「カオナビ」と連携、職員の評価や経験をデータベース化し、業務効率・生産性の向上が可能に
デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長 佐瀬真人、以下「デロイト トーマツ」)は、東京都渋谷区が進める人事DX化の一環として、デロイト トーマツが開発したAIによる人材配置案作成サービス「Talent Matching」と、株式会社カオナビ(東京都港区、代表取締役社長Co-CEO 佐藤 寛之)のタレントマネジメントシステム「カオナビ」の導入を支援し、渋谷区にて本格運用が開始されました。このサービスの自治体での運用は、全国で初めてです。
「Talent Matching」は、デジタル技術を活用して“人材配置案を作り出す”サービスです。職員の評価や希望をデータベース化した「カオナビ」と連携させることで、AIが人材データに基づいた配置案を短時間で作成することができるため、業務の大幅な効率化と適材適所による生産性の向上が可能になります。
両社は2022年度、今回のシステム導入に着手し、人事情報のデータベース構築やワークフローの実装、および自動連携の構築を進め、試行しました。その結果、2023年度は人事異動検討業務において従来の工数の約60%にあたる約320時間分の削減を期待できます。また、試算*によると、渋谷区職員全体の生産性も、年間2,160時間向上することが見込まれます。
*約200人の異動対象者の約3割が適材適所の配置となり、生産性が2%向上した場合。
■人事DX化が必要な背景
渋谷区では、人事評価と人事異動検討にかかる作業負荷の重さが、人事課の恒常的な課題となっていました。また人事異動検討においては、人材情報が一元管理されておらず担当者の経験則による判断により配置案が作成されていたため、最適な人材配置ができているか確証が得られていない、という課題がありました。
この課題を、デジタル技術を活用して解決し、行政サービスのさらなる向上につなげていく必要性があります。
■サービスの仕組みと効果
「カオナビ」は職員の経験や資格、本人の希望などの個性と評価を一元管理して蓄積し、可視化することで、戦略的なタレントマネジメントを実現します。
「Talent Matching」は、異動対象者の経験や希望とポジション要件のマッチングをスコア化するとともに、AIが提案する全体最適の配置案をたたき台として、人事担当者が精査・最終化していくことができるサービスです。定期異動における”ローテーション”や”玉突き人事”等のシーンで活用でき、人材検索機能や組織図、電車図を用いて直感的に操作可能です。「Talent Matching」を活用することで配置検討業務の効率化に加え、適材適所の実現による生産性の向上や、本人希望を踏まえた人材配置による離職防止等を期待できます。
2つのシステムを組み合わせることでデータの蓄積・活用が促進され、「Talent Matching」での人材配置案の精度が向上し、「カオナビ」でのタレントマネジメント施策の効果が最大化されます。
VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代と言われる変化の激しい社会の中で、人事の仕事はこれまでのオペレーション中心の業務から、付加価値の高い戦略的な業務にシフトしていく必要があります。本ソリューションは、業務の効率化と高度化の2軸から人事業務を変革し、自治体全体・企業全体の生産性の向上を支援します。デロイト トーマツは、人事領域の豊富なナレッジと最新のテクノロジーの知見を組み合わせ、すべての人と組織が生き生きとした社会の実現に貢献します。