・エンゲージメント活動支援プラットフォーム「SmartESG Clarity」を基盤とした金融機関向けサービスの提供を共同で開始
・「分析→対話→議事録→ナレッジ化」まで、エンゲージメント活動プロセスを一気通貫で標準化
・統合報告書・有価証券報告書・Web等の開示情報を自動収集・構造化し、企業分析・対話準備・対話情報の蓄積を効率化
・AIによる推奨質問リスト生成やナレッジ資産化で、エンゲージメント活動の質とスケールを両立
デロイト トーマツ グループの合同会社デロイト トーマツ(東京都千代田区、代表執行役 木村 研一、以下「デロイト トーマツ」)と、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社(東京都品川区、代表取締役CEO 杉本 淳、以下「シェルパ」)は、金融機関が投融資先企業とのESG課題をはじめとするエンゲージメント活動
*1をより効率化・高度化できるよう、生成AIを活用した新サービスの提供に向けて協業契約を締結しました。これにより、2026年2月18日よりシェルパが提供する新サービス「SmartESG Clarity」を基盤とした金融機関向けサービスの提供を共同で開始します。
*1 投融資先企業に対して、ESG課題への対応など企業価値の向上や持続的成長に向けた対応を、対話や働きかけを通じて促す活動
本サービスは、シェルパが提供するAI技術を活用したエンゲージメント活動支援プラットフォーム「SmartESG Clarity」を基盤に、両者が共同で金融機関向けに展開するものです。これにより、投融資先企業の統合報告書や有価証券報告書等の開示情報の自動収集・分析から、対話準備・議事録作成・ナレッジ化まで、金融機関によるエンゲージメント活動のプロセス全体の効率化・高度化を支援します。金融機関の責任ある行動に関する信頼性向上に貢献するとともに、投融資先企業のESG課題への取り組みを促進します。
取り組みの背景
サステナビリティ経営や責任投資への社会的要請を背景に、金融機関には、投融資先企業情報を財務・非財務の両面から一貫して評価するだけでなく、サステナビリティ経営を働きかけるエンゲージメント活動を実施し、ステークホルダーへの報告を行うことが求められています。しかし、ESG投融資の意思決定の機会やモニタリング業務が拡大する中で、エンゲージメント活動の質とスケールの両立に関して、次のような課題が生じています。
- 金融機関における投融資先企業のESG評価では、責任投資原則(PRI)などに基づき、社内のチェックリストを用いて情報を収集・判定している。情報が有価証券報告書や統合報告書、サステナビリティレポートなどに分散し、かつ非構造化データの形で掲載されているため、重要なインサイトの抽出や対話に向けた質問設計が担当者の経験やスキルに依存し、属人化しやすい。
- 評価基準に基づく判断の多くは主観的であり、運用のコントロールが難しいことから、根拠や結果にばらつきが生じやすく、グリーンウォッシュ*2と受け取られるリスクも指摘されている。
*2 グリーンウォッシュ:金融商品や企業が、社会的にプラスの影響を与えるかのように、虚偽や誤認を招く表現を行うこと
- ESG情報の開示義務拡大や投資市場規模拡大により、対象企業数や情報が増加しており、1社あたりの準備や振り返りに割ける時間が減少し、業務全体の負荷が増大している。
- 調査資料や投資対象との議事録、根拠情報などが社内で分散管理されている場合、過去の知見やナレッジの迅速な再利用が困難。これによりエンゲージメント後の報告書作成や問い合わせ対応業務も属人化しやすく、作業負荷が高まる。
サービス概要
本サービスは、AI技術を活用したエンゲージメント活動支援プラットフォーム「SmartESG Clarity」をシェルパが提供し、デロイト トーマツがその導入を支援することで、金融機関の投融資業務におけるESGをはじめとするエンゲージメント活動の課題解決を目指すものです。
具体的なポイントは以下の通りです。
本サービスのポイント
- エンゲージメント活動にかかる業務の標準化:エンゲージメント先企業単位の管理情報セットを自動生成。誰が担当しても同じ基準で業務を進められる体制の構築により属人性を排除
- 現状分析プロセスの自動化による業務効率化:業務プロセス中の複数の関連部署にまたがる、ESG情報の収集から分析、対話準備までの業務を、AIが支援し自動化。作業の重複や手作業を減らし効率化
- AIベースの洞察による質の高いエンゲージメント活動の実現:AIが重点テーマごとに公開情報を抽出し、推奨質問リストや論点を自動生成。これにより、深いインサイトに基づく質の高い対話や意思決定を支援
- 対話情報の一元化と報告業務の簡素化:対話の論点や質問内容、議事録、根拠資料などのエンゲージメント履歴を投融資先企業ごとに一元管理し、次の対話に活用可能な形でナレッジ化
- 既存業務への効果的な導入の支援:既存業務プロセスを踏まえながら、「SmartESG Clarity」のポテンシャルを組織的に十分に引き出すアドバイスを行い、単なるツール利用を超えた付加価値を提供
各社の役割
シェルパはESGとAIに関する専門性を生かし、「SmartESG Clarity」を提供します。デロイト トーマツは、金融業界のサステナビリティ実務に関する豊富な知見を活かし、より効果的なソリューション導入を支援するだけでなく、各社のニーズに合わせたデータ管理基盤や関連規程・マニュアル、体制などの業務プロセス整備を支援します。導入後も両社の協業により、ESGインテグレーションや情報開示、投融資先企業との対話活動の支援など、金融機関のESG経営支援における総合的なアドバイザリーサービスを提供します。
デロイト トーマツ グループについて
デロイト トーマツ グループは合同会社デロイト トーマツ、有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ税理士法人およびDT弁護士法人などを含む日本で最大級のプロフェッショナルグループです。デロイト トーマツ グループではSustainability&Climate領域において、グループ全体のシナジー強化を目指し、様々なプロフェッショナルが連携する事業横断の組織Sustainability&Climate Virtual Business Unit(S&C VBU)を設置しています。気候変動やサステナビリティの幅広い領域でクライアントの課題を解決するために、知見の集約および活用をしています。S&C VBUではプロフェッショナルがそれぞれの強みを融合させることで、より高度化したワンストップのサービスを提供します。
シェルパ・アンド・カンパニーについて
「SmartESG」を主軸としたサービスを通じ、企業のサステナビリティ経営におけるベストプラクティス確立を目指しています。サステナビリティの専門知見とAI等の先端テクノロジーを駆使し、非財務情報のポテンシャルを開放します。「利益とサステナビリティが融合する世界を実現する」というビジョンのもと、企業のサステナビリティ経営推進に伴走します。