「課題多すぎ!」 オンライン授業での学生の悲鳴を教員の連携やカリキュラム設計で解決 -- 学生の立場で学びをデザイン、FD効果も -- 桐蔭横浜大学



桐蔭横浜大学(横浜市青葉区)では4月21日からオンラインで前期授業をスタート。緊急事態宣言が解除された後も、学生らはオンライン授業の利点を生かして順調に学修を進めている。その秘訣について同大は、学部ごとに教員同士が連携して学生の立場からオンライン授業におけるカリキュラムを設計し、ICTを活用しながら学生の1日の学習と課題の管理を行っていることにあると考えている。同大では今後も教員同士の連携や学生とのコミュニケーションの流れを止めないよう、ポストコロナではオンラインと対面授業のブレンド型を模索していくとしている。




 オンライン授業が導入されている中、個々の教員が相互連携なく提示する課題の多さに疲労を見せている学生も少なくない。それらは学業のドロップアウトにもつながりかねない深刻な問題であるが、多くの大学では「学生が1日にどのような課題を何時間行っているか」などを把握しきれていない。

 新型コロナウイルスの影響により通常の対面授業が叶わない中、桐蔭横浜大学ではこのオンライン授業をきっかけに、これまでお互いの授業に関与してこなかった教員らが連携しはじめている。

 医用工学部では、吉田薫教授を中心に、選択科目など学生の履修登録の状況と教員のオンライン授業の方法の双方をすべて調査。その結果を教員間で共有し、調整を行った。
 さらに学生からの「課題提出管理が難しい」という声にすぐに応え、LMS(学習管理システム)上で課題を調整し、学生は各自のカレンダーで課題の数や提出期限をたやすく管理できるようにも配慮(※)。学生からは感謝の声が上がっている。
 また、学生の生活リズムとメンタル面を支えるため、1日1回は同期型(学生と教員、または学生同士のコミュニケーションがリアルタイムで行われる)の授業を行い、学生らと画面上でコミュニケーションを取ることも組織的に組み入れた。

 同大では、オンライン授業による学修が順調に進んでいることについて、これらの取り組みに加え、学生のICTスキルの向上を図るとともに細やかな個別サポートを行ったことも成功の一因であると考察。今後もこうした教員同士の連携や学生とのコミュニケーションの流れを止めないよう、ポストコロナではオンラインと対面授業のブレンド型を模索していく。

●学生コメント1 (三浦拓朗さん 3年生)
 対面授業と同様に、教員の''顔''と''声''を視覚・聴覚的に情報化することができて、理解が進みます。オンライン授業では通学にかかる時間が節約できるので、学業へ専念することができます。履修科目によっては大量の課題が提示されることもありますが、私は「To-Doリスト」を作成し、可視化しています。

●学生のコメント2 (3年生)
 普段の授業と同じような感覚でオンライン授業を受けられるので良いと思います。今の課題の量は適切だと思います。しかし実習が開始すれば通学に時間がかかり、課題に取り組める時間が削られるため、このままの量を継続するのは厳しいかもしれません。

●米坂智昭 学部長のコメント
 卒業式や入学式が中止となり学生、教員共に不安定な精神状態のまま非常事態宣言で、更に先の見えないトンネルに入りました。4月21日から授業開始を決定し、学生の健康状態やシステム環境、教員の授業準備など不安材料は山積しておりましたが、オンライン授業がスタートしました。1ヶ月が経過しまだまだ改善すべき点はありますが、授業を通じ学生の顔を直に見ながら会話できることが、心の支えとして最も大切であると思われました。

※桐蔭学園では幼・小、中高・中等教育、大学までの全学校種で4月よりオンライン授業を実施。5、319名の回答を得て、その結果を教育に活かしている。
(関連記事)
・「在宅中の生活・学習状況調査」を教育に活用。学園内の幼稚園から大学までの大規模調査の結果、94.2%が「オンライン授業を受講・学習できる」と回答~学校法人桐蔭学園(2020.05.20)
 https://www.u-presscenter.jp/2020/05/post-43697.html

*FD(Faculty Development)...授業改善や教員の資質向上のための取り組み。


▼本件に関する問い合わせ先
桐蔭横浜大学 教育開発推進機構
(担当:森)
TEL:045-974-5423(入試・広報センター)
メール:morit@toin.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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