熱が人体に及ぼす影響に詳しい谷口英喜医師と空気のプロ・ダイキンによる解説動画 夏本番を前に知っておきたい 「熱あたりの実態と対策」
ダイキンのWEBコンテンツ 「みんなで熱あたりしない夏」 とYouTube公式チャンネルにて公開
ダイキン工業株式会社は、暑い時期の「熱」による身体的な不調全般を指す「熱あたり」に対する理解促進と対策意識の醸成を目的に、解説動画「熱あたりの実態と対策」を作成し、2025年7月11日にダイキンのWEBコンテンツ「みんなで熱あたりしない夏」とYouTubeダイキン公式チャンネルにて公開しました。人は体内で生み出した過剰な「熱」を体の外へ逃がしながら暮らしています。「熱」を逃がしづらい暑さの中では、人は体に溜まった「熱」にあたって様々な体調不良を引き起こすことがあります。こうした「熱あたり」は、「寝た気がしない」、「疲れがとれない」、「食欲がわかない」など、日頃のパフォーマンス低下につながるような症状からはじまり、症状が進むと、「頭痛」や「吐き気」など熱中症に該当する症状に発展します。また、軽い症状でも、長く続くと「夏バテ」につながることもあります。「熱あたり」の初期は症状の軽さから見過ごされがちですが、人々の生活の質に影響を及ぼすばかりか、社会全体で考えると大きな経済的損失につながっている可能性も考えられる症状です。
今回公開した解説動画「熱あたりの実態と対策」では、広く知られている「熱中症」の位置づけや、生活者が「熱中症」を自分事として受け止めていない可能性などに触れながら、「熱あたり」という言葉を用いるに至った理由や「熱あたり」の定義、当社の全国調査※1にもとづく「熱あたり」経験者の実態などについて、分かりやすく紹介しています。
「熱あたりの実態と対策」 解説動画の内容
●医療現場における熱中症の実態と課題について
●毎日のように熱中症対策が報道されても、なぜ減らない?
●熱中症を自分ごとにしてもらうための工夫は?
●熱あたりの症状は? 熱中症や夏バテとの違いは?
●普段の生活でも熱は体にたまる?
●「熱あたり」 対策にはどんな方法がある?
●「熱あたり」 になりやすい人の特徴はある?
●「みんなで熱あたりしない夏」プロジェクトの意義
夏の猛暑が日常となりつつある近年、「熱」による体調不良のリスクはより高まっています。こうした「熱あたり」への対策の第一歩として、「熱あたりの実態と対策」解説動画を参考にしていただき、「みんなで熱あたりしない夏」をめざしましょう。当社は今後も「熱あたり」に関する情報発信と啓発活動を積極的に推進していきます。
※1.ダイキン 「夏場の熱による体調不良に関する全国調査」(2025年)
【動画の概要】
谷口先生:一般的に知られてはいませんが、毎年30万人以上が「熱中症」になっています。「熱中症」は医療機関で診断される病名なので、医療機関で診断されていない人は含まれません。暑さで体調が悪くても病院に行かなかったという人は多いでしょう。実は、医療現場では以前から、熱の影響で体調不良を起こしても病院には行かない「潜在的な体調不良者」がたくさんいると推測していました。その「潜在的な体調不良者」の規模が把握できていないことは、熱中症を取り巻く課題のひとつでした。
毎日のように熱中症対策が報道されても、なぜ減らないのでしょうか?
谷口先生:この問題の本質として、熱中症に対する生活者の心理や意識の問題があるのかもしれません。交通事故もそうですが、熱中症で搬送された人のニュースを見ると、「ああなりたくない」、「周りに迷惑をかける」というような気持ちが生まれ、自分に不都合な情報を過小評価してしまう心理が働き、それが「自分は大丈夫!」という思い込みにつながっているのかもしれません。
熱中症を自分ごとにしてもらうためにはどんな工夫があるでしょうか?
