2Dビジョントラッキングに特化した軽量・小型ロボットビジョンシステムを発売

株式会社ニコン

より機動的なビジョントラッキングのシステム構築が可能

 
株式会社ニコンは、ロボットアームの高速・柔軟な動作を実現する「ロボットビジョンシステム」から、2Dビジョントラッキングに特化した新機種を発売開始しました。
ニコンの超小型マシンビジョンカメラLuFact(ルファクト)を採用することで、ロボットアームに取り付けるセンサー(カメラ)は、高速画像処理能力を備えながらも、重量25.5 g、サイズ20×20×43.2 mmと軽量・小型化を実現※1しています。
扱えるワークや使用するロボットハンドの選択肢が広がるほか、センサー(カメラ)取り付け位置の自由度が増し、幅広いワークの生産ラインにおいて機動的なビジョントラッキングのシステム構築が可能となります。
※1使用には別途レンズの準備が必要です


 
発売概要
型番 NSE-L-1
製品構成 ・センサー(カメラ)(AH-020MR)
・変換ユニット(A1000-G)
・エンジン(コントローラー)
・キャリブレーションボード
発売時期 2025年10月


開発の背景
自動車業界をはじめとする多様な産業の生産現場では、多品種・変量生産への対応が求められています。また、深刻な人手不足といった社会的課題も背景に、迅速・正確に作業を行うことができるロボットによる作業の自動化が強く求められています。こうしたニーズに応えるため、ニコンは2024年10月よりロボットビジョンシステムの提供を開始しました。
なかでも、コンベアなどの搬送機器を用いた生産ラインでは、多様化するワークのピックや組付け作業の自動化・省人化に対するニーズが特に高まっています。
そこでニコンは、搬送機器上を流れるワークを認識し、不規則な動きにも対応して追従する「ビジョントラッキング」機能に特化し、軽量・小型化を実現した新機種を開発しました。
昨年リリースした機種は、2D・3Dの2種類のセンサー(カメラ)を搭載しており、「ビジョントラッキング」の他に、箱内の部品位置・姿勢を認識し取り出して指定の場所に配置する「ばら積みピッキング」の2つのアプリケーションを提供しています。2Dだけでなく、高度な3Dトラッキングにも対応可能なシステムであるため、3Dが不要な生産ラインに最適化した2Dビジョントラッキング専用の製品を新たにラインナップに追加しました。


主な特長
軽量・小型化

ニコンの超小型マシンビジョンカメラLuFact(ルファクト)を採用することで、ロボットアームに取り付けるセンサー(カメラ)の軽量・小型化を実現しています。
筐体の軽量化により、扱えるワークや使用するロボットハンドの選択肢が広がり、高価で大型な高可搬重量ロボットを選ばずとも、コストパフォーマンスに優れた小型ロボットが使用可能になります。
さらに、筐体の小型化により、ロボットアームの移動経路の制約が低減し、より効率的な経路で動くことが可能になります。加えて、センサー(カメラ)取り付け位置の自由度が増し、使用環境に合わせたカスタマイズが容易になります。

高速画像処理でビジョントラッキングを実現
ニコンが長年のカメラ開発で培った技術を応用した高速画像処理能力を有しているため、ワークの状況を瞬時に判断し滑らかなビジョントラッキングを実現します。例えば、搬送機器上のワークへのボルト挿入・ボルト締結を、搬送機器を動かしたまま行う生産現場等で活用いただくことが可能です。搬送機器の速度やワークの位置・姿勢に突発的な変化が生じた場合でも、リアルタイムで補正を行い、安定した作業を継続できます。これにより、従来のシステムのように搬送機器を一時停止することなく、連続した作業が可能となり、生産効率の向上に貢献します。


同期作業ゼロでセットアップタイム低減
高速画像処理により、ワークの状況を瞬時に判断し自動で追従・ピック・組付けが行えるため、同期作業に必要なロボットと搬送機器の接続やティーチングが不要です。これにより、セットアップに要する時間や手間を低減し、機動的に生産現場に導入することが可能になります。


ロボットビジョンシステムについて
ロボットビジョンシステムはセンサー(カメラ)とエンジン(コントローラー)で構成され、ロボットアームに動体視力と頭脳の機能を付与することで、ロボットアームの高速・柔軟な動作を実現します。ニコンがカメラ製品の開発で培った高速画像処理により、瞬時にワークの状況を判断して動作することができ、生産現場において「ビジョントラッキング」や「ばら積みピッキング」といったアプリケーションを提供しています。


LuFact(ルファクト)について
撮影を行うセンサー(カメラ)と画像処理を行うユニットを分離することで、超小型化と軽量化を実現したニコンのマシンビジョンカメラです。
  
 
センサー(カメラ) 「LuFact AH020-MR」   I/F変換ユニット 「LuFact A1000-G」

 
各種仕様
センサー(カメラ)
製品名 AH020-MR
撮像素子 1/2.8型 CMOSイメージセンサー
有効画素数 1945(H)×1097(V) 213万画素
実行画素数 1920(H)×1080(V)
実効イメージサイズ
(実効撮像面積)
水平:5.568 mm(1920×2.9 μm)
垂直:3.132 mm(1080×2.9 μm)
対角:6.388 mm
走査方式 プログレッシブスキャン
カラーフィルタ配列 モノクロ
電子シャッター ローリングシャッター
レンズマウント Sマウント
外形寸法(W×H×D) 20×20×43.2 mm
質量 25.5 g
※レンズ、照明、ケーブルは別販売となります。必要に応じてご用意ください。

I/F変換ユニット
項目 A1000-G
外形寸法(W×H×D) 54×35×96 mm
質量 203.5 g
電源 PoE(IEEE802.3af準拠)
デジタルインターフェース GigE Vision
出力方式(ピクセルフォーマット) GVSP Mono8/Mono10Packed/Mono12Packed

エンジン(コントローラー)
外形寸法(W×H×D) 260×240×123 mm
対応ロボットメーカー YASKAWA、FANUC、Universal Robots
詳細はお問い合わせください

 

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