1. 食品部門の第1位は「食品福袋など」で前年比54.9%増。
物価高の影響か、「誰かへの贈り物」よりも「お得感のある自分へのご褒美」需要が高まる
食品部門の
第1位は「食品福袋など」(※1)で、購入金額は前年比54.9%増でした。このカテゴリの伸長は、カルディの「カルディ食品福袋」や「猫の日バッグ」、ローソン「創業祭詰めすぎチャレンジ福袋」など、お得感と限定性を備えた企画商品がけん引しました。【図表1】
一方で、人への贈答品を多く含む「食品贈答品」は第209位で前年比11.8%減、「酒類を含むセット商品」はランキング第212位で同12.1%減でした。物価高や実質賃金低下の影響か、
「誰かへの贈り物」よりも「お得感のある自分へのご褒美」への需要が高まっている傾向があります。【図表2】
(※1)JICFS分類は「その他食品」
【図表2】食品部門、需要は「誰かへの贈り物」から「お得感のある自分へのご褒美」へ
2. 2位は「米」、コメ不足で高値が続く。3位は「米粉」、グルテンフリー訴求の商品が上位に
食品部門の
2位は「米」で、購入金額は前年比48.2%増でした。また、購入単価も同63.6%増となっており、継続する価格高騰による影響であることがわかります。【図表1】
なお、2025年秋の新米が発売される前には価格が低下するといった見方もありましたが、購入金額には変化が無かったことがわかります。【図表3】
3位は「米粉」で、購入金額は前年比23.8%増でした。背景には、健康志向やアレルギー対策を目的とした「グルテンフリー」へのニーズの拡大があるとみられます。波里の「お米の粉 お料理自慢の薄力粉」、ニップン「米粉」など、家庭での料理で汎用的に使える商品がカテゴリの成長を支えました。【図表1】
4位は「ブランデー」で、購入金額は前年比23.0%増、サントリー「V.O」シリーズがこのカテゴリの上位を占めています。ブランデーの中でも手頃な価格帯の商品であることから、物価高や実質賃金の低下といった経済環境の中でも、「手に取りやすいお酒」として選ばれています。また、料理やお菓子作りで使用するといった多用途性も購買拡大の背景にあるとみられます。【図表1】
3. フレーバー飲料の人気が上昇。6位「フレーバー系飲料など」は、「伊右衛門 京都レモネード」がけん引。「クラフトボス 世界のTEA フルーツティーエード」は40~50代、特に男性から支持
2025年に新発売やリニューアル再販が相次いだ、
フレーバー飲料への人気が上昇しています。
6位は「フレーバー系飲料など」(※2)で、今年10月にリニューアル再販されたサントリー「伊右衛門 京都レモネード」が大きくけん引しました。今夏は主要飲料メーカーから「グリーンティーレモネード」タイプのペットボトル飲料が相次いで発売され、新たなカテゴリとして市場に定着しつつあります。【図表1】
8位の「ブレンド茶・健康茶・フレーバー茶飲料など」(※3)は、ロングセラー商品である日本コカ・コーラ「爽健美茶」やアサヒ飲料「アサヒ 十六茶」などのほか、今年3月に新発売されたサントリー「クラフトボス 世界のTEA フルーツティーエード」も上位にランクインしました。【図表1】 また、同カテゴリは無糖茶の商品を多く含み、カテゴリ全体では女性の購入比率が高くなっています。そのカテゴリに含まれる「クラフトボス 世界のTEA フルーツティーエード」は、40~50代からの支持が高く、特に男性40~50代の購入率が高いことが特徴的です。【図表4】
(※2)JICFS分類名は「その他果実飲料」、果汁フレーバー入り飲料で他の果汁10%以下の飲料および希釈用果実飲料などに属さない商品群
(※3)JICFS分類名は「その他茶ドリンク」、ハーブティーやブレンド茶・フレーバー付きの茶系飲料などの商品群
【図表4】 「ブレンド茶・健康茶・フレーバー茶飲料など」カテゴリ全体と、
「クラフトボス 世界のTEA フルーツティーエード」における
購入者の性年代構成比(全モニタの構成比と比較)
4. コーヒーの価格上昇が顕著。購入単価の前年比は、「インスタントコーヒー」が11.4%増、
「レギュラーコーヒー」が19.3%増
コーヒー関連カテゴリの購入単価がいずれも上昇し、ランキング順位の上昇に影響しました。「インスタントコーヒー」は前年比11.4%増、「レギュラーコーヒー」は同19.3%増、「コーヒードリンク」は同6.8%増となっています。気候変動によるコーヒー豆の生産量の減少に伴うものだと考えられます。【図表5】
【図表5】 コーヒー豆の価格高騰により、コーヒー関連のカテゴリの順位が上昇
【日用品部門】
【図表6】みんなが買ったものランキング2025【日用品部門】
5. 日用品部門の第1位は「しもやけ・あかぎれ用薬」で前年比21.2%増、
第3位は「使い捨てカイロ」で同15.8%増。年始の寒波と乾燥が影響
