京都産業大学 岸本真教授を中心とする国際研究チームは、銀河系外天体の赤外線観測で世界最高の解像度を達成し、これにより、大質量降着中の巨大ブラックホールが、噴出されるジェットに垂直な明るいリング構造に取り囲まれていることを確認した。
宇宙の銀河の中心部には、質量が太陽の100万倍から10億倍程度の巨大ブラックホールが、ほぼ普遍的に存在するとされている。
巨大ブラックホールにガスが降着する(落ち込む)際には、中心部に強い紫外光を発する円盤状の構造が形成されるとみられているが、円盤構造自体は視直径が小さすぎるために形を直接捉えることが困難とされていた。
本国際研究チームは、地球との位置関係からこの構造を上から見ることができ、かつ最も明るい質量降着巨大ブラックホールである近傍銀河NGC4151(図1)の中心部にターゲットを絞った。6つの望遠鏡で構成されている、世界に1つしかないCHARA干渉計(図2)を用いてNGC4151の中心核を観測し、ついに、噴出するジェットと垂直な方向に現れるダストリングを実際に検出することに成功した(図3)。
岸本教授は、「随分長い時間がかかったが、巨大ブラックホール系の赤外観測において、これまでで最も高い分解能を達成することで、ようやく捉えることができた。このダストリングは、巨大ブラックホール系が銀河進化に影響を与える根元の部分になっている可能性が高く、今後の観測で銀河進化との関連を明らかにしていきたい」とコメントしている。
この研究成果は、2022年11月18日(日本時間)に米国天体物理科学雑誌『The Astrophysical Journal』に掲載された。
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
■関連リンク
・【理学部】岸本真教授を中心とする国際研究チームが巨大ブラックホール系の赤外線観測で世界最高の解像度を達成!
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/2022_sc/20221118_150_research.html
・京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科 岸本 真 教授
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/sc/kishimoto-makoto.html
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