ダイキン・重政:病院で熱中症と診断される方以外にも「潜在的な体調不良者」がたくさんいて、自分にもその可能性があるかもしれないと知っていただくことが大切です。当社の全国調査によると、20歳以上の男女のうち、6割以上が「潜在的な体調不良者」で、その症状は軽いものから重いものまで幅広く、20代~60代の各世代で6割以上が経験していることが分かりました。
谷口先生:これまで見えていた熱中症は「氷山の一角」で、「熱」の影響を受けた潜在的な患者がたくさんいることが改めて分かります。熱による体調不良者はおおよそ3人に2人で、おおよそ3人に1人と言われる国民病・スギ花粉症を上回っています。
ダイキン・重政:この実態を広く伝えていくため、「熱による体調不良者全体」を指して「熱あたり」と定義しました。「熱あたり」という言葉は、明治の文豪・森鴎外が、体からの放熱が妨げられる病気を表すドイツ語を訳す際、熱に中る(あたる)ことから熱中症と訳した着想にヒントを得たものです。
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谷口先生:「熱あたり」は、暑さが体に及ぼすダメージ全般を指します。食あたりや水あたりを起こすことがあるように、「熱」にあたる、つまり体に熱がたまり、うまく逃がせず体調を崩している状態を意味します。「食欲がわかない」「よく眠れない」「疲れがとれない」などの初期症状から始まり、放置すると熱中症を発症する可能性があります。また、「熱あたり」状態が長引くと、いわゆる“夏バテ”につながることもあります。
普段の生活でも熱は体にたまるんですか?
熱あたりの対策にはどんな方法がありますか?
ダイキン・重政:エアコンは室温28℃以下、湿度60%以下が目安です。室内の温度・湿度が確認できるよう温湿度計を設置することもおすすめです。電気代が気になる方は、2週間に1度を目安にフィルターを掃除し、室外機の周辺には障害物を置かないようにしてください。風向は「水平」、風量は「自動」にすることでも節電効果が期待できます。また、夜間の睡眠時にエアコンが切れてしまうと寝室の温度・湿度が上昇して、熱あたりのリスクが高まる場合があります。夜寝ている間も、エアコンはつけっぱなしにしていただくのが基本です。
熱あたりになりやすい人の特徴はありますか?
ダイキン・重政:「熱あたり」リスクは、日ごろの生活環境や習慣によって変わってきます。今回、ご自身やご家族が「熱あたり」しやすい暮らしをされているかどうか把握するための参考として、谷口先生に監修いただき、「熱あたり」リスクの確認に役立つチェックリストを作成しました。当社の「みんなで熱あたりしない夏」サイトで、是非、チェックしてみてください。
※ 熱あたりリスク診断チェックリストは、東京理科大学の仲吉信人教授にも監修いただいています。https://www.daikin.co.jp/press/2025/20250709
熱あたりしない夏プロジェクト活動の意義について
ダイキン・重政:ダイキンとしても、「空気で答えを出す会社」の使命として、熱との上手な付き合い方を発信し、健康的で快適な生活に貢献していきたいと思っています。
【解説動画 出演者プロフィール】
済生会 横浜市東部病院 患者支援センター長
谷口英喜 先生
医学博士。1991年、福島県立医科大学医学部を卒業後、横浜市立大学医学部麻酔科に入局。2011年、神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授、16年に現職。東京医療保健大学大学院客員教授、慶應義塾大学麻酔科学教室非常勤講師を兼任。熱中症・脱水症に関する報道で、マスコミに多数出演。『いのちを守る水分補給』『熱中症からいのちを守る』(評言社)など、著書多数。専門は、麻酔学、集中治療学、周術期管理、栄養管理、経口補水療法、脱水症対策など。臨床栄養の生涯教育サイト谷口ゼミ(https://taniguchi-seminar.com/)を開塾し、医療従事者の生涯教育を行う。
ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室 広報グループ
重政周之
2002年、建材メーカーに営業職として入社。戸建住宅やマンション向けの商材提案に従事。その後、冷蔵ショーケースメーカーで店舗へのデザイン提案に携わる。08年、ダイキン工業入社。電子システム事業部の販促企画を経て、広域自治体の広報部局に出向。広報CMの制作や社会課題の啓発などに従事。出向後、ダイキンソリューションプラザ「フーハ東京」の企画運営や来館者に向けた情報発信に取り組む。16年、現在のコーポレートコミュニケーション室に着任。一般的な広報業務に従事する傍ら、空気や空調に関連した暮らしに役立つ情報をテレビやWEBメディアを通じて分かりやすく解説する取り組みに注力する。
【参考】WEBコンテンツ 「みんなで熱あたりしない夏」
WEBコンテンツ「みんなで熱あたりしない夏」は、「熱」と人体に関する幅広い分野の有識者の協力を得ながら、「熱あたり」のしくみや対策について分かりやすく紹介しています。
WEBコンテンツ「みんなで熱あたりしない夏」URL: https://www.daikin.co.jp/air/life/heat_project