昭和女子大学(学長:小原奈津子/東京都世田谷区)の近代文化研究所は、『夏目漱石 修善寺の大患前後―昭和女子大学図書館近代文庫蔵 新資料を加えて―』を発刊しました。 本書は、夏目漱石が生死の境をさまよった「修善寺大患」に関して、図書館近代文庫が所蔵する新資料に基づいた研究をとりまとめ、夏目漱石研究だけでなく近代日本文学研究に資するものです。
夏目漱石の修善寺大患(明治43年8月〜10月)に関する新資料とは、修善寺療養の費用に関する3種類の領収書(計算書)で、本学所蔵『夏目漱石・芥川龍之介・久米正雄 往復書簡』の「裏面」に貼られていたものです。
(1)修善寺菊屋旅館(漱石が滞在した旅館)の領収書(明治43年8月分)
(2)修善寺大和堂医院(漱石を診察した地元医師)の領収書( 同 )
(3)坂元雪鳥筆「計算方針」(明治43年8月記)
第1部では、これら3種の資料を写真版で、第2部では、漱石の療養の様子を日ごとに記した「修善寺の大患 その全容」を紹介しています。これまで、漱石の動静を記した『漱石研究年表(荒正人編)』はありましたが、本書ではこの年表の記載や記述を精確に再検討し、明治43年8月24日の晩に大吐血、30分間の人事不省から蘇生した漱石の生涯の一大転機である「修善寺大患」の研究に際して、最も基本的な資料となりました。
昭和女子大学図書館近代文庫には数多くの自筆資料があり、引き続き近代文学研究を進めていきます。今後は本書刊行を記念した講演会や、図書館での特別展を予定しています。
夏目漱石 修善寺の大患前後 ―昭和女子大学図書館近代文庫蔵 新資料を加えて―
・形 態:370頁 A5判
・価 格:定価8,250円(本体7,500円+税10%)
・著 者:吉田昌志、笛木美佳、福田委千代、山田夏樹(昭和女子大学日本語日本文学科)、福田淳子(昭和女子大学現代教養学科)
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昭和女子大学近代研究所について
生活文化研究部門と近代文芸研究部門を置き、明治以降の文化の発展に貢献した個人・集団、モノ、書籍・雑誌などをテーマとする学部生・大学院生の研究活動の支援を目的にしています。近代文化の発展に寄与した文学者の業績を収録した『近代文学研究叢書』は、第6回菊池寛賞を受賞しました。80余年の伝統を誇る大学紀要の『学苑』、『ブックレット 近代文化研究叢書』を刊行しています。
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