切なカラーフィルターと組み合わせることで、DCI-P3色域で100%、Rec2020色域で80%を実現します。
QDYES™の際立った特長は、高効率と狭い発光スペクトルであり、これにより高い輝度と大幅な省エネを可能にします。光効率を10%以上向上させたアップグレードにより、QDYES™は優れた色安定性と高速な光学応答性を兼ね備え、ゲームや動画再生といった用途にも最適です。
BASFの独自技術であるSunvue®色変換技術は、広色域を維持しながら、長波長の青色LED光を高品質な白色光へと変換することで、QDYES™の性能を向上させます。この革新的なアプローチは、QDYES™がRoHS指令に完全に準拠し、有害物質を含まないことからも、BASFのサステナビリティへのコミットメントを示しています。
革新的な光変換ソリューション、BASFのQDYES™が未来のディスプレイ技術を牽引。
写真:BASF
BASFの電子材料部門のシニアバイスプレジデント、イェンス・リーバーマンは次のように述べています。
「QDYES™のアップグレードにより、私たちは有機材料がQDレベルのディスプレイ性能を実現できることを実証し、ディスプレイ市場における新たな基準を確立しました。このソリューションは、持続可能なイノベーションという当社の戦略を体現するものであり、製造メーカーの皆様に高性能で環境に優しい代替案を提供します。」
QDYES™は、色変換フィルム、拡散板、共押出シートなど、さまざまな部品に使用できます。製造工程を簡素化し、サプライチェーンの複雑さの軽減により、BASFは最先端の持続可能な設計を追求する製造メーカーにおいて、最適なパートナーとしての地位を確立しています。
※この資料はBASFが2025年9月4日に台湾で発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
■BASFのディスパージョン&レジン事業本部について
BASFのディスパージョン&レジン事業本部は、高品質の幅広いポリマーディスパージョン、樹脂、添加剤および電子材料の開発、生産、販売を世界各地で行っています。これらの材料は、コーティング、建設、接着剤、印刷・包装、電子および紙を含む複数の産業のフォーミュレーションに使用されます。ディスパージョン&レジン事業本部は、包括的な製品ポートフォリオと業界に関する広範な知識を生かして、革新的かつ持続可能なソリューションをお客様に提供し、フォーミュレーションの促進に貢献しています。ディスパージョン&レジン事業本部の詳しい情報は https://www.dispersions-resins.basf.com/ をご覧ください。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。私たちは、持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、お客様のグリーントランスフォーメーションを可能にする、選ばれる化学会社になるという意欲的な目標を掲げています。全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、コア事業の事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、ニュートリション&ケア)、スタンドアローン事業の事業セグメント(サーフェステクノロジー、アグロソリューション)から成ります。2024年のBASFの売上高は653億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は https://www.basf.com/global/en.html をご覧ください。