新日鉄住金グループ 炭化ケイ素(SiC)単結晶ウェハの研究開発・事業開発を終了
- 新日鐵住金株式会社
- 2017年08月07日
- 13:48
新日鐵住金株式会社(以下「新日鉄住金」)は、今般、これまで技術開発本部先端技術研究所で実施してまいりましたパワー半導体素子(*1)用の昇華再結晶法による150mm口径(6インチ)SiC単結晶ウェハ(*2、以下「SiCウェハ」)の研究開発、及び100%子会社である新日鉄住金マテリアルズ株式会社(以下「新日鉄住金マテリアルズ」)で実施してきました100mm口径(4インチ)に関する事業開発を、2018年1月末を目途に終了することと致します。
本技術は、低炭素化社会実現のためのキー技術であり、その実用化は各分野での省エネルギーに大きく貢献し得るものであることから、新日鉄住金グループが保有する関連資産等を昭和電工株式会社(以下「昭和電工」)へ譲渡することと致しました。昭和電工は、SiCウェハ等の周辺技術を保有し、既にSiCエピタキシャルウェハの製造・販売を行っており、新日鉄住金グループからの譲渡資産等を活用して日本のSiCパワー半導体市場の本格形成に寄与していただけるものと認識しております。
SiCウェハは、半導体向けに幅広く使用されているシリコンウェハに比べて、耐熱性・耐電圧性に優れ、電力制御時のエネルギーロスを劇的に低減し、省エネルギー、環境負荷低減に大きく貢献し得ることから、次世代のパワー半導体素子の基板材料として高く期待されています。新日鉄住金は、製鉄事業で培った技術を活用して、2007年には4インチ口径のSiCウェハの開発に成功、これを受け新日鉄住金マテリアルズが実用的な製造技術・品質の確立に向けた事業開発を開始、お客様へSiCウェハを提供して参りました。
しかしながら、SiCウェハを使用したパワー半導体の本格的な市場形成には未だ時間を要することから、事業の選択と集中の一環として、新日鉄住金グループではSiCウェハに関する研究開発・事業開発を終了する事と致しました。
(参考)昭和電工の概要
所在地 : 〒105-8518東京都港区芝大門1-13-9
事業内容: 石油化学、エレクトロニクス用材料、アルミ製品、カーボンなど、多様な技
術と製品を有す化学メーカー
【用語解説】
(*1)パワー半導体素子
半導体素子とはトランジスタや集積回路(IC、LSI)に代表される電気回路素子のこと。
パワー半導体素子は、電力機器向けの半導体素子である。直流-交流変換、周波数変換等の電力の変換や制御用に使用される。
(*2)SiC(Silicon carbide)単結晶ウェハ
SiCは炭素とケイ素が1:1で結合した化合物。ダイヤモンドとシリコンの性質を併せ持ち、硬度、耐熱性、化学的安定性に
優れた素材。SiC単結晶ウェハは炭素とケイ素が原子的レベルで規則正しく並んだもの(単結晶)を円盤状に切り出したもの。半導体用途に使用される。
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以 上