日本女子大学附属豊明小学校が夏服快適構想を発表―被服学科の学生と教員の知見が導くサマーウールワンピースで涼を纏う―



 学校法人日本女子大学(東京都文京区、理事長:今市涼子)は、「サマーウール」を使用した夏用のワンピース(盛夏服)を、小学校の創立120周年を迎える2026年度から日本女子大学附属豊明小学校の制服のラインナップに追加します。同校が新しい制服を構想し導入するのは創立以降初めてのことです。厳しい暑さの中でも、子どもたちが涼しく快適に安心して過ごせるように作られ、夏が来るのが待ち遠しくなる一着です。
 盛夏服の企画・制作にあたっては、日本女子大学家政学部被服学科の教員と同学科の学生有志が素材選定から携わりました。盛夏服では綿・ポリエステル混紡の採用が一般的ですが、今回の構想では「サマーウール」に着目しました。実験データに基づき盛夏服としての素材価値を再評価し、小学生の快適な学校生活をデザインしました。大学の専門的な知見によって、厳しい夏の暑さの中でも、涼しく快適でありながら、扱いやすさや独自の色柄にこだわった盛夏服が誕生しました。





■新制服導入のきっかけ
 近年、猛暑は異常気象の域に達し、熱中症などのリスクへの高まりから、涼しく快適に過ごせる盛夏服導入の声が小学校の保護者や児童から寄せられていました。そこで、日本女子大学家政学部被服学科の松梨久仁子教授と勝又淳司講師、同学科の有志学生がプロジェクトに参画し、調査データに基づく素材選定やデザイン提案、従来の上着と吊りスカートを重ね着する制服との通気性の比較実験など、学科の知見に基づく新しい盛夏服の開発に至りました。

■持続可能性の高い「サマーウール」の利点
 "天然のエアコン"とも称されるウールは、持続可能性が高く通気性と吸放湿性に優れた素材です。今回の構想では、盛夏服としての「サマーウール」の素材価値を実験データに基づき再評価しました。「サマーウール」の導入にあたっては、小学校の保護者や卒業生へのアンケートも行い、速乾性や防しわ性といったイージーケアへの要望の高さや使用感について抽出された課題に対し、大学で実施した実験データと1つひとつ照らし合わせて解決し、意見を反映していきました。

■素材選定やデザイン提案には大学生が参画
 素材選定やデザイン提案には、豊明小学校の卒業生で実際に制服を着た経験を持つ学生も含む、被服学科の有志学生が参画しました。デザインは、衿や袖など表面的な形状の検討にとどまらず、衣服内の蒸れや温度、動きやすさなどにも影響するという学科での学びを活かしました。講義で学んだ市場調査のノウハウを活かし、近隣の小学校の制服調査も実施し、ポケットの位置・透け感、学年ごとの身体発達に配慮したデザインのあり方など、実体験に基づく具体的な提案を行いました。
 また、環境への負荷が少なく、汗をかきやすい夏場でも自宅で洗えて乾きやすいことにこだわりサマーウールの生地感を選定。さらに、テキスタイルデザインには、学生からの提案により女性の自立を表現する意図で赤色を取り入れました。赤色が加わることで、既存の鞄に使われている赤いラインとも自然に調和するデザインとなりました。地球環境にも配慮し、涼しく快適に過ごせる盛夏服を通し、小学生の快適な学校生活をデザインしました。

■日本女子大学附属豊明小学校 宮城和彦校長のコメント
 近年の厳しい暑さの中で、保護者の皆さまからいただいた「涼しく快適な夏服を」という声が、この新しい盛夏服の出発点でした。被服学科の先生方や学生の皆さん、制服専門店のヨシザワ様の力をお借りし、子どもたちの笑顔を思い描きながら形にしていただきました。多くの方々のご協力に心から感謝申し上げます。夏が待ち遠しくなる一着として、大切に育てていきたいと思います。

