古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町、代表取締役社長:小林敬一)は、イッツ・コミュニケーションズ株式会社(本社:東京都世田谷区用賀、代表取締役社長:嶋田創)およびミハル通信株式会社(本社:神奈川県鎌倉市岩瀬、代表取締役社長:中村俊一)と、ケーブルテレビの同軸インフラを効率的に巻取り、光ファイバーインフラへの移行を加速させるソリューションをケーブルテレビ業界において初めて開発し、本年1月~4月にかけて共同で実証実験を行いました。
今回開発した技術は、ケーブルテレビ事業者で採用されているHFC(注1)システムからFTTH(注2)システムへ移行する際に、HFCサービス加入者の都合により移行が進まないエリアに対して適用可能なソリューションです。
特にHFCシステムは、光信号と電気信号を変換する光電変換装置と電気信号のレベルを増幅するための高周波増幅器、ならびにこれらに停電時でも電源を供給するための無停電電源供給装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)が多数設置されており、保守費用や電気代等が事業者にとって大きな負担となっています。
今回開発したシステムでは、FTTH伝送路の最終段に専用光受信器を配置し、AC100V給電による運用を可能とすることで、無停電電源供給装置の撤去が可能となります(注3)。また、加入者宅への同軸引込線は既存設備を流用できるため、工事面の負担も軽減されます。さらに、光受信器を死活監視するオプションを追加し、保守・運用面の強化も可能です。
加えて、FTTHシステムを導入してもケーブルテレビの同軸インフラの巻取りが進まないとインフラを二重で運用しなければいけないという課題がありますが、今回開発したソリューションは最終段の同軸引込線と分配器のみを残してFTTHシステムへの切り替えが可能となるため円滑な移行を実現します。
なお、専用光受信器(型名:MSOR-7710)は本年度発売予定です。
(注1)Hybrid Fiber & Coaxial:光ファイバーと同軸ケーブルのハイブリッド型のインフラ
(注2)Fiber to the Home:家庭までの伝送路が光ファイバーとパッシブデバイスで構成されるインフラ
(注3)利用にあたっては電力会社(共架部門)への確認が必要です。