デロイト トーマツ、ユニ・チャーム、NTTドコモビジネスが、GXリーグ「中間排出事業者を通じたグリーン市場創造検討ワーキング・グループ」における最終成果物を公表

デロイト トーマツ グループ

脱炭素社会の実現と持続可能な経済活動の両立を目指し、グリーン市場創造に向けた検討結果をとりまとめ

デロイト トーマツ グループの合同会社デロイト トーマツ(代表執行役:木村 研一、以下「デロイト トーマツ」)は、ユニ・チャーム株式会社(代表取締役 社長執行役員:高原 豪久、以下「ユニ・チャーム」)、NTTドコモビジネス株式会社(代表取締役社長:小島 克重、旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下「NTTドコモビジネス」)と共同で、経済産業省が主導する「GXリーグ」の枠組みにおける「中間排出事業者を通じたグリーン市場創造検討ワーキング・グループ(以下「本WG」)」にて、最終成果物を公表したことをお知らせします。
本WGは、官民連携の枠組みのもと、非耐久消費財企業のなかでも特に最終消費者に最も近い日用品・食品分野である中間排出事業者を中心に、異業種横断でグリーン市場創造を討議する場として形成された日本で初めての取り組みです。ユニ・チャームが発起人として代表幹事を務め、多様な業種の企業が参画した上で、GX製品・サービスが市場で選択されるための条件について体系的な整理を進めてきました。
これまでGX(グリーントランスフォーメーション)推進に関する議論はCO2多排出産業やエネルギー業界を中心に進められてきましたが、本WGでは、最終消費者に最も近い立場である中間排出事業者が中心となり、CO2排出量低減等の環境価値の紐づく製品(グリーン製品)が消費者に選択される市場(グリーン市場)をどのように形成できるかという観点から、「新規市場の成立」を主題に据えて検討を行った点が特徴です。
 
成果物の概要
本WG(参加企業計35社)では、グリーン市場創出に向け、消費者への訴求の難易度が高い非耐久消費財を例に、グリーン製品の定義から消費者の購買行動の傾向、バリューチェーン構造を踏まえた課題までを網羅的に整理いたしました。その結果、非耐久消費財に関する市場において、個社努力のみではグリーン市場創出が構造的に困難であることを明確に示した点が最大の成果となります。
今回公表した成果物では、以下を整理しています。

グリーン製品及びグリーン市場の定義
  • 企業努力によって、製品及びサービスのカーボンフットプリントの低減や、削減実績量・削減貢献量の創出につながる製品を「グリーン製品(サービスを含む)」と定義した。
  • 企業努力によって生まれた環境価値が社会全体で評価され、グリーン製品の持続的供給が可能となる状態を「グリーン市場」と定義した。

グリーン市場創造に向けた市場の構造的課題
  • グリーン市場が顕在化しない背景に、消費者行動と供給構造の双方に課題が存在することを明らかにした。消費者側では、環境価値に対する価格プレミアム*1 を支払う層は限定的であり、環境価値単独では購買決定に至らない傾向を確認した。
   *1:消費者が特定のブランドや製品に対して競合他社製品よりも高い金額を支払ってもよいと考える「追加的な価値」
  • 一方、中間排出事業者を含む供給側では、「製品価値と環境価値の両立」や「コスト低減と環境価値向上の両立」に向けて、競争環境下で個社が実行可能な取り組みが既に進展しており、取り得る打ち手は概ね講じられている状況にある。それにもかかわらず、消費者が積極的に選択する水準の環境価値を創出することには限界があることを明らかにした。
  • また、GHG排出量算定および削減取り組みにおいては、製品バリエーションが多くサプライチェーンが複雑であることから、統合的なデータ管理やデータ流通の難度が高いという課題を確認した。サプライチェーン上で流通するデータ項目の標準化は十分に進んでおらず、相互運用性や秘匿性を担保した仕組みも確立されていない。さらに、規制動向の変化に応じて柔軟に対応できる枠組みも未整備である。
  • 以上より、これまでの個社の取り組みを前提としつつも、グリーン市場の創造には、企業間連携にとどまらず、制度設計等を含む多層的な対応が必要であることが明らかとなった。

導き出された方向性:グリーン市場を顕在化させるための対応策
上記の整理を踏まえ、本WGでは次の結論に至った。
  • グリーン市場創造は、企業単位の努力のみでは成立しない
  • バリューチェーン全体での役割分担とコスト負担の再設計が必要
  • 政府・業界団体等との制度的連携が不可欠
本WGでは、最終製品を担う中間排出事業者が中心となり課題を整理したことにより、非耐久消費財における最終消費者での需要創出等課題への対応策に関し、個社による打ち手が限られており、バリューチェーン内外での連携が必要不可欠であることが明確になったと言えます。

本成果物はGXリーグのHPにて掲載されております。
・WG成果物:
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/wg_visionpaper_202603.pdf
・SWG成果物:
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/swg_data_teigen_202603.pdf
・SWG参考資料(Excel):
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fgx-league.go.jp%2Faboutgxleague%2Fdocument%2Fswg_appendix_data_202603.xlsx&wdOrigin=BROWSELINK

今後は本成果をもとに、中間排出事業者を軸として、市場における重要なステークホルダーである他の事業者を巻き込みながら、グリーン市場創出に向けた対応策の優先度の検討や社会実装に向けた詳細検討を進めていきます。

本WG設立の背景と意義
脱炭素社会の実現に向けては、自社だけでなくスコープ3を含むサプライチェーン全体における温暖化ガス排出量の可視化・削減が強く求められています。同時に、環境配慮型の製品やサービスの価値が適切に評価され、市場で選択される仕組みの構築が重要となっています。その上で、環境価値を市場や消費者に向けて、信頼性のある形で分かりやすく伝える仕組みの構築が急務です。しかし現状では、環境価値の表示手法や信頼性の担保、消費者への訴求方法などについて、明確な基準や共通の枠組みが整っておらず、企業単独では対応が難しい課題も存在しています。
本WGは、こうした課題に対し、消費財企業が中心となり異業種横断で議論を行う日本初のプラットフォームとして設立されました*2。官民連携の枠組みのもと、実装を見据えた検討を進めることで、軽工業分野を含む多様な企業が持続可能な形でグリーン市場と向き合うための基盤整備を目指しています。排出削減手法の検討にとどまらず、GX製品・サービスが市場で購買される条件を整理し、消費者行動と市場メカニズムを踏まえた制度的・構造的対応を提示した点に、本WGの意義があります。
*2:デロイト トーマツ、ユニ・チャーム、NTTドコモビジネスが、GXリーグにおいて、「中間排出事業者を通じたグリーン市場創造検討ワーキング・グループ」を新設

GXリーグについて
GXリーグ*3 は、2050年のカーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GX(グリーントランスフォーメーション)への取り組みを加速させる企業が、同様の志を持つ企業群や官・学と共に協働する場として、2023年に経済産業省が設立しました。参加企業は、自ら率先して技術革新や持続可能なビジネスモデルの構築、環境を考慮した新市場の開拓など、具体的なプロジェクトを通じて変革を推進し、他の関係者と協力しながら、カーボンニュートラルへの移行を促し、持続可能な未来の構築に貢献することが期待されています。
*3:GXリーグ公式WEBサイト:https://gx-league.go.jp/

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