API自動生成技術を活用した上流システム設計を担い、より柔軟で安全なモダナイゼーションを支援
デロイト トーマツ グループの合同会社デロイト トーマツ(東京都千代田区、グループCEO:木村 研一、以下「デロイト トーマツ」)は、レガシーシステムとのAPI接続ソリューションを提供するオープンレガシージャパン株式会社(本社:東京都渋谷区、カントリーマネジャー:下山 正彦、以下「オープンレガシージャパン」)とアライアンスを締結しました。本アライアンスによりデロイト トーマツは、金融業界を含む企業の経営課題である安全で柔軟なメインフレームのモダナイゼーション(近代化)の支援を強化し、「段階移行」、新旧システムの「併存運用(ハイブリッドアーキテクチャ)」など新たなアプローチを取り入れた幅広いサービスが可能になります。
本アライアンスにて、デロイト トーマツは上流システム設計を担い、オープンレガシージャパンの母体であるOpenLegacy Technologies Ltd.が保有するレガシー接続API自動生成ソリューション「オープンレガシー」を活用し、各社の事業ドメインに最適な機能単位での導入を推進します。段階移行においては、新システムのサーバーレス・Java環境からレガシーシステムへ接続できるAPIを、「オープンレガシー」を用いて構築し、移行時の安全性とシームレスな連携を確保します。また、レガシーシステムを残しつつ一部機能をオープン化・クラウド化する併存運用のケースにおいても、「オープンレガシー」を活用し、レガシーシステムとオープン系システムの相互のデータ連携を可能にします。さらに、デロイト独自のツール「innoWake®」を活用し、周辺システムを含む包括的なメインフレームモダナイゼーションを実現します。「innoWake®」は、COBOLからJavaへの自動コード変換をはじめとするアプリ、データ、バッチジョブ、オンライン画面を含んだフルスタックでのメインフレーム移行・モダナイゼーションを支援します。
■アライアンス締結の背景
近年、国内ではいわゆる「2035年の崖」が現実味を帯びています。2035年をめどに大手メーカーがメインフレームの製造・販売および保守を終了する方針から、メインフレームを利用する企業では、将来的なサポート継続性、運用コスト、人材確保といった観点から、脱メインフレームを含むシステム刷新の検討が急速に進んでいます。一方で、メインフレームは企業の基幹業務を担う中核システムであり、刷新には広範な影響評価、移行期間中の業務継続、膨大なテストやデータ移行など、極めて高い難易度が伴います。そのため、全面更改だけでなく、現行業務への影響を抑えながら段階的に移行するアプローチや、機能の一部をオープン化して新旧システムを共存させるダウンサイジングといった、現実的かつ安全な移行の選択肢が求められています。
■アライアンスによる新アプローチ
1. 現行業務に影響を与えにくい、安全でスムーズな段階移行(図1)
「オープンレガシー」により、メインフレーム等レガシーシステムとの接続・データ連携のAPIが自動に生成され、短期間で簡易に整備することが可能になります。必要なデータがAPIで別途提供されるため、周辺領域から段階的に移行を進めるアプローチが取りやすくなります。これにより、現システムのモダナイゼーションにおいて、現行業務の運用とデータ連携のインターフェース仕様の変更を最小限に抑えたスムーズな移行ができ、移行リスクの低減と期間短縮に貢献します。
図1:段階移行イメージ
2. ダウンサイジング(部分オープン化)における、新旧システム併存運用(ハイブリッドアーキテクチャ)の実現(図2)
メインフレームを全面更改せず、堅牢性や高いトランザクション処理性能を勘定系などの基幹系システムとして残しつつ、アジリティが求められるフロント機能をオープン化・クラウド化してメインフレームの機能をダウンサイジングするケースがあります。このケースに対してオープンレガシーのAPIサービスによる相互接続を前提とした設計・実装を支援します。これにより、APIによる相互データ連携を通じて、オープン系システムとメインフレームがそれぞれの長所を生かして両現用システムとして稼働できる環境を整えます。その結果、メインフレームの長所である堅牢性・高トランザクション性能と、オープン化・クラウド化の長所であるアジリティの確保を両立し、双方のメリットを享受します。さらに、メインフレームのワークロードをダウンサイジングすることで、運用コスト・インフラコストの削減も達成します。
図2:併存運用イメージ
■デロイト トーマツのシステムコンサルティングの知見活用
本アライアンスでは、デロイト トーマツがクライアントの業界や業務のプロセス、ガバナンスの要件を踏まえ、「オープンレガシー」の活用を前提に、モダナイゼーションの上流工程から移行完了まで以下のように一貫した支援をします。
〇「オープンレガシー」を活用した移行方針の策定・上流設計
・モダナイゼーション構想/ロードマップ策定(段階移行・ハイブリッド運用・全面移行を含む選択肢整理)
・移行・遷移アーキテクチャ設計(品質・テスト、リスク低減、移行手順の設計を含む)
・ビジネス観点で「あるべきAPI」から定義・設計
〇「innoWake®」活用を含んだ新システムへの移行実行
・コード変換・移行の実施と、これと整合したアーキテクチャ/API設計(安全性と確実性を重視した移行の実行支援)
・段階移行の進展を見据えた、API置き換え・運用最適化(将来の構成変更を想定した設計・移行)
・移行完了後の入れ替えも想定したAPI設計
デロイト トーマツは、こうしたモダナイゼーションの課題を持つ日本企業を支援するため、2025年4月に世界で5番目の拠点として、企業のIT企画部門やDX推進部門の役員・マネジメント層が、レガシーシステムのモダナイゼーションの進め方を体感できる「Application Modernization Studio Tokyo」を開設し、デロイトが保有する「innoWake®」を中心としたモダナイゼーションソリューションの提案・検討支援を推進してきました。今回、オープンレガシージャパンとレガシーシステムのモダナイゼーション領域で協業することで、移行の成否を左右するレガシー連携APIの自動生成を活用し、段階的移行・併存運用を含む周辺システムとの安全で確実なデータ連携ソリューションを実現し、より柔軟で安全なモダナイゼーションを包括的に提供します。
■オープンレガシージャパンについて
米国ニュージャージー州に本社をおくソフトウェアスタートアップのOpenLegacyの日本法人。OpenLegacyの持つ特許技術により、企業の基幹システムで稼働するメインフレーム、ミッドレンジ、データベースシステムを、クラウドやマイクロサービス化された稼働環境と容易に接続するためのAPI(アプリケーション プログラミング インターフェース)を迅速に、安全に、かつ高性能に自動生成するソリューションを日本市場向けに提供している。