オリィ研究所とくらしアプライアンス社が障がい者人材による社内インタビューの共同実証を開始
障がい者人材の成長機会の拡大と社内理解を醸成
株式会社オリィ研究所(以下、オリィ研究所)とパナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、くらしアプライアンス社)は、共同で「障がいへの理解促進を目的とした障がい者人材による社内インタビュー実証実験」を開始しました。
昨年4月に法定雇用率が改訂されるなど、障がい者雇用の促進は社会的な課題として重要視されています。雇用率は上昇傾向にあるものの、法定雇用率に達していない企業の割合は依然として高く、未達成企業のうち障がい者を1人も雇用していない企業は57.6%を占めています※。また、障がい者雇用に対する企業の理解も十分とは言えず、雇用率の達成を主目的とした、本人のキャリア志向や適性が考慮されていない採用にとどまるケースも少なくありません。そのため、「就労を通じて活躍できる人材へと成長する」という長期的な視点でのキャリア形成は、依然困難な状況になっています。
本実証実験では、2025年11月から3カ月間、くらしアプライアンス社が社内コミュニケーションの一環として実施している社員紹介記事の作成業務を、障がい者人材が請け負い、社員インタビューと記事作成を行います。オリィ研究所は、分身ロボットOriHime、ビデオ会議システム、チャットツールなどを活用し、移動困難者など障がいがあっても支障なく業務を遂行できる仕組みを構築。くらしアプライアンス社は、取材環境の提供ならびに作成記事を社内向けに公開し、社員からの反響をフィードバックします。
今回の実証実験では、障がい者人材が取材・記事執筆という具体業務に従事し、さらに社内コミュニケーションの活性化に貢献する体験を通じて、障がい者人材の活躍フィールドと成長機会の拡大の可能性を探るとともに、障がい者雇用への理解促進にも寄与することを目指します。
【実証実験概要】
- 内容:オリィ研究所と障がいのある人材によるパナソニックの社員紹介インタビューおよび記事作成業務の実施および検証
- 期間:2025年11月から3か月間
- 方法:分身ロボットOriHime、ビデオ会議システム、チャットツールなどを活用したオンライン形式
【各主体の役割】
株式会社オリィ研究所
「人類の孤独を解消する」を理念に掲げ、障がい・病気・介護・子育て等の理由で外に出ることが難しい「移動困難者」の選択肢を豊かにするサービスを研究開発・提供しています。
本実証においては、下記3点を中心に担います。
1.障がい者が業務遂行できる仕組みの構築
分身ロボットOriHime、ビデオ会議システム、チャットツールなどを活用し、移動困難者など障がいがあっても支障なく業務を遂行できる仕組みを構築
2.記事執筆の支援
障がい者人材の記事執筆業務の支援ならびにアドバイス
3.社外発信
取り組みの成果について、開始時・終了時に対外発信を実施
パナソニック くらしアプライアンス社
家電の開発・製造・リサイクルを中心に事業を展開しています。100年育んできたくらしに寄りそう力で、人と地球の未来に続く、感動の製品とサービスを創造することを目指しています。そして、職場環境の整備と“誰もが輝く”新しい働き方の創造の両輪で、社員一人ひとりのウェルビーイングを実現する「人が活きる経営」を加速させていきます。
本実証においては、 下記3点を中心に担います。
1.インタビュー環境の提供
当社所属のカルチャー&マインド改革に携わる社員が、インタビューに対応
2.執筆記事の社内公開
障がい者が執筆した記事を、くらしアプライアンス社の社内ポータルサイトにて公開
3.社外発信
取り組みの成果について、開始時・終了時に対外発信を実施
* 厚生労働省 職業安定局 障がい者雇用対策課
「令和6年 障がい者雇用状況の集計結果」(令和6年12月20日) https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001357856.pdf
<ご参考>
オリィ研究所展開サービス:
- 遠隔操作でありながら「その場にいる存在感」を共有できる分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」
- テレワークでの肉体的社会参加を可能にする分身ロボット「OriHime-D(オリヒメディー)」
- 重度障がいがあっても目や指先などの僅かな動きだけでコミュニケーションを可能にする意志伝達装置「OriHime eye+Switch(オリヒメアイプラススイッチ)」
- 外出困難者が”パイロット“として分身ロボットOriHime・OriHime-Dを遠隔操作し、オーダーや配膳、お客様との会話など接客を行う「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」
- テレワークに特化した障がいがある方のための人材紹介サービス「FLEMEE」
- 障がい者雇用×社内コミュニケーションサービス「Ory Bridge」(※開発段階のサービスのため変更の可能性あり)
