日本初、毛髪キューティクル診断システムを開発 香川大学との共同研究により1本の毛髪から健康状態を定量化
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、パナソニック)は、香川大学 創造工学部 高尾英邦教授との共同研究により、独自のナノ触覚センサを搭載した毛髪キューティクル診断システムを開発しました。従来のキューティクル分析機器の視野と比べて100倍以上となる50mm範囲を5分で評価可能で、毛髪の前処理が不要で評価できるシステムとして日本初※1となります。
キューティクルは髪の表面を覆ううろこ状の層で、髪内部の水分や栄養分を外部刺激から守る役割を担っています。しかし、摩擦や熱、化学的処理、紫外線などによって損傷し、一度剥がれると再生しません。その結果、髪のツヤの低下やパサつき、枝毛や切れ毛などの要因となります。従来のキューティクル評価は電子顕微鏡などの分析機器に依存しており、毛髪の切断などの前処理が必要で、視野も0.5mm以下と局所的でした。そのため、毛髪の損傷個所や損傷具合を定量的に把握することは困難でした。
今回開発した毛髪キューティクル診断システムには、香川大学が開発したナノ触覚センサを搭載。毛髪の張力や接触量・スキャン速度などを自動制御することで、50mm範囲の安定計測が可能となりました。さらに、毛髪の専門家による官能評価を学習させた独自のディープラーニングモデルを搭載し、人の指先の繊細な触感覚に基づく毛髪のダメージレベル定量化を実現しています。
本システムを活用することで髪の根元から毛先へと時間経過でダメージが蓄積していく過程を定量化できたほか、寝返りを想定したモデル試験では、毛髪同士のこすれあいによるキューティクル損傷、ならびに、高浸透ナノイー&ミネラル※2&マイナスイオンを搭載したドライヤーによる摩擦ダメージ抑制効果も確認できました。
パナソニックは、今後も新たなヘアケア習慣を提案するとともに、さらなる技術革新を通じて、お客様一人ひとりが輝く美しさと健やかさの実現に貢献していきます。
【香川大学 創造工学部 高尾英邦教授のコメント※3】
【毛髪キューティクル診断システムの特長】
【本システムによる研究結果】
①髪悩みの根本原因を可視化:4年間伸ばした髪の蓄積ダメージ定量化
②寝ている間などの髪のこすれによるキューティクルのダメージを定量化:高浸透ナノイー&ミネラル※2&マイナスイオン搭載ドライヤーによる摩擦ダメージ抑制効果を実証
【試験方法】
高浸透ナノイー&ミネラル※2&マイナスイオン搭載 ヘアドライヤー ナノケアを使用した場合と高浸透ナノイー&ミネラル※2&マイナスイオン非搭載ドライヤーを使用した場合のキューティクル減少率を比較
頭の重みの加重下で毛束を3カ月相当こすり合わせたときの施術前後のキューティクル枚数を計測し、減少率を算出
※1 毛髪のキューティクルを50mmの広範囲かつ前処理不要で5分間で評価可能な装置、かつ(研究段階や未公開技術を含まない)公開されている装置として日本初
(2025年7月22日時点、パナソニック調べ)
※2 ミネラルとは、亜鉛電極を含む放電ユニットから発生される亜鉛粒子です
※3 当社から依頼し、いただいたコメントを編集して掲載しています
※4 本研究成果は、第86回応用物理学会秋季学術講演会(2025年)にて発表しました
MEMS 触覚センサを用いた毛髪キューティクル診断システムの開発(2025)
https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jsap2025a/presentation/10a-N305-8
※5 使用環境(季節・温湿度など)や個人差で効果は異なります(パナソニック調べ)
