「Yamaha National Technician Grand Prix」開催 ~YSP八戸・清野 貴裕さんが優勝、11月19日開催の世界大会に日本代表として出場~
ヤマハでは、“One to One Service(プロの整備技術でひとりひとりのお客さまとのより良い関係づくり)”を合い言葉に、「世界中のヤマハディーラーで、どこでも均一かつ高品質なサービスが受けられること」を理想に掲げ、お客さまの期待を超えるカスタマーサービスを実践しようと、独自の整備士教育プログラム「ヤマハ・テクニカル・アカデミー(YTA)」を2001年から全世界で展開。世界24拠点・3万4,600人がYTA認定整備士としての資格を有し、各国地域で活躍しています。そしてYTA教育プログラムの集大成として、2002年より2年に1度行っているのが、「Yamaha World Technician Grand Prix(ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ:ヤマハ世界整備士コンテスト)」です。日々磨き上げているサービス技術力を、お客さま視点で客観的に厳しく審査し、世界No.1のヤマハメカニックを決定する大会です。
その「Yamaha World Technician Grand Prix」に日本代表として出場する国内のヤマハメカニックNo.1を決定する大会が、「Yamaha National Technician Grand Prix」です。コロナの影響により、2018年以来7年ぶりに開催した今大会は、YTAの最高位資格“ゴールド”を国内で導入しているのがヤマハモーターサイクル専門店「YSP(YAMAHA MOTORCYCLE SPORTS PLAZA)」のみであることから、YSPのメカニックのみなさんによる予選大会を2月に実施。学科競技を行い、その成績上位16名が今回の「Yamaha National Technician Grand Prix」に出場し、整備実技と接客応対の競技を行いました。
学科・実技・接客の3競技で総合トップの成績を収め優勝したYSP八戸の清野さんは、本年11月19日に行われる「Yamaha World Technician Grand Prix」に日本代表メカニックとして参戦します。
「第9回Yamaha National Technician Grand Prix」開催に先立ち、
この学科競技の成績上位16名が「Yamaha National Technician Grand Prix」」に出場。
一方接客競技は、保証修理のお客さまをお迎えしている想定で行われました。
実技・接客競技ともに、単なる技術力の高さや経験値、知識量だけでは勝ち抜けません。大勢のヤマハ社員が入れ替わり立ち替わり見守る特殊な環境の下、限られた時間内で、お客さまにいかに納得して満足いただけるのか、YTAゴールド資格のYSPサービスメカニックとしてヤマハブランドを高める総合力が問われる内容となりました。
第9回Yamaha National Technician Grand Prix上位入賞者コメント
優勝YSP八戸・清野 貴裕さん
「メカニックとして16年、17年とやってきました。
緊張していた割には身体が動いて実技競技を行えたものの、普段の実力を出し切れず、やりきれなかった部分への悔しい気持ちがありましたし、接客競技でパソコンに情報入力する際、緊張のあまり手が震えて上手くタイピングできなかったり、何をどこまで説明したのか頭が白くなってしまう場面もあって、優勝できるとは思ってもみませんでした。
優勝への実感がまだわかず、上手く言葉が出てきませんが、実は実技競技に集中しているうちにどんどん楽しくなってきちゃって、“やっぱり整備って面白い!”と改めて感じたので、世界大会へのチャレンジを通じて、整備士の楽しさ、魅力を広く色々な人に訴求したいですね。
また、今回の競技を通じて色々気づくことがありました。店に戻って他のスタッフと今回の経験を共有することで、お客さまに対してサービスの満足をさらに高めて行こうと思います。
日々常に何事も勉強です。日頃の業務を通じて、さらに学べることはどんどん習得し、自分に不足しているものを探して補い、日本を代表して世界大会でも優勝目指してがんばります。みなさん、引き続き応援、よろしくお願いします」
2位YSP千葉中央・斎藤 惇平さん
「Yamaha National Technician Grand Prixへは、初めての参加です。
2位を獲得して、今いろんな感情が湧き起こっています。参加するからには優勝目指して臨みましたので、とにかくまず悔しい。でも今回の大会に参加している皆さんと1日半行動を共にしてきた中で、清野さんが優勝したことは、本当に嬉しいし心から祝福を送ります。
普段の業務から、今回の競技のようにスピーディに的確に修理できるよういっそう励み、次回、世界大会出場、そして世界No.1のヤマハメカニックを目指し、明日からまたチャレンジャーとして一からがんばります」
3位YSP東淀川・三谷 明生さん
「3位になることができて、ものすごく嬉しい反面、
実技ではもう少し時間に余裕があれば、ああしたかった、こうしたかったと思う部分があり、時間内にやりきれなかったことへの悔しさがあります。お客さまの車両に向き合う際には、限られた時間は守りつつも、速さよりお客さまが気持ちよくバイクに乗れるようしっかり丁寧にサポートすることが重要だと思っています。とは言え、今後は今日くらいの緊張感を常に持って、お客さまの愛車修理や接客に臨んでいきたいですね」
Yamaha National Technician Grand Prix大会会長
ヤマハ発動機販売株式会社代表取締役社長 松岡 大司
こうした状況を受け、当社ではこれまで以上に高い技術力と応対品質でヤマハ車オーナーの満足度と信頼を高めようと、2024年からヤマハスポーツバイク販売のトップチャネルであるYSPに、YTAの最上位資格である“ゴールド”を導入しました。そこで今回のYamaha National Technician Grand Prixは、国内No.1のYSPメカニックを決定する大会として開催。日頃から講習会などで顔を合わせる機会の多いYSPのメカニックの皆さん同士だからこそ、互いに切磋琢磨しながらも負けたくない気持ちがいっそう高まってか、会場では緊張感みなぎる最高レベルの競技が繰り広げられました。
モーターサイクルは機械ですので、経年変化は避けられず、時には不調をきたすこともあります。それに対して、『このような症状に対し、このように対応しました』とお客さまに丁寧に説明し、納得していただくことで、お客さまと販売店、ひいてはお客さまとヤマハとの信頼関係が深まると考えています。特にYTAゴールド資格では、『なんとなくブレーキの効きが悪い気がする』といったお客さまの感覚的な声に真摯に耳を傾け、お客さま一人ひとりに合わせた柔軟な対応をすることに重点を置いています。それだけに今回の接客競技では、まさにYTAの基本理念である“One to One Service”を体現するメカニックの皆さんの姿を見ることができました。また実技競技では、キビキビ作業を進めるメカニックのみなさんの姿に、頼もしさと安心感を覚えました。
今後は、応対時の困りごとや成功事例のノウハウ・情報を共有するほか、今回のような大会も一つのきっかけとしながら、YSPのネットワークをさらに強化し、ヤマハ全体のサービスレベル向上を継続的にサポートしていきたいと考えています。そして、メカニックの皆さんの社会的地位を向上させ、日々の業務へのモチベーションを高めることで、お客さまにとっても『大切な愛車のことならYSP、ヤマハなら安心だね』とお任せいただける環境づくりにつなげたいと思います」