~ ビデオリサーチ「EXPO 2025大阪・関西万博」の見込み来場率や満足度に関する調査~
株式会社ビデオリサーチ(以下:当社)は、2025年7月に関東(東京50km圏)・関西の2地区を対象に、2025年4月13日から10月13日まで開催された「EXPO 2025大阪・関西万博」の見込み来場率や満足度、さらに来場者の特徴に関する調査を実施しました。今回は、調査結果の一部を紹介いたします。
本レターでは、50年にわたり日本の生活者の意識動向を調査している当社の『ACR/ex(エーシーアール エクス)』データをもとに、生活者が大阪・関西万博をどのように楽しんだのか明らかにしています。
<調査サマリー >
■関西では来場率5割超、そのうち4割が2回以上来場のリピーター。来場者の8割前後が満足!
■来場1日あたり1人分の平均支出額は関東の方が約12,000円と関西より多く、遠出ならではの“旅先での特別体験”としての消費傾向がうかがえる
■訪問率の高かったパビリオンは「コモンズA~D館」、満足度は「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」が約9割で1位!「住友館」や「null²」は“行きたくても行けなかった”パビリオン上位に
■万博見込み来場者は、旅行好きでフットワークが軽く、学びや最新サービスの利用に積極的
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ビデオリサーチ 「ACR/ex」2025年7月東京50㎞圏・関西地区データより
本調査データを含む分析記事は、以下からご覧いただけます。分析記事では、本レターで取り上げているデータの全ての図表を掲載しています。
VR Digest+(ビデオリサーチ ダイジェストプラス)
大阪・関西万博をデータで深掘り!来場率や満足度、人気のパビリオンを徹底分析
(2025年10月14日公開)
https://www.videor.co.jp/digestplus/article/consumer251014.html
【調査結果】
■関西では来場率5割超、そのうち4割が2回以上来場しリピーター。来場者の8割前後が満足!
2025年7月調査時点で大阪・関西万博への「来場経験あり」もしくは「来場予定あり」と回答した割合を合わせて、見込み来場率を算出しました(図1)。地区別で個人全体の来場率をみると、関西は全体の半数以上の55.7%が来場、一方で関東は14.0%と、訪れる人は少数派であることがわかります。
また、関東では見込み来場者の約8割が1回のみの来場で、平均1.4回来場していました。一方、関西は4割が2回以上来場と回答しており、そのうち4回以上来場すると回答した人は14.8%と高く、関西は来場率・リピート回数ともに関東より多いことがわかりました。なお、関東では71.9%、関西では84.4%が「満足できた(やや満足できたを含む)」と感じており、多くの方が満足したことが確認できました。
【図1】年代別 大阪・関西万博への見込み来場率
■来場1日あたり1人分の平均支出額は関東の方が約12,000円と関西より多く、遠出ならではの“旅先での特別体験”としての消費傾向がうかがえる
万博来場者の1日あたり1人分の支出額をみると(図2)、平均支出額は関東が12,603円、関西が7,488円という結果に。関西在住の来場者はリピーターが多く、1回あたりの支出額でみると比較的抑えられていたと予想できます。一方で、関東在住の来場者は来場回数が1回のみという割合が高く、遠方からの訪問という特別感もあり、旅先の思い出になるような体験やお土産、記念グッズへの支出額が高いと考えられます。また、万博公式キャラクター「ミャクミャク」グッズの購入経験(自分のために/家族や友人・知人のために)を東西で比較すると、関東在住の来場者の方が購入経験率が高く、支出額の高さには「ミャクミャク」グッズの購入も影響しているかもしれません。
関西では高い来場率とリピート回数により地元密着型のイベントとして定着した一方、関東在住の来場者では “旅先での特別体験”としての消費傾向が強くみられ、万博の楽しみ方に違いがあることが分析できます。
【図2】大阪・関西万博における来場1回あたりの支出額
■訪問率の高かったパビリオンは「コモンズA~D館」、満足度は「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」が約9割で1位!「住友館」や「null²」は“行きたくても行けなかった”パビリオン上位に
万博来場者が実際に訪れたパビリオンをランキングにしたところ(図3)、1~4位には「コモンズA~D館」がランクイン。各館内には、さまざまな国のブースが並んでおり、一度の入場でお得感があることや予約なしでスムーズに入場できる快適さが人気を集めたようです。5~9位には、予約不要で立ち寄ることができ、没入感のある体験が魅力のパビリオンが並びました。10位の「日本館」は、開催国のパビリオンで、ドラえもんなども登場し、幅広い層に親しみやすい内容も人気の理由の一つです。予約制ながら自由入場が可能な時間帯もあり、比較的訪問しやすいパビリオンだったといえます。
