湘南工科大学(神奈川県藤沢市)工学部の学科横断型学修プログラムでは、2月に各コースごとの卒論発表会を実施した。同プログラムは、他学科の関連科目も横断的に学修したいという学生の意欲に応えるための特別なプログラムとして、2018年から設置されたもの。このたび、同プログラムの2コースの履修学生が初めて卒業を迎え、これまでの研究の成果を披露した。
学科横断型学修プログラムは、学生が「いま興味をもっていること」、世の中で「今後、期待される技術分野」をキーワードに、所属学科の専門科目にプラスして、それ以外の学科の関連科目も横断的に学ぶことができるもの。他学科の専門科目をCAP(履修単位制限)を超えて履修することができ、関心を持っている技術分野について、より広く深い学修が可能となる。
このプログラムにはXRメディア、ロボティクス、AI、IoTの4コースがあり、2年次から登録することができる。研究センターを基盤に担当教員の下で研究活動を始めることが可能となっている(通常は4年次から)。また、学会発表や学外イベント出展などの機会もあり、多くのことを吸収し、成長することができる。学科や学年を越えた相手との協働・交流により社会性が磨かれ、卒業後の可能性が広がることも期待される。
卒業時には学位に加え、プログラム修了証書も取得できる。
同プログラムで初めてとなる卒論発表会は、XRメディアコースが2月15日、ロボティクスコースが2月16日に、それぞれ行われた。
《工学部・学科横断型学修プログラムの4コース》
■XRメディアコース
リアリティを追求する新しいメディア''XR''(クロス・リアリティ)は、「体験」が再現できる技術として、製造・医療・教育など、あらゆる分野に劇的な変化をもたらすと期待されている。これらの基礎技術を修得し、疑似体験システムなどの企画・製作を通してエンジニアとしての基礎力を養う。
〈担当研究センター〉 XRメディア研究センター
■ロボティクスコース
機械、電気、情報、デザイン、材料など、さまざまな要素技術を結集したシステムであるロボット。人や物資を人工衛星へ運ぶ宇宙エレベーターや、生活支援、コミュニケーション、災害救助などの人に寄り添ったシステムまで、多様なロボット技術を学ぶ。
〈担当研究センター〉 先進ロボット研究センター
■AIコース
AI技術の習得には、数学やプログラミングなど幅広い知識が必要となる。AIコースでは、プログラミングやデータ解析のコンテストへの参加により、これらの習得を目指す。また、深層学習(ディープラーニング)などの最新技術の応用を目指した研究開発を行う。
〈担当研究センター〉 AI研究開発センター
■IoTコース
IoT(モノのインターネット)について、無線・センサ・AI・ブロックチェーン・スマート制御などを用いた実習体験を通して、その仕組みと要素、構造の理解を深める。電気電子通信・情報処理や、心理学・エンターテインメントにまで関連付けて活用力を磨く。
〈担当研究センター〉 IoT先端融合センター
【卒論発表の研究テーマの例】
■XRメディアコース
・Holo Lensを用いた聴衆の既知・未知で与える演者の対人不安を緩和するプレゼンテーション支援システム
・VRを使った面接練習システムの開発
・VR映像に合わせた水分を含んだ柔らかい物体の触覚再現装置の製作
・VR体験による車の運転技術向上
■ロボティクスコース
・宇宙エレベーター構想におけるクライマー機構と稼働実験に関する研究
・大学案内ロボットSITTER-2の研究
・災害対応ロボットに関する研究
・幅広い年齢層の子供に向けた音楽・リズムゲームの開発
●URL:
https://www.shonan-it.ac.jp/admissions/activity/20210216_01/index.html
(参考記事)
・湘南工科大学(総長理事長:糸山英太郎)で「学科横断型学修プログラム」を実施 -- ロボティクス、XRメディア、IoT、AIなど、注目の技術について複合的に学修する(2019.02.26)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-40765.html
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湘南工科大学 大学事務局
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