このたび関西大学社会安全学部の土田昭司研究室は、新型コロナウイルスワクチン接種に関する意識調査を実施しました。大阪府、東京都、中国・四国9県、東北6県、北海道の5地域それぞれ20歳から69歳の男女500名、計2,500名から回答を得ました。<調査期間:2020年12月11日~12月15日。オンライン調査。楽天インサイト株式会社に委託して実施>
【本件のポイント】
・新型コロナウイルスワクチンを接種したい人は約半数、一方で4人に1人が接種したくないと回答
・世間の多くの人が接種していること、接種が無料であることが、接種を促す要因
・政府や自治体はワクチンに関する正しい情報を、「詳しく」「早め」に提供するよう努めるべき
■ 新型コロナウイルスワクチンを接種したい人は約半数。男性では53.8%、女性では40.6%
コロナワクチンを「接種したい」と回答した人は47.2%(「どちらかといえば」を含む)、「接種したくない」は23.7%(「どちらかといえば」を含む)、「どちらともいえない」が25.6%、「わからない」が3.5%であった。接種したい人は全体の半数に届かなかった一方で、その数は接種したくない人の倍であった。この結果に地域差はみられなかったが、男女差はみられた。「接種したい」人は男性の方が13.2ポイント高く、女性はワクチン接種に消極的な傾向がみられた。年齢別では、若いほど接種したい人がやや高い傾向にあった。
■ 接種を促す要因は、「世間の多くの人が接種していること」「接種が無料であること」
ワクチンを接種するための条件について尋ねたところ、「世間の多くの人が接種しているなら」もしくは「接種が無料であるなら」と答えた人がそれぞれ62.3%、61.9%で、条件なしのデータと比較すると約15ポイント増加した。世間の多くの人が接種していること、接種が無料であることが、接種を促す要因であると考えられる。一方で、11.6%の人が「法律で接種が義務づけられたら」との条件でも接種したくないと回答。このことから、絶対に接種したくないと考えている人も1割以上いると推測される。
■ コロナワクチンが有効だと考える人は約3割。重い副作用があると考える人も3割弱いた
「コロナワクチンが薬として有効である」と回答した人は29.5%であった。また、「ワクチンに副作用がないか、あるとしても軽微なもの」だと考える人は21.7%で、そうは思わないと回答した人が28.8%いた。これらの点についても、女性の方が男性よりも、「ワクチンが有効であり副作用がないと回答した人が少なく、どちらともいえないと回答した人が多かった。
土田教授は「欧米での調査でも新型コロナウイルスワクチンを接種するとの回答は半数程度であり、日本も同じ状況にあると見てとれる。基本的にはワクチンを接種するつもりの人のほうが多いが、接種に慎重あるいは接種したくない人も一定数いることを念頭に置いておくべきだ。日本では、世間の多くの人が接種するなら自分も接種すると考える人が多い。子宮頸がんワクチンのように他の人が接種しないのなら、自分も接種しないとなる可能性もある。政府や自治体はワクチンについて人々が判断しやすいように、正しい情報を詳しく早めに公表するように努めるべきだ。また、SNSなどの不確かな情報を元に、接種を巡って非難される人が出ないように留意しておくべきであろう」と指摘しています。
※詳細な分析結果については、リリース詳細(下記URL)にて紹介いたします。
【本件の取材は下記まで直接お問い合わせ下さい】
関西大学社会安全学部 教授 土田 昭司(つちだ しょうじ)
E-mail: tsuchida@kansai-u.ac.jp
▼本件の詳細▼
関西大学プレスリリース
https://www.kansai-u.ac.jp/ja/assets/pdf/about/pr/press_release/2020/No48.pdf
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