【図3】訪問率が高いパビリオンTOP10(2地区計・万博来場経験者)
一方、人気の高いパビリオンの中には、事前予約の抽選倍率の高さや長時間の待機列などの理由から「行きたくても行けなかった」というケースが見受けられました。図4ではパビリオンごとに万博来場者の関心度割合を、実際の訪問率で割り、「ギャップスコア」を算出しました。ギャップスコアが高いほど、関心が高かったものの実際に訪問した人が少なかったパビリオン、つまり人気のあまり行くことが難しかったパビリオンと言い換えることができます。没入感のある体験で話題になった「住友館」や「null²(ヌルヌル)」は、予約制であるうえ入場枠が限られるなど抽選倍率が高く、“行きたくても行けなかった”パビリオン上位にランクインしました。
【図4】訪問難易度が高いパビリオンTOP3(2地区計・万博来場経験者)
また、万博来場者が実際に訪れたパビリオンのうち「満足した」と回答したスコアを満足率としてランキングしたところ(図5)、1位は「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」(88.6%)でした。まるでガンダムの世界に入り込んだかのような臨場感で話題になり、満足したと回答した人の性年代構成をみると、男女40~50代の割合が高く、いわゆる”ファーストガンダム世代”には特に魅力的なパビリオンであったと考えられます。
【図5】満足度が高いパビリオンTOP3(2地区計・万博来場経験者)
■万博見込み来場者は、旅行好きでフットワークが軽く、学びや最新サービスの利用に積極的
ビデオリサーチの生活者総合調査データ「ACR/ex」の調査項目のうち、大阪・関西万博見込み来場者に特徴的にみられた項目をご紹介します(図6)。くらしに関する意識では「旅行やイベントの企画が好き」と回答した割合が5割程度、今後(も)行いたいレジャーとして「海外旅行」と回答した割合が4割程度と、個人全体より高い結果となりました。ここから大阪・関西万博見込み来場者はフットワークが軽く、気になるスポットに積極的に訪れるアクティブな価値観が読み取れます。また、仕事・教育への意識では、「スキルアップのために勉強したい」「教育にはお金を惜しまない」の回答割合がそれぞれ6割と5割、また生成AIのチャットサービス「ChatGPT」の1ヶ月内利用率は4割と、いずれも個人全体より高く、勉強・教育への関心が高く、最新サービスを積極的に利用する好奇心旺盛な特徴がみられました。
【図6】大阪・関西万博に来場する人の特徴は?(2地区計・見込み来場者)
■総括
今回の調査結果から、関西からの来場者と関東からの来場者では、大阪・関西万博の楽しみ方に違いがあることがみえてきました。関西では高い来場率とリピート率がある一方、関東は1回のみ来場する人がほとんどで、遠出ならではの“旅先での特別体験”としての消費傾向がうかがえました。
さらに、来場者を深堀りすると、万博に来場する人は、フットワークが軽く、学びや新しい体験に積極的な特徴を持つ傾向があることも明らかになりました。
調査概要
サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex」
調査期間: 2025年7月調査
対象地区: 関東(東京50km圏)・関西(2府3県の主要地域)
※2府3県…大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県
調査対象: 対象地区に在住の男女12~69歳
サンプル数:
|
関東 |
関西 |
2地区計 |
個人全体(男女12~69歳) |
4,843s |
1,422s |
6,265s |
見込み来場者(経験あり+予定あり) |
679s |
792s |
1471s |
∟来場経験あり |
263s |
437s |
700s |
∟来場予定あり |
416s |
355s |
771s |
■ACR/ex(エーシーアール エクス)https://www.videor.co.jp/service/media-data/acrex.html
当社が保有する、生活者を「意識」と「利用・購入者」の両側面で捉える日本最大級のマーケティングデータです。同一サンプルに対し、生活者属性、商品関与、メディア接触など網羅的に調査しているため、生活者の実態を多角的にそして客観的に捉えることが可能なシングルソースデータとなっています。仮説立案(0次プランニング)、ブランド調査、メディアプランニングなどさまざまな用途にご利用いただけます。
株式会社ビデオリサーチ(
https://www.videor.co.jp/ )
株式会社ビデオリサーチは、テレビを含む動画ビジネスを支えるデータ&システム会社です。1962年にテレビ視聴率データを提供する調査機関として設立され、日本国内におけるテレビ視聴率調査や各種メディアデータ、マーケティングデータを提供しています。公正なデータと信頼性の高い指標を基盤に、企業のマーケティング課題解決をトータルサポートし、知恵と情熱でデータ&システムを駆使するソリューションカンパニーとして、企業の意思決定を支援しています。
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