立命館大学(京都府京都市、学長 仲谷 善雄)は、atama plus株式会社(東京都港区、代表取締役CEO 稲田 大輔)と協働で、2023年度入試(2023年4月入学)より、AI教材「atama+(アタマプラス)」で、各学部での学びにとって特に重要な指定単元を学習・修得する「学部指定単元AI学習プログラム(通称:UNITE Program)、以下、プログラム」を出願要件に取り入れた総合型選抜(AO選抜入学試験)を開始し、11月2日(水)に合格者37名を発表しました。実施結果および分析内容をご報告いたします。
本入試は、学科試験を実施しない総合型選抜において、大学入学後の学びの質を高めるために重要な基礎学力を、科目の各単元レベルまで細分化し指定したうえで、入学前にしっかり身につけてもらうことを目的としています。学部での学びにおいて、特に重要な単元を指定し学習・修得することを出願要件に取り入れた入試、また、AI教材「atama+」を活用した入試は全国初です。高校で学んできた科目等の「履修歴」ではなく、指定単元の「修得」を出願資格とすることで、受験生は学ぶ意欲さえあれば、履修歴にかかわらず、誰でもチャレンジすることができます。高校までの学びが大学での学びにどのように関連するのか具体的なイメージを持ったうえでこのプログラムで効果的に学び、高いモチベーションと学力をつけて入学後の学びに接続することが期待できます。
<今年度の実施結果についての考察>
プログラム受講者は全国36都道府県から227名と、当初の期待の2倍を大きく上回る結果となりました。通信制やIB校など、普通科(全日制・単位制)以外の高校種別の生徒が全体の12.8%を占めていることから、履修歴ではなく指定単元の修得を出願資格とすることで、多様な学習背景を持つ生徒に機会を提供することができたと評価しています。
プログラム受講者のatama+での学習データを分析した結果、修了者の90%は指定単元の修了まで10日以上の継続的な学習を要していました。また、単元ごとに実施される修得認定試験(期間内は何度でも受験可能)を全て1回で合格した受講生はおらず、修了するために何度も取り組む必要がありました。このように修了までに一定の学習を要するプログラムですが、それでも諦めずにチャレンジしようとする受講者の学習意欲の高さも確認できました。
合格者のアンケート結果からは、約3分の1が学習指定科目(今回の指定科目は数学)に苦手意識を持ちながらも、当該学部で学ぶ意欲を持ちチャレンジしていることがわかりました。本入試の選択理由については、「志望学部の学びに数学的素養が必要となることを知り、入学前にしっかり学べる点に魅力を感じたから」「志望学部に必要な数学の素養を知ったが、商業高校で数学を十分に学べていなかったから」といった声があがっており、大学での学びにつながる学習への関心の高さがうかがえました。
<今後の展開>
今年度は、合格者の入学前教育においてもatama+を活用し、より高度な内容の学習を進め大学での学びに備えてもらいます。また、今回の成果を他大学に共有し、本取り組みのきっかけとなった「新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会」を他大学とともに発展させてまいります。次年度以降は、現行学部の募集枠の拡大に加え、他学部や立命館アジア太平洋大学への展開と、数学以外の教科導入の検討を進めます。また、定量化・可視化された学習情報を活用し、新しい高校と大学の学びの接続を推進してまいります。
※実施結果および分析内容の詳細は、別紙をご覧ください。
▼本件に関する問い合わせ先
立命館大学広報課
遠藤
TEL:075-813-8300
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/