■日本女子大学被服学科 松梨久仁子教授(衣材料学研究室)のコメント
 夏の猛暑の中で、豊明小学校の児童の皆さんが少しでも快適に過ごせるよう、被服学科の学生を中心に盛夏服の企画・検討を積み重ねてまいりました。素材選びと他校の制服にはない一味違ったテキスタイルデザインにこだわり、生地はサマーウールを採用しました。ウールは直接肌に触れるとチクチクするというイメージを持たれる方が多いと思いますが、そのイメージを払拭させるしなやかで柔らかい風合いの生地です。きっと児童の皆さんにも喜んでもらえると思います。

■企画・制作に関わった学生たちのコメント
 小学生の皆さんが暑い季節でも快適に過ごせるよう、大学での学びを生かしながら取り組みました。多様な意見や視点に触れる中で、服づくりの奥深さを実感することができました。この盛夏服が学校生活に彩りを添える存在になればうれしいです。(被服学科 4年 打越花奈さん)

 現代日本の夏はとても暑く、時に危険を感じるほどです。そんな環境の中でも、子どもたちが安心して登下校できるように、涼しさや動きやすさなどを意識しました。毎日の登下校が少しでも快適に過ごせる盛夏服になればうれしいです。(被服学科 4年 岡村麻央さん)

 私が小学生の頃「制服を着るということは豊明小学校の看板を背負う」と習いました。その看板にもなる制服のプロジェクトに卒業生として参加でき本当に光栄でした。伝統あるセーラー服に加え、この新しい盛夏服と共に成長してほしいと思います。(被服学科 4年 一ツ子真奈さん)

■ 2028年度に「被服学科」を前身とする「ファッションデザイン学部(仮称)」の開設を構想
 「ファッション」は、衣服、服飾、衣生活やそれらの社会文化的な現象です。また、「デザイン」は、モノ、コト、システムなどを計画、設計、創造することで、社会の課題解決を目指す活動・プロセスです。資源・環境・文化・社会活動とも深く関わっている「ファッション」を「デザイン」することにより、持続可能性をはじめ、社会の多様な課題解決を図ることが期待できます。
 本学部では、ファッションに関する知識・技能と問題解決力を養うとともに、人文社会科学および自然科学の視点から幅広く学ぶことで、知の体系からファッションの未来をリードしていくことを目指します。そして、国際的な視野を持ち、ファッションデザインを通して、持続可能な社会の実現に貢献できる人材の育成を推進してまいります。

【参照リンク】
日本女子大学附属豊明小学校
https://www.jwu.ac.jp/elm

日本女子大学家政学部被服学科
https://www.jwu.ac.jp/unv/academics/human_sciences_and_design/clothing

ファッションデザイン学部について
https://www.jwu.ac.jp/unv/news/2025/eu1rc1000004sqql-att/PRESS_RELEASE_20251117_2.pdf


【日本女子大学について】
日本女子大学は、日本初の組織的な女子高等教育機関として創立し、2021年に120周年を迎えました。私立女子大学唯一の理学部を有し、文理融合の教育環境をもつ女子総合大学です。幼稚園から大学院までの一貫教育、さらに卒業生以外にも門戸を開くリカレント教育など、誰もが生涯を通じて学び、成長し続ける社会を創るための機会を提供しています。多様で非連続に変化する社会において、新しい明日を共に創る人材を育てています。詳しくは、 https://corp.jwu.ac.jp/ をご覧ください。

▼本件に関する問い合わせ先
学校法人 日本女子大学 法人企画部 広報課
住所:〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1
TEL:03-5981-3163
メール:n-pr@atlas.jwu.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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組織名
日本女子大学
ホームページ
https://unv.jwu.ac.jp/unv/
代表者
篠原 聡子
資本金
0 万円
上場
非上場
所在地
〒112-8681 東京都文京区目白台2丁目8-1
連絡先
03-3943-3131

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