アストラゼネカ ブリリンタ®錠が心筋梗塞発症から1年以上経過した多枝病変患者さんの心血管イベントおよび冠動脈疾患死を有意に減少

ブリリンタ®錠60mgを使用した1年以上の長期治療により主要心血管イベント(MACE)リスクは19%、冠動脈疾患死のリスクは36%低減することが試験により明らかに
ブリリンタ®錠60mgによる心筋梗塞発症後5年の虚血性心疾患リスクの低減および長期心血管保護のベネフィットを示す解析がさらに蓄積

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2018年2月7日、第III相PEGASUS-TIMI 54試験の新たなサブ解析結果を発表しました。心筋梗塞の既往歴があり、さらに多枝病変(以下、MVD)として知られる2本以上の冠動脈狭窄(異常狭窄)がある患者さんにおいて、ブリリンタ®錠 (一般名:チカグレロル、以下、ブリリンタ) 60mgと低用量アスピリンの併用療法により、MACE(心血管死、心筋梗塞あるいは脳梗塞からなる複合リスク)のリスクが19%低減(ハザード比 0.81、95%信頼性区間 0.7–0.95)、および冠動脈疾患死のリスクが36%低減(ハザード比 0.64、95% 信頼性区間 0.45–0.89)しました1

この既定のサブ解析はJournal of the American College of Cardiologyに掲載されています。MVDは、初回の心筋梗塞発症時に2本以上の冠動脈に50%を超える異常狭窄が存在する病態と定義されました1。本試験に参加した患者さん2万1,162例の過半数 (1万2,558例 (59.4%)) がMVDを呈していたことから、本結果は心筋梗塞の既往歴がある患者さんにおける継続治療の意義を示唆し得るものです。イベント発症から12カ月後以降においても再発抑制を目的に抗血小板治療を続けることで、高リスク患者集団にベネフィットをもたらす可能性が本結果によって示されました1

本サブ解析はさらに、心筋梗塞の既往歴があるMVD患者さんでは心血管イベントのリスクが増加していることを示しています。本データは、SWEDEHEARTクオリティ・レジストリのリアルワールドエビデンスによって昨今示された、心筋梗塞リスクの持続性と、ステント留置されていない動脈の閉塞により生じる心筋梗塞の再発リスクを減少する効果的な二次予防治療薬の重要性をさらに裏付けています3

ブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびTIMI試験グループに所属し、PEGASUS-TIMI 54試験の治験医であるDr. Marc P. Bonaca MD, MPHは、「抗血小板薬治療が、高リスク患者さんの冠動脈イベントのリスク減少に効果があることは既に知られています。今回の新たな解析では、ブリリンタによる治療がMVDのあるリスクの高い患者集団において、絶対リスクをより減少させる可能性が示唆されました」と述べています。

アスピリン単剤治療と比較して、ブリリンタとアスピリンの併用療法は重大な出血事象 (TIMIが定義する出血基準) のリスクを増大させていましたが、これはPEGASUS-TIMI 54試験で確認された結果全体と一貫していました。頭蓋内出血あるいは致死的出血リスクの増大はありませんでした1

アストラゼネカのバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門循環器・代謝疾患 (CVMD) 領域の責任者であるElisabeth Björkは、「今回得られた結果は、心筋梗塞の既往歴があり、致死性の高い後続イベントのリスクに晒されている多枝病変患者さんにおいて、ブリリンタの治療を継続することで、さらなる予防効果が得られることを示しています。これらのデータは、PEGASUS-TIMI 54試験の他の解析で得られたエビデンスをさらに進展させるもので、高リスク患者集団における長期的な心血管イベントリスクの減少において、ブリリンタが果たすことのできる重要な役割をより強固にしています2,4」と、述べています。
以上


1. Bansilal S, Bonaca MP, Cornel JH, et al. Use of ticagrelor for secondary prevention of atherothrombotic events in patients with multivessel coronary disease. J Am Coll Cardiol. 2018:71; 489-96
2. Bonaca MP, Storey RF, Theroux P, et al. Efficacy and safety of ticagrelor over time in patients with prior MI in PEGASUS-TIMI 54. J Am Coll Cardiol. 2017:70; 1368-75
3. Varenhorst C, Hasvold P, Johansson S et al. Culprit and nonculprit recurrent ischemic events in patients with myocardial infarction: Data from SWEDEHEART (Swedish Web System for Enhancement and Development of Evidence‐Based Care in Heart Disease Evaluated According to Recommended Therapies). J Am Heart Assoc. 2018:7; e007174
4. Dellborg M, et al. Efficacy and safety with ticagrelor in patients with prior myocardial infarction in the approved European label: insights from PEGASUS-TIMI 54. Abstract P3670. ESC Congress 2017. Last accessed January 2018


*****

ブリリンタ(一般名:チカグレロル)について
ブリリンタはシクロペンチルトリアゾロピリミジン群(CPTPs)に分類される、P2Y12受容体に直接作用するP2Y12受容体阻害剤です。ブリリンタは血小板活性を阻害することで効果を発揮し、急性冠症候群(ACS)患者さんにおいて心筋梗塞あるいは心血管死を含むアテローム血栓性心血管イベントの発生率を減少させることが示されています。
ブリリンタはアセチルサリチル酸(ASA)としても知られるアスピリンとの併用で、ASC患者さん、もしくは心筋梗塞(MI)の既往歴を有するアテローム血栓性心血管イベント発症リスクの高い患者さんにおけるアテローム血栓性イベント再発抑制を適応症としています。
日本におけるブリリンタの適応は、以下のとおりです。
ブリリンタ錠90mg:経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)(ただし、アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、かつ、アスピリンと併用する他の抗血小板剤の投与が困難な場合に限る)
ブリリンタ錠60mg:以下のリスク因子を1つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い場合; 
65歳以上、薬物療法を必要とする糖尿病、2回以上の心筋梗塞の既往、血管造影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患、又は末期でない慢性の腎機能障害

PEGASUS-TIMI 54試験について
PEGASUS-TIMI 54 (PrEvention with TicaGrelor of SecondAry Thrombotic Events in High-RiSk Patients with Prior AcUte Coronary Syndrome – Thrombolysis In Myocardial Infarction Study Group)は、アストラゼネカの最大級のアウトカム試験のひとつで、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、オーストラリア、アジア31カ国、1,100超の施設からの2万1,000例を超える患者さんを対象としています。本試験は米国マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のTIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction:心筋梗塞における血栓溶解)研究グループと共同で実施中です。PEGASUS-TIMI 54試験は、ブリリンタが心筋梗塞の既往歴をもつ患者さんにおける心血管死、心筋梗塞および脳梗塞の長期発症抑制を適応として薬事承認を取得した際に基礎となった主要試験です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝疾患領域 (CVMD) について
アストラゼネカは、循環器・腎・代謝疾患領域を将来の成長基盤となる主要な治療領域としています。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基礎的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。世界中の何百万人もの循環器・代謝疾患患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進行抑制、さらには臓器の再生および機能回復の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、呼吸器疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫疾患、ニューロサイエンスおよび感染症の領域における一部の疾患に関する活動も行っています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
本件に関するお問合わせ先
アストラゼネカ株式会社
東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
コーポレートアフェアーズ統括部 池井、杉本
JPN.Ex.Comm@astrazeneca.com
Tel: 03-6268-2800 / 070-1369-2228

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組織名
アストラゼネカ株式会社
ホームページ
https://www.astrazeneca.co.jp/
代表者
ステファン・ ヴォックスストラム
上場
海外市場
所在地
〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪タワーB

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