日用品部門の
第1位は「しもやけ・あかぎれ用薬」で購入金額は前年比21.2%増、
3位は「使い捨てカイロ」で同15.8%増でした。いずれも、
年始の寒波と太平洋側を中心とした少雨による乾燥(※4)などにより需要が高まったと考えられます。【図表6】
(※4)日本気象協会「Weather X」 「2024年~2025年冬の振り返りと商品売上、物流への影響」より
https://weather-jwa.jp/news/topics/post5288
6. 観測史上、最も暑かった2025年の夏。
「ニオイ対策・ケア」、「滋養強壮・健康維持系ドリンク」などが好調
今年は観測史上最も暑い夏(※5)だったことが影響してか、ニオイ対策・ケア系の商品が複数ランクインしました。
2位は
「その他芳香・消臭剤」、5位は足すっきりシートなどの
「フットケア用品・用具」、6位はブレスケアなどの
「口中清涼剤」、7位は
「男性用制汗防臭剤」などです。【図表6】
また、8位に
滋養強壮、栄養補給を目的とした「ドリンク剤」、10位に
健康維持、滋養強壮、虚弱体質改善を目的とした「ミニドリンク剤(指定医薬部外品)」がランクインしました。こちらも、異例の暑さによる健康不調・不安により、滋養強壮・健康維持商品が好調だった可能性があります。【図表6】
「ドリンク剤」と「ミニドリンク剤(指定医薬部外品)」のカテゴリの購入者について、性年代比率を見ていきます。「ドリンク剤」は男女ともに40代以上の割合が高く、「ドリンク剤」に比べて
「ミニドリンク剤(指定医薬部外品)」は男女ともに20~30代の購入が活発でした。【図表7】 「ミニドリンク剤(指定医薬部外品)」は、平均単価が前年から5.1%減少し【図表6】、1人あたりの購入金額は上昇していることから(※6)、低価格の商品を数多く(頻度高く)購入している様子がうかがえます。
(※5)令和7年夏(6~8月)気象庁「令和7年夏の記録的な高温と7月の少雨の特徴およびその要因等について」より
https://www.jma.go.jp/jma/press/2509/05b/kentoukai20250905.html
(※6)消費者購買履歴データ QPR™「購入者あたり金額」の前年比
【図表7】「ドリンク剤」と「ミニドリンク剤(指定医薬部外品)」のカテゴリ全体における
購入者の性年代構成比(全モニタの構成比との比較)
■分析の仕様と、ランキングの作成方法
データソース :消費者購買履歴データ QPR™
分析対象者 :全国(沖縄県を除く)15~79歳の男女
対象カテゴリ :JICFS食品・日用品
集計期間 :2025年1月1日から10月16日(前年比:2024年1月1日~10月16日)
ランキング作成方法:「100人あたり購入金額」において、集計期間内におけるカテゴリ全体の
購入者数が、食品は200人以上、日用品は200人以上の項目に絞り込み、
その他を含むカテゴリを除外したランキングを作成。
また、前年伸長率を正しく判定できるよう一部データ誤差削除。
■消費者購買履歴データQPR™とは
全国3.5万人のQPR™モニタから毎日の買い物履歴を収集し、POS(販売時点情報管理)データでは分からない購入理由・シーン、購入者の属性・価値観などをアンケートによって追跡できる消費者パネルデータです。食品、飲料、化粧品、生活用品など、実際の購買履歴データにもとづく購入者像の把握、購買トレンドの分析が可能です。
https://www.macromill.com/service/digital-data/consumer-purchase-history-data/
以上
■株式会社マクロミルについて
マクロミルは「Build your Data Culture」をビジョンに掲げ、創業以来培ってきたデータネイティブな発想を活かし、お客様のビジネスに成功をもたらすData Culture構築の原動力となることを目指しています。世界90以上の国と地域で1.3億人、日本国内では3,600万人に及ぶ業界トップクラスの規模と品質を誇るパネルネットワークを強みに、リサーチをはじめとする多様なデータから生活者の深いインサイトを導き出し、マーケティング課題に対する最適なソリューションを提供します。
【株式会社マクロミル 会社概要】
代表者 :代表取締役社長 CEO 佐々木徹
本社 :東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー 11F
設立 :2000年1月31日
事業内容 :マーケティングリサーチおよびデジタル・マーケティング・ソリューションの提供
URL :
https://www.macromill